これは、1998年1月12日に行われた通産省のアスベスト代替化
政策についての回答を、メモに基づいてまとめたものです。
回答の日時:1998年1月12日 午後2時10分〜3時50分
回答の場所:通産省本館B1面会室 出席者: 通産省住宅産業窯業建材課建材班 班長他2名
平成2年度と3年度に「石綿代替化製品調査研究」が行われ、報告書が出されている。
これは2年間継続して行われたが、必ずしも、代替品が満足行くこともなかったように記憶している。
通達などは出していない。
当省としては、パンフレットは作製していない。
アスベストに対する、管理して使用することは社会的要請であり、環境保護、安全保護などの観点から、適切な管理が必要だということは認識しているところなので、今後、関係団体等の協力を得ながら、検討を行う予定になっている。
我が国においては、アスベストは労働安全衛生法や大気汚染防止法などによって、規制されている。 そういう法規制のもとで、アスベストの管理に努めている。 代替製品の性能や実用性を考慮して、検討を行ってゆく。
<質問・意見>
平成2、3年の報告書は、「中小企業のガイドライン」となっているが、どのような形で報告を受けて、どこに配られたのか。
中小企業に配ったことはないようだ。
どこからどこに報告がされ、どこに渡されたのか。
委託で、2年度で800万で行っている。
建材センターが代替品の可能性について細かく調査した。
公表については、当時にさかのぼって調べたが、知る限りでは公文書にしては出していないようだ。
レポート、内部資料として使われた。
何部くらい作られたのか。
わからない。公表されない形で、業界団体にその報告を受けて指導した。
配布されたのか。
報告書という形ではしていない。
どういう形で行ったのか。
性能や代替物など、代替の可能性について調べて業界団体に指導した。
こちらの課で行ったのか。
うちの課で業界に行った。
資料はあるか。
ない。
2年分で1400万円をかけて、「中小企業ガイドライン」としてできてきて、それがどのように代替化に生かされたのか知りたい。
業界、石綿協会などに話して行った。
指導したとして、成果は何か。
指導して、使用量が少なくなっている、含有率が少なくなっているなどの成果が出ていると思う。
耐火性とかの、生命にかかわる品質に問題はないかとかを加味して、開発等に、メーカーが利用した。
基本姿勢が問題だ。
アスベストは、労働安全衛生法など発癌物質として代替化が求められている。
通産のスタンスとしては、性能が大丈夫かとか、むしろ代替化にブレーキをかけようとしているように見える。
有害物質だが、禁止されていない。
今使っているものを管理して利用できる。
特化則では代替化を求めている。
それとは齟齬をきたしているのではないか。
可能な限りということだ。なるべく代替化が基本だが。
使用量が減ったと言っても、せいぜいピーク時の半分だ。
それでも17万トンや19万トンというのは、先進国に比べれば圧倒的に多い。
このようなスタンスでは、いつまでたっても使われることになる。
今までの流れでは代替化は進まない。
機会あるごとに指導する。
合意の範囲の中で、代替化、低減化について検討したい。
製品を作るのは企業だ。
諸外国は激減している。
一つは、その国の事情。建物の建築方法などがある。
それは本質的な違いではない。
イギリスでは1万トン、アメリカではおそらく3万トンを切っている。我が国はまだ、17から19万トンも使っている。この数値についてどう考えるか。
安全な管理を、適切な使用、そういうことによって、少しでも代替化、低減化はしてゆきたい。
代替化をすべきであるという見解は持っているのか。
すべきである。しかし、製品そのものの品質も確保されなければならない。
。
石綿関係の企業は、必ずしも大企業ではない。
他の国では代替化ができている。日本だけは、企業に任せるのか。
大気汚染防止法や、労働安全衛生法の流れの中でやっていきたい。
法律で禁止されれば別だが、そうでないものをやめろとは言えない。
代替化の方針は持っているが、それを実現する手段は持っていないということか。
強制はできない。指導したいということだ。
石綿協会は安全委員会などを作っている。それを通じてとか、代替品を作っている繊維関係とかを通じてなどということ。
代替化の方針はもっているが、石綿協会に任せて、企業の自主的な取り組みに任せて行うということか。
まるっきりうちが何もしないという意味ではない。
そうではないのか?
前回の報告書も中途半端のままになっている。
それほどアスベストの使用量が減っていない。
通産として何ができるのか、考えてほしい。
いろいろとそういうことを含め、石綿協会だけでなく、前を向くような方向で検討したい。
石綿協会を通じて行うことに無理があるのではないか。
売るべき人たちが、アスベストの代替化のためにどこまでやってくれるのか素朴な疑問がある。
それについては、定款も用意しているが、それには石綿の代替化の研究もあげている。
吹き付けアスベストの除去を塗装業者がやったり、新宿では、改装工事でアスベストを削ってしまい部屋中が真っ白とか、それが実態だ。
管理して使用すると言っても、実際には無理だ。
製造業者が解体について考えていない。
作る以上は壊さなければならない。廃棄まで考えてやるべきだ。
そういうことを踏まえて、今後検討したい。
確認したい。
報告書には、代替化や総量の削減が必要と書かれている。
この報告書にあるように、通産省が総量の削減が必要と考えていると受け止めていいか。
今ある法律のもとでの代替化、100%できなくても含有率を下げるとか、低減化など、それらの方向はすすめてゆかなければならない。
もう一つ確認だが、2年間で1400万円をかけて作られた報告書が、静岡県でもどこにもないない。
どこにも配られていないようなものが、なぜ、代替化の政策と言えるのか、内部資料として使われたいうと、1400万円かけて、参加している企業の研究に使われたのとどこが違うのか、今後改めて説明してほしい。
当時のものは古くなっているので、代替化の研究など、また改めてやられなければならないと思うがどうか。
やると約束はできないが、そのようなお話があったことは伝えたい。
どうなったか聞きたいので、今後、具体的に教えてほしい。