静岡市営住宅アスベスト含有吹き付けロックウールについて
静岡市建設部長宛質問 回答
日時 1997年8月7日(木) 午後1時30分〜3時
場所 本館2階 会議室
出席者 住宅課(2名) アスベストについて考える会(2名)(計4名)
用語説明:囲い込み、封じ込め
<質問要旨>
静岡市は、昭和45年から52年にかけて建築した7団地、43棟、総戸数1752戸の天井に、アスベスト含有吹き付けロックウールを使用している。
このうち約半数の、870戸(うち、144戸については浴室の天井のみ工事)は、平成2年度に囲い込み工事が行われ、吹き付けの天井の下部を、リフォジュールシートなどで覆っている(使用されている住宅は下記のとおり)。
質問は、
- この時、工事の対象にならなかった部分の現状はどうなっているか
- 対象になった工事の箇所について、痛んでいる部分がないか
- 地震の際などの安全性
など、市の、賃貸住宅の貸し主として借家人の安全性にどのように配慮するのかなど、貸し主としての責任と、公的施設の所有者としての管理責任を問うているもの
それに加えて、
- 居住者に対して危険性についてがどの様に情報を与えてゆくのか、情報を公開する責任を問うたもの
<回答の要旨>
- 該当する住宅の約3分の2ほどは、調査して安全を確認した。
- 平成2年度に工事を行わなかった部分については、それ以前に、転居などの際に、囲い込み、封じ込めなどの処理がされており、封じ込めされているものについては、ボロボロ落ちているなど飛散している様子はなく、安全な状態である。
- 囲い込み工事の部分については、リフォジュールが痛んでいる様子はなく、安全な状態だった。
- これらについては、調査票によって、調査した場所はわかるが、調査の日時、調査者の氏名をはじめ、除去、囲い込み、封じ込めのどれか使われているか、現状がわかる一覧表などの資料はなく、依然として部屋ごとの資料はない。
- 調査は、担当者などが行っているが、3分の2というのは、調査した棟の数のおよそで、戸数としては、一棟のうちの何戸かになる。
- 安全は確認したが、囲い込みか、封じ込めかは見ていないので、どのくらいが囲い込みで、どのくらいが封じ込めかは全くわからない。
- 除去されているものはないようである。
- (写真を示して)一部写真は撮っている。
- 薬剤処理された時期、薬剤の名前などは全くわからない。しかし、むき出しになっている部分については、封じ込めが行われていることは目で見てわかるので、何も処理されていないまま、除去されずに残されているものはないと思う。
- これについては、すべて調査していないが転居の際などに確認しているので、他の部分についても、およそ問題はないと考えている。
- ボロボロ落ちてくるとか、何か問題があれば居住者のほうから苦情が出るだろうし、今後も転居などの際などに見てゆけば問題はないと考えられるので、特に今後の管理方法などは考えていない。
- このようなアスベスト含有の吹き付けロックウールが使用されていることは、居住者が知らないことも考えられるが、特に説明することは今のところ考えていない。
- 濃度測定などを行う予定はない。
- 地震の際の安全性については、先の阪神大震災のときでも、壁式ラーメン構造の建物の被害はなかったので、安全と考えている。
<回答に対する意見>
- 何も調査結果について示す資料もなく、一部の場所の、目視による調査で、飛散の可能性はないから安全であると言われて、納得できる人がいるとは思えない。
- これではやる気がないと言っているのと同じ、全くのゼロの回答としか受け取れない。
- 通達やマニュアルで求められている管理方法にも従っていないことになり、公的施設であるのに、許されない。
- 所々調べて、だいたいは安全と言われても、居住者は一戸ごとに違っているのだから、確認できていない場所に住んでいる人の安全は配慮されていないことになる。
- どことどこに囲い込みが行われ、どこがむき出しの状態なのか、各戸ごと部屋ごと資料がなければ、今後の管理をすることができない。
- 部屋ごとの資料を作って、居住者や一般の人に対して十分説明できるようにしておかなければならない。
- 薬剤処理をしていることはどうやって確認したのか、使用された薬剤や処理した時期がわからなければ、今後の管理方法を決められない。
- むき出しの状態の場合、居住者が知らなければ部屋で子供がボールなどをぶつけたりして、知らずに飛散させてしまったりすることは十分あり得る。
- 居住者に、少なくともアスベスト含有の吹き付けロックウールが使用されていることは伝えておく必要がある。
- 担当者だけでこれだけの戸数の調査を行うことは無理だ。予算を付けて調査に出してはどうか。
- 無理なら、居住者に対して質問書やアンケートを作ったりして、基礎資料を集め、それを取りまとめたらどうか。それによって、居住者に伝えることもできる。
- 回覧板などで、回してはどうか。
<意見に対する回答>
- 各戸ごとのデータを残したり、囲い込みか封じ込めかなどを記録する必要があるとは考えていなかった。
- そのようなデータが必要だということはわかったが、今終わっている部分までやり直すことはちょっとできないので、今後の残された調査については、そのようにやって、まとめて報告したい。
- アンケートなどで各居住者からデータを集めるということは、どの程度伝えるか、それにつてどのように対処して行くかなどの点で、少し難しい点もあるが、できるかどうか検討してみたい。
<問題点>
- ・だいたいは大丈夫と言われても、確認できる資料を持っていなければ、安全であることを示すことができないことは、当たり前のことである。
- 貸し主として、所有者として、居住者の安全に配慮して、十分に、必要な管理をしていることを、はっきりと示してくれと言っているのに、だいたい安全でした、見てきたから大丈夫などと言って、よしとしている、それで説明できると考えていること自体に、説明内容以前の問題がある。
- 囲い込み、封じ込めなど基本的な言葉なども、十分理解していないようにも見受けられた。自分の担当部署について、住民からの質問について、よく理解してから説明するようにしてほしい。
- 市は何千人にも及ぶこの部分の居住者の安全について、あまりにもいい加減に考えている。
- これでいいとはとても考えられないので、今後、改善の余地がのぞめなければ、監督官庁に対しても説明を求め、責任の所在をはっきりさせて、しっかりした対策を求める。
** アスベスト含有の吹き付けロックウールが使用されている静岡市営住宅 ** 43棟 **
安倍口団地(27棟)
13棟,14棟,15棟,16棟,17棟,18棟,19棟,
20棟,21棟,22棟,23棟,24棟,25棟,26棟,
27棟,28棟,29棟,30棟,31棟,32棟,33棟,
34棟,35棟,36棟,39棟,40棟,41棟
瀬名南団地(6棟)
1棟,2棟,3棟,4棟,5棟,6棟
瀬名団地(2棟)
1号,2号
桃園団地(1棟)
牧ヶ谷団地(2棟)
A棟,B棟
有東団地(3棟)
21棟,22棟,23棟
辰起町団地(2棟)
A棟,B棟
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