PRTR意見3−被害発生と禁止の動向をふまえて (アスベストについて考える会)
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意見<該当個所>
「PRTR及びMSDS対象化学物質の選定方法について(案)」の、「U. 具体的な方法」「3.その他の留意事項」について
<意見内容>
「対象物質選定の考え方の原則を上記1. 2. のとおりとするが、例え ば次のような事例等には、個別物質毎に判断して対象化学物質の追加・ 削除を行うことが適当である。」の後の項目に、
「諸外国で使用が禁止されている物質でありわが国で使用が認められ ている物質、または、そ のような観点からわが国でも使用を禁止すべきとの意見が出されている 物質については、諸外国及び国内の状況を踏まえて優先的に検討した上 で、必要に応じ追加」 及び、の項目を加えること。
「その物質の使用により、死亡者などの重大な被害が発生していると いう報告がある物質については優先的に検討した上で、追加」<理由>
諸外国で使用が禁止されている物質は、発がん性や危険性が重大であ るという判断に基づいて禁止されているものであるから、このような物 質が他の物質以上に慎重な取扱いを受けることは当然のことである。
また、わが国で使用されていることが適切であるかどうか当然に関心 が集まるところであるから、そのようなことを検討するために役に立つ 情報を得るためにも、対象物質に加えるべきことは必要と考えられる。
対象物質を選定する際や、それらの物質の発がん性の評価について検 討される際に、外国の発がん性についての評価をもとにしていることか らみても、他の諸国で使用が禁止されている物質であるとの重大性を考 慮に入れるべきことは当然のことと思える。
また、使用を禁止する判断のもとになった危険性についての研究成果 などを積極的に取り入れながら対象物質を検討すべきことは、同様に、 この案の中で外国の発がん性についての評価を参考にしていることから 必要であるといえる。
死者の発生などの重大な被害が発生しているという報告があれば、こ れが判明した時点で、早急に対象物質に加えるべく検討すべきことは、こ との重大性から言うまでもないことである。
諸外国で使用が禁止されているとともに、それにより死者が出ている という重大な報告があるにもかかわらず、わが国において使用されてい る物質が、この法律の対象物質から除外されているとすれば、対象物質 を選定する際の基準自体に何らかの不備があると考えて、基準を見直し するようにするべきである。
そのようなことが起らないような形で基準が定められるように、この 項目において何らかの形で補完できるようにしておくべきである。
(1999.12.18)