JISについて(3)通産省質問の回答−その5−
<アスベスト製品をJIS製品に含める妥当性>
<前回のJIS改訂によって、アスベストを含有する建材を、ノンアスの製品と同一の規格と認定したことの是非>
<アスベストを含有する建材の規格の名称から、「石綿」を削ったことの是非>
* 回答 *
* 質問・意見 *
1995年の改訂で、石綿スレートなど、それまでの6規格を3規格にして、そのうちの4種類を「繊維強化セメント板」という名称で1規格にまとめてしまった。
その中に、アスベストを含まないものを混ぜてしまった。
ノンアス製品を、追加して入れたものだ。
アスベスト製品も、ノンアスの製品も、一つの製品の種類としてみると、「繊維強化セメント板」という一つの種類と考えられるということ。
法律の規制があるのだ。
それを、それまでは「石綿スレート」という名前になっていたものを、「石綿」の名前を除いて、他のもをを混ぜて、規格の番号と名称からはわからないようにしてしまった。
法律の規制がかけられているものを、他のものと混ぜるというのでは、規格の意味がないではないか。
JISは法律の規制があるかないかで分けるものではなく、JIS法の目的にもあるように、鉱工業品の品質の向上をして行くことが目的。
一つの「繊維強化セメント板」というものを、一つの製品の種類として考えているということだ。
アスベストは法律で禁止されているわけではない。
WHOなどを見ても、管理して使うということが現実にはできる。それが世界の現状だ。
その中で日本だけが、17万トンも使っているのだ。それを踏まえて考えなければいけないのではないか。
JISの原料の説明には「石綿」と有るが、これは「石綿」を使わなければいけないということか。
そのようなタイプのものがあるということだ。
ケイ酸カルシウムタイプKだけだ。
流通してきて、要望が出てくればあがってくる。
今はJISに認定されていない。
ことさらに記載しなさいといわれているものを、規格の名称からはずすというのは、労働法上の表示の義務と矛盾しているように見えるが、どうか。
JISの方では、どういう種類の製品か、どういう原料が使われているか明示している。規格を見てもらえば、ユーザーの方はわかるはずだ。
JISでも種類も書きなさいと言っている。製造年月日等も書くようにと言っている。業者が出荷するときに、書いているから、わかるはずだ。
いくら調べればわかると言っても、同一のものをまとめ、別のものと分けることが、規格の意味であるはずなのに、細かく中を見なければわからないようなものでは、規格としての意味をなさないではないか。
調べなければわからないものを、いっしょにしておくのがおかしい。
同一種類の区切りを、繊維強化セメント板としてJISに規定したものだ。
そこには異論があると思う。
同一の製品としてJISというものを整理して、同一の種類のものならば、一つの規格の中に入っていた方がいいということだ。
法律の規制があるものとないものを、同一の性能があると考えるのはおかしいのではないか。
適用範囲が同じならば、一規格になる。
皆さんの考えは、制限事項があるから廃止してほしいという考えのようだ。
今でもノンアス製品を入れているように、これからもノンアス製品が出てきたら積極的に入れる方針であることは、誤解しないでほしい。
今後ケイ酸カルシウム板のように、どんどん入ってくるようになれば代替化が進む。
先行的になることはできない。
まだどういうものが普及して行くか、その前の段階で自分たちが判断していいのかという問題になる。
わからないうちに入れてしまえということになると、そこまでしていいのかということになる。