1997年1月12日
環境庁大気保全局大気規制課長 様
アスベストについて考える静岡県民の会
前略
日頃、私たちの環境と健康を守るために、ご尽力いただきましてありがとうございます。
私たちは、アスベストが、欧米諸国等では、使用禁止などの法的措置が取られたり、使用されなくなってきているのに対し、日本においては、この狭い国土と密集した生活環境にもかかわらず、今なお、毎年20万トンも使用されているという事態を極めて重大な問題と考え、これまで、静岡県や静岡市に、アスベストによる被害を防ぐため、地方公共団体としてできる限りの対策をたててほしいと要望してきました。
これについては、昨年の12月10日に、静岡県知事に対して提出した要望書を同封しましたので、ご覧下さい。
この要望書にもありますように、県に対して、環境基本条例の趣旨等から、代替化の促進に努めてほしいとお願いしていますが、アスベストを含有する建材について、業界での努力などから、含有率が年々低下しているという事実があるにもかかわらず、年間の使用量があまり減少していない点を考えると、アスベストの代替化が、実際にはほとんど進められていないのではないかとの疑問を持っております。
これまでの経過では、県建築課などでも、「国が、アスベスト含有建材が危険であるとは言っていないので、民間に対して、代替化を促進するような対策は取っていない」と回答しており、県全体としても、アスベストの代替化を促進するための対策は、ほとんど行われてきておりません。
そこで、国が行ってきた代替化についての対策について調べてみたところ、労働省からの通達(昭和51年5月22日付け労働省基発第408号)に、「石綿の代替措置の促進」として、「石綿は、可能な限り、有害性の少ない他の物質に代替させる」とあるのが確認できただけで、それ以外には、環境庁も含めて、アスベストの代替化を促すための、通達などによる行政指導が行われているのかどうか、また、そのほかの対策が取られてきたかどうか、明らかになっておりません。
アスベストの代替化に関して、県環境保全課は、国の考えを尊重すると回答していますが、同課にお伺いしたところによれば、環境庁をはじめ、国が、代替化を促進するため、具体的にどの様な対策を行ってきているのかという点については、はっきりとわからないとのことでした。
(参考までに、県環境保全課による回答と、その回答の基になっている県環境局長宛ての文書を同封しましたのでご覧下さい。)
ところで、貴課が平成8年4月25日に各都道府県などに送付した、平成7年度環境庁委託業務結果報告書『構築物の解体・撤去等に係わるアスベスト飛散防止対策について』によれば、随所で、今まで、関係省庁などで、アスベストの代替化を促進するための取り組みがなされてきているという内容の記述が見られるのですが(同1頁、39頁、97頁等)、ここで書かれているのは、具体的にどのような政策を指しているのでしょうか。
これについて教えていただきたいので、下記の点についてご回答いただきますようにお願い申し上げます。
回答については、一か月くらいを目途に連絡させていただきますが、できればそれ以前に、どの様な形でご回答下さるのかということだけでも、ご連絡いただければ幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上