東京都知事選挙結果に関して( コメント )
社民党北海道連合 幹事長 浅野隆雄
東京都知事選挙の結果は、舛添要一元厚労相が当選した。
猪瀬前知事の辞任に伴う選挙であったが、前首相の出馬や「脱原発候補の一本化」を求める動きなど、大きな話題と関心を呼びながらも、投票率は極めて低かったと言える。無党派層の棄権か、組織票と言われる人たちの棄権か、分析が待たれるが、景気や雇用、原発・エネルギー政策、2020年オリンピック・パラリンピックの開催や、福祉や医療の拡充や子どもたちの笑顔あふれる街と防災に強い東京の未来図構想など、大いなる論戦が交わされたはずであるが、過半数を下回る投票率の知事誕生は、今後の都政運営にも影響を与えるはずであろう。
元知事の総選挙出馬での辞任、前知事の金権問題での辞任など、選挙の圧倒的勝利で知事就任しながらも途中辞任した事実が、政治不信を大きくした原因であると言えるであろう。
社民党は、総合的な政策の検証含め日弁連前会長の宇都宮けんじさんを推薦し、勝利をめざして闘ったが、「脱原発候補の一本化」をめぐる動きなど、市民の熱い思いと政党のスタンスを含めて、厳しく注視された面もあった。
しかしながら、「脱原発」以外の政策含めて、新自由主義に断固として反対し、雇用と暮らしを守るいのちと生活優先の政治実現に傾注してきた立場からすれば、「脱原発」のみを優先に、他の政策の違いを黙認して一本化賛成とは言えないのも事実であった。大いなる話し合いは歓迎こそすれ、政党の身内候補でもなくその面で率先してあれこれ言える立場にもなく、話し合いや働きかけ等も公平公正に行われたのであろうが、不調に終わった結果と選挙結果も含め、生じた溝はそれ相当であるが、修復と今後の運動でのスクラムが望まれる面である。
いずれにしろ、安倍政権の進める「秘密保護法で、原発推進・戦争準備」という凶暴政治がはびこる中の首都東京都の知事選挙で、それらの勢力が推す候補者の勝利ではあるが、圧倒的勝利ではなく、低投票率しかり、宇都宮けんじさんはじめ政策を異にする他の候補者の善戦など、安倍政権の政治へ対して「全面賛成しない」との民意の表示と言えるし、そのことは来春の道知事選へも連動するはずである。
現政権への対決を強め、暮らしと雇用・平和を守る政治に向け、あらゆる運動を今後も強めていく決意である。 以 上