第3次野田改造内閣の発足に当たって(談話)
社会民主党党首 福島みずほ
1.野田首相は本日、今年すでに3度目となる内閣改造を断行した。改造の理由について野田首相は、「山積する内外の諸課題に対し、政府・与党の連携を一層深め、内閣機能を強化するため」としているが、6月の再改造の際にも同じ理由を述べている。わずか4ヶ月でまた10名もの閣僚を交代させたことは、これまでの内閣機能不全と任命責任を自ら認めたものであり、政権の迷走ぶりを象徴するものである。
2.また、これまで消費税路線を支えたメンバーの入閣や先の党代表選で首相を支持した顔ぶれが並ぶ一方で、代表選での対立陣営を支持したメンバーの起用はなかった。今回の組閣は留任した閣僚を含め、原発再稼動・消費増税・オスプレイの強行配備・尖閣国有化の「論功行賞」の感が否めず、さらには、民主党内のこれ以上の議員流出を阻止するための、解散・総選挙前の「箔付け」人事といった様相である。大臣の職は重く、しっかりと腰を据えて取り組まねばならないにもかかわらず、1年余の間に3度も内閣改造が行われ頻繁に大臣が代わっていること自体、野田政権が国民不在内閣であることを現している。
3.野田内閣はこれまで、原発再稼働、消費増税、オスプレイ配備の強行など、原子力ムラや財界、同盟国の言いなりとなって「結論ありき」の姿勢を貫いてきた。国民の大多数が反対もしくは国論を二分する問題に対し、国民の声にはいっさい向き合わず、反対意見には「聞くだけ番長」を決め込み、ことごとく民意を踏みにじってきた。内閣改造における国民の「最大不幸」は、野田首相の留任であると断ぜざるを得ない。
4.参議院における首相問責決議は国民の怒りの声であり、野田首相のもとではもはやいかなる布陣でも国民の信頼を得ることはできない。社民党は、「近いうち」とはいわず即刻国民に信を問うよう、解散・総選挙を行うことを要求する。原発再稼動やオスプレイの訓練強行、TPP参加など国民の暮らしや命を脅かす政治を一刻も早く終わらせ、いまこそ「いのちを大切にする政治」の実現に向けて尽力する。
以上