2013年12月27日
仲井真沖縄県知事の辺野古埋め立て承認に抗議する(談話)
社会民主党幹事長
又市 征治
社会民主党幹事長
又市 征治
1.12月27日、沖縄県の仲井真弘多知事は、政府が米軍普天間飛行場の移設先としている同県名護市辺野古の埋め立てを承認することを決めた。公有水面埋立法に基づく承認であり、完成後の基地運用に制限や配慮を求める留意事項は付属していない。事実上、無条件で辺野古の新基地建設を認めるものとなる。
2.12月25日に、首相官邸で安倍晋三総理と会談した仲井真知事は、総理から説明された「負担軽減策」について「驚くべき立派な内容」と高く評価し、これを口実に態度を転換する考えを示していた。これは、県内の反対の強さから辺野古移設の実現可能性の低さを指摘し、県外移設が早いとして辺野古移設を否定してきたこれまでの仲井真氏の態度を転換するもので、県民に対する裏切である。社民党は知事の決定に強く抗議する。
3.安倍総理が示した「負担軽減策」は実現の担保のない口約束にすぎず、知事がなぜ高く持ち上げるのか理解できない。総理は、普天間飛行場の5年内運用停止や牧港補給地区の7年内返還を検討する作業チームを防衛省内に設置するとしたが、実施主体の米軍を入れない検討に実効性があるとは思えない。環境汚染時の基地内立ち入り調査権等についての日米協議を行なう件も米国次第で、地位協定の本体の見直しに結びつく可能性は低い。MV22オスプレイの訓練の半分を県外で実施するとしたが、沖縄県民の要求は危険な機体の配備の中止であり訓練移転ではない。1年のうちわずか数日の飛来で済む移転先と、常駐する沖縄県の間の差別はこれではなにも解消しない。
4.沖縄の世論は明確に普天間基地即時無条件撤去であり、もし移設が必要であれば「県外・国外」への移設しかない。すでに在日米軍専用施設の74%が沖縄に集中していることをふまえれば、これ以上の基地を沖縄県に押しつけることがあってはならないのが当然だ。予算編成で特別の扱いを受けた直後の知事の変節は、米軍や政府の圧力に屈し、子や孫の命や尊厳を守ろうとする県民をカネで売り渡したに等しい愚かな判断であり、残念でならない。
しかし、本来は沖縄のみに負担を押しつけ、その痛みを共有しようとしない日本政府の姿勢こそが最大の問題である。社民党は、政府の姿勢を変えるに至らない自らの非力をかみしめつつ、沖縄県民とともに普天間基地の無条件撤去の実現に全力を挙げる決意である。
以上