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東日本大震災および東電福島第一原発事故から2年を迎えて(声明)

2013年3月11日

東日本大震災および東電福島第一原発事故から2年を迎えて(声明)



社会民主党

 東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所の事故発生から、2年が経過しました。地震や津波等で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々、いまなお困難な避難生活を強いられている方々に、心よりお見舞い申し上げます。
 現在も全国で避難生活を送る31万5000人もの被災者が、進まぬ復興を憂えています。復興の遅れは政治の怠慢であることを猛省しなければなりません。社民党は、被災者の皆さんの現状を重く受け止め、一刻も早い復旧・復興と生活再建に全力を挙げることを誓います。

 被災地では、復興特需で活気づく事業や地域と、まちづくりや事業再開のメドがたたない地域との「復興格差」が広がっています。また、避難生活の長期化は心身を蝕み、高齢者や障がい者の健康悪化とそれに伴う家族の介護負担の増加、医師・看護師不足の慢性化など、「いのち」の問題も深刻化しています。復興の最前線で膨大な職務に尽力する自治体職員の疲弊や人手不足も復興を遅らせており、医師や自治体職員の長期・継続的な人員確保が急務です。
 
 復興予算や支援制度も、被災地のニーズを適格に反映したものに変えていかねばなりません。2012年度上期の復興予算では、被災地以外の「全国防災対策費」の執行率が96%であるのに対し、被災地の執行率は45.6%といういびつな構図となりました。また、住宅再建で二重ローンの支援対象から外れてしまう、住宅移転が優先し店舗の再建が後回しにされる、再建を諦めた住民の人口流出でまちづくり計画が根底から崩れてしまうなど、被災地の実態に合わない支援制度が被災者を置き去りにしています。「アベノミクス」の公共事業大盤振る舞いは被災地の人材・資材不足を一層悪化させ、復興事業が後回しになる懸念も強まっています。社民党は、復興予算の優先順位を明確化し情報公開と執行チェック機能を徹底するよう政府に求めるとともに、被災地が真に求める事業や災害弱者である子どもや高齢者や障がい者への支援に、迅速かつ柔軟に充当できる制度への改善を追求していきます。

 いまなお収束しない東電福島第一原発事故は、復興の最大の足かせとなっているだけでなく、被災者に多大な苦痛を与え続けています。除染は計画どおりに進まず、海洋汚染は実態の把握さえできておらず、さらには手抜き除染の問題も浮上しました。また、被害者への賠償も進んでいません。そもそも加害者である東電が加害額を査定し賠償手続きを進めるというあり方が問題であり、被害者をさらに苦しめています。また、除染作業員や事故収束にあたる原発作業員への危険手当の中間搾取の横行も明るみになりました。事故の被害者や作業員への人災が「二次災害」となって被害を拡大させています。政府は、たなざらしのままの「子ども・被災者支援法」の早期策定に着手すべきです。
 安倍総理の言う「復興の加速」は、原発事故の収束なしに進みません。安倍・自民党政権がエネルギー政策にゼロベースで臨むならば、これまで原発を推進し事故を引き起こしたことに対する国民への謝罪の念を持って「脱原発」に舵を切るべきです。

 被災地の人々にとっての活力は、復旧・復興の前進が実感できることであり、それが未来への希望に繋がっていきます。社民党は、震災や原発事故を「風化」させることなく、被災者や国民の思いに寄り添った「人間の復興」「生活再建」の実現に全力を尽くします。また、この間多くの国民と共有した「核と人類は共存できない」との確信を形にするため、脱原発基本法案の成立を図り「脱原発社会」の実現をめざします。

以上