*通産省関連−目次−

通産省質問の論点

−その1−


通産省の代替化政策

<代替化政策の必要性について>

 平成2年度通産省委託「石綿代替製品調査研究報告書(中小企業のための石綿 代替製品開発ガイドライン)」には、

「石綿製品の製造、施工、利用、廃棄、の各段階における安全性を高めるためには、石綿の代替化、含有率の低減化を推進し、これらを通じて石綿使用の総量の低減化を図ることが必要である」(巻頭言、石綿代替製品調査研 究委員会、委員長岸谷孝一)

 調査研究の目的、「・・石綿製品の製造・加工・利用・廃棄の各段階における安全性を高めるためには、石綿の代替化を推進し石綿使用量の削減を図る必要がある。」(1頁)、とある。

 石綿代替製品調査研究委員会の委員は14名、名簿5番目には、当時の窯業建材課長、長田直俊氏の名前もある。


<これまでの代替化のための政策>

 上記、平成2年度通産省委託「石綿代替製品調査研究報告書(中小企業のための石綿代替製品開発ガイドライン)」(A4版152頁、巻末資料約130頁、委託経費約810万円)

 翌平成3年には、続編として「石綿含有量低減化製品調査研究報告書」が出された。(同約150頁、経費約610万円、前年分との合計約1400万円)これ以外の指導などをしているかどうかは不明。


石綿の使用量、輸入量、生産使用の実態について

<輸入量>

 先に環境庁から受け取った、本年度取りまとめ分の輸入量の統計では、総輸入量から1万トンを、原綿以外のものとして差し引いて計算している。今までの統計資料ではこのような計算方法は取られていなかったと思う。なぜ、1万トンを除外するようなまとめ方をすることにしたのか聞きたい。


<生産の実態>

 いくつの事業所などで製造されているのか。製造工程におけるアスベストの取り扱われ方は、大まかに言ってどの様になっているか。大気汚染防止法で規制を受けているアスベスト製品製造工場等の数が近年急速に減少しているというが、使用量の減少傾向が緩やかなのはなぜか(大気汚染防止法では、従業員20人以下、または、 湿式など一部の工場では届け出義務がない)。


<使用実態>

 官公庁などにおいては、アスベストは使われなくなってきているという。東京都は、アスベスト対策大綱で、アスベストの不使用を決めている。大阪府、神戸市、兵庫県などにおいては、パンフレットなどで市民に呼び掛けたりしている関係上、とりあえず、使用していないと考えなければならないはず。

 静岡県、静岡市では、もう使用していないと言っている(確証はない。今まではノンアス製品ということで、含有率の低いものをアスベストを含まない建材として取り扱っていた)。

 文部省、建設省などにおいても、使用しないと言っているようだ。

 環境庁では、率先事業計画に含めることを求めたが、10月頃電話した際に聞いたところ、担当者はそれは何かと言っていた。同じ環境庁でも、他の部署でやっていることはよくわからないらしい。

 最大手の住宅メーカーの資料によれば、アスベスト含有の化粧スレートを含むスレート系の屋根材の使用量は30%程度となっている。

 ある住宅建築会社では、建材部門への電話での問い合わせには、アスベスト含有の製品は使われていないと説明していたが、近所の住宅には屋根材として普通に使われている(含有率10〜15%)。

 他のメーカーの人の話では、積極的に使っているような印象。もっとも、そう言って眉をひそめていたメーカーでも、使われていないという説 明にもかかわらず、建材名を聞いてみたら含有している名前の商品になっていた(フルベスト)。

該当の住宅は、当社で売り出したばかりの木造3階建。聞くところによると、 三階建てや、アパートなどの建設では、屋根を軽くする必要からアスベスト含有の屋根材が使用されることが多いという。

 別の統計では(1993年、日本屋根経済新聞社推計)彩色石綿板の使用状況は、

 1位神奈川県63.6%、2位東京都54.1%、3位滋賀県49.7%となっている(平成元年度。住宅金融公庫調べ。)


 

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