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「原発ゼロ」をきっかけに脱原発社会に向かって歩みだそう(談話)

2012年5月5日

「原発ゼロ」をきっかけに脱原発社会に向かって歩みだそう(談話)

社会民主党
党首 福島みずほ

 本日5月5日夜、北海道電力泊原子力発電所3号機(泊村、91・2万キロワット)が、運転を停止した。泊3号は、震災直前の昨年3月7日に調整運転を開始(8月17日から営業運転)していたが、今回は原則13カ月以内の実施が義務づけられる法定の定期検査を行なうために通常停止したもので、7日午後までには冷温停止する予定である。

 泊3号機の停止によって、国内の50基(廃炉が確定している福島第一原発1~4号機を除く)の原発のすべてが止まり、はからずも「原発ゼロ」の日本が実現することとなった。政府は「原発ゼロ」となる事態をさけるために、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働を急いだが、原子力への信頼を回復し稼働させるには至らなかった。

 福島第一原発事故の原因究明が終わらず、安全審査指針類の見直しも完了していない段階で、原発の再稼働が認められないのは当然である。政府が決めた、大飯原発3・4号機の再稼働容認の方針はあまりに拙速と言わざるを得ない。そもそも、福島第一原発事故によって根本的に信頼を喪失した原子力安全・保安院と原子力安全委員会には安全性評価を行なう資格はない。活断層の連動の可能性や地震・津波の想定見直し、防災指針や体制の見直しもいまだ途上である。

 核と人類は共存できない。福島第一原発事故の被害を再び繰り返すことは断じて許されない。福島第一原発事故の原因すら十分に解明されていないなかで、原発の再稼働を議論する前提自体が存在しないのである。政府は今夏の電力不足や発電コストを理由にあくまで原発の再稼働を目指しているが、早期の原発再稼働をはっきりと断念すべきだ。「原発ゼロ」を前提に、電力需要の抑制や省エネ・節電の徹底、安全な電源の確保にこそ全力で取り組むべきである。

 「安全神話」が崩れ、国民世論は「原発反対」に大きく傾いている。電力機関や政府が生活レベルの低下をテコに国民を恫喝し、原発依存を正当化することはもはや通用しない。「原発ゼロ」の今日を境に「脱原発」を宣言し、日本の豊かな自然と安全な生活環境を後世に残していくことが、福島第一原発事故の惨禍を目の当たりにした私たちの使命である。社民党は、太陽光・風力・水力・地熱発電、燃料電池など再生可能な「自然エネルギー社会」への早期転換を追求し、「脱原発社会」の実現に全力をあげる。今回実現した「原発ゼロ」を出発点に、さらに広範な国民運動を起こし、「脱原発社会」に向かって歩みを進めよう。

以上