懐かしのレーシングカー:My Dear Old Racing Cars

トヨタ 2000GT

TOYOTA 2000GT

*エンジン*

engine01 DOHCらしい美しいヘッドを持ったエンジンは、シングルOHCのクラウン用M型をベースに開発されたもので、ヤマハがチューンを担当しました。このM3型エンジンは、ベースこそクラウン用ですが、シリンダーブロック以外は新しく開発されたものといっていいでしょう。

総排気量は1988ccで、ボア・ストロークは75x75mmのスクエアタイプでした。シリンダーヘッドの燃焼室形状は半円球タイプです。今はペントルーフタイプが主流ですが、当時は、半円球形状がもっとも燃焼効率がいいとされていました。バルブ配置は対向角78度のV字クロスフロー・タイプでした。バルブ径は、インテーク・バルブ42mm、エキゾースト・バルブ37mmというものです。これらのバルブは、ダブル・ローラー・チェーンにより駆動されています。カムシャフトは7軸受方式が採用されていて、高回転に対応していました。

カムシャフトは、2ステージ・タイプのローラーチェーンで駆動されています。クランクシャフトからオイルポンプ用のドライブシャフトを回し、そこから上を次のチェーンで回すというものです。

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エキゾーストは、3気筒づつまとめられ、デュアルのままテールまで導かれ、リアには二本出しのマフラーが装着されていました。

engine04 ピストンはロー・エッキス製の金型鋳造品で、ピストン上部は半球形の燃焼ヘッドに合わせ、圧縮率を上げるため凸形状になっています。バルブ部分は逃げを設けるため凹形状のへこみがが設けられていました。ピストンリングはコンプレッションリング2本、オイルリング1本の3本で、オイルリングは、密着性のよいスチールレールを用いた組み合わせリングを採用していました。

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キャブは、ミクニ製のダブルチョーク・ソレックス40PHH。2シリンダーに1個の3連装タイプでした。

圧縮比は、8.4とかなり低めでしたが、GTカーとしての耐久性を考慮したためでしょう。それでも、150馬力を6000rpmで、18.0kgmのトルクを5000rpmで絞り出していました。

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ラジエターは、ノーズを低く押さえるため、冷却水が横方向に流れるクロスフロータイプを採用し、アルミ製の電動ファンが併設されていました。

潤滑油はギヤ式のオイルポンプで供給され、アルミ製のオイルクーラーも備えられていました。

engine09 点火システムは通常のバッテリー点火方式でしたが、ディストリビューターは2接点式3山カムのダブルポイント方式でした。それは、高速回転時のブレーカーアームの追従性をよくするための工夫でしたが、後に、通常のシングルポイント方式に変更されています。

エアクリーナーは吸気抵抗を減らすため、全周露出タイプのエレメントをフロント左タイヤの直後のサービスリッドの中に収められていました。キャブの先に付けられているのは、一見、エアクリーナーの様に見えますが、中は空洞のエアチャンバーでした。

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クラッチは、クラウンの乾燥多板式の改良型で高回転での耐久性を上げたものでした。ダイアフラムスプリングの荷重をを上げたもので、クラッチフェージングはセミモールド系のもので形状は切り溝のない高回転に耐えるものでした。

トランスミッションは前進5段のオールシンクロタイプと後退1段の組み合わせです。レシオは

1速3.143
2速1.636
3速1.179
4速1.000
5速0.844
3.238
ギアレシオ

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2速、3速、4速が接近したクロスレシオタイプでした。また、ギヤ類はニードルベアリングを使って、抵抗を減らして高速回転に対応していました。

デフはハイポイド式で、レシオは4.375。これに、リミテッドスリップ機構が組み合わされていました。また、デフは高速用に4.111のレシオのものもオプション設定されていました。

リアアクスルシャフトは中央にスライドスプラインが切られて伸縮可能なダブルジョイント式で、サスペンションの上下動によるアクスル長の変化に対応するものでした。

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