浜岡原発差止裁判に参加して−こんなことがよくわからない−(目次)


(3):たらればの質問?

(2002.9.30)

中部電力のエネルギー環境広報グループの担当者から、直接、「あなたは債権者(原告のこと)だから、あなたにはお答えしない」と言われて、「だったら自分は債権者をやめます」と、思わず口走ってしまった私だったが、それでも、「そうしたらお答えしてくれますか」と聞くことを忘れなかった。

その答えがこうだった。「たらればの質問には答えられない。」

はじめ、何の意味なのかよくわからなかった。
「では、債権者ではない人が聞いたらお答えてくれますか?」「裁判が終わればお答えしてくれるんですか?」・・・そんなことをいくつも聞いているうちに、もう一度「たらればの質問には答えられない」と言われて、何のことかわかった。

確かに「たら」「れば」と言っている。
そして、「こういう話自体が、すでにやり取りになっている。やり取りはできないと言ったでしょう、だからお話することはできません」と言われたんだった。

私は、「たらればの質問」にまで答えてもらえないことがわかって、債権者をやめるのはもう少し考えてからにしようと思った。

でも、津波の問題は何も解決していない。

田中さんは、「浜岡原発のことは、裁判で争われているから、裁判を通してやり取りする。裁判の外で直接やり取りをするのは差し控える、それが社の方針だ」と言った。

「トンネルの長さと、耐震検査はいつ行われたかとか、そういう簡単な事実だけでもだめですか」と聞いた私に、「簡単な事実でも、債権者にはお答えできない」と言ったんだった。

つまり、私が、取水口や海底トンネルのことでこれ以上詳しいことを聞きたいと思ったら、私は、弁護士の人たちにお願いして、裁判の争点に加えてもらわなければならないということになる。

弁護士の方々は、いつだって忙しそう。それに、私は1500人の債権者のうちのたったの1人なんだ。

裁判に加わったら、他の人には答えてくれる質問に答えてくれなくなるなら、裁判を受ける権利がないのと同じだ・・・。

「私は普通の人ではないということですか?」と思わず聞いていた。
「普通の人とか普通の人じゃないとか、そういう問題じゃない」と田中さんは答えた。

こんなことまで争いになるなんて、私はいったいどうしたらいいんだろう?・・・自分にまで「たらればの質問?」を投げかけるだけなんだろうか?

−つづく−



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