憲法記念日にあたって
1.本日は、1947年5月3日に日本国憲法が施行されてから65周年にあたります。主権在民、平和主義、基本的人権の尊重を掲げた日本国憲法は、この65年間、私たちが進むべき方向を示してきました。また、わが国が国際社会から信頼をかちとるうえで重要な役割を果たしてきました。社民党はこれからも、憲法に謳われた理念の実現のために邁進することを、憲法記念日にあたって誓います。
2.昨年3月11日に起きた東日本大震災と東電福島原発事故の大災害は、人々の暮らしや自然を破壊しました。1年以上経ってもなお、復興は遅々として進まず、被災地の人々の生活展望を閉ざしています。また、原発事故による放射能汚染の拡大は、日本中を恐怖に陥れ、憲法が定める「生存権」を侵害し、「幸福追求権」や「勤労権」、「教育権」をも脅かしています。この事故の惨禍は、私たちに「原子力依存からの脱却」という重要な課題と教訓を残しました。社民党は、被災者を支援する活動に力を注ぐとともに、原発事故の速やかな収束と「脱原発社会」をめざす運動を広げていきます。
3.国会では、野田内閣の下、景気回復に逆行し格差をさらに拡大させる消費税増税や日本の第一次産業をはじめ様々な分野に打撃を与えるTPPへの参加、事故検証や安全基準を曖昧にしたままでの原発再稼動が進められようとしています。これは、国民の命や暮らしを「ないがしろ」にするものです。政府が今やるべきは、東日本大震災からの復興、原発事故の収束、国民生活の再建と景気回復に全力をあげることです。社民党は、憲法の理念を生かした「いのちを大切にする政治」の実現をめざし、雇用・福祉・くらし・農林水産業などの再建に全力を注ぎます。
4.戦後、日本は平和憲法を国の基本に据えて歩んできました。憲法が指し示す道に沿って進むことにより、他の諸国とりわけアジア近隣諸国の人々から信頼をかちとることができます。しかし現在、憲法審査会が始動され、国民を置き去りにした改憲論議が進んでいます。また、民主党政権が進める武器輸出三原則の緩和や「南西諸島防衛」を名目にした沖縄基地の強化、「秘密保全法案」の準備に加え、自民党の「自主憲法改正案」の策定や超党派議連の一院制への改憲案の提出、改憲派新党の動きなど、改憲勢力の策動は予断を許さない状況です。平和憲法なくして、日本の再生、子どもたちへ繋ぐ未来はありません。社民党は、国民の諸権利を制限し日本を再び戦争の出来る国にしようと目論む策動を断固阻止するとともに、沖縄をはじめ全国の在日米軍基地の整理・縮小・撤去や日米地位協定の改定を目指す取り組みを一層強めていきます。
5.今大切なことは、格差や不安を拡大し人々を分断させるのではなく、人々の絆と希望を結び平和で豊かな社会への復興を果たすことです。そのために日本国憲法があり、憲法を暮らしに生かした政治を実現していかなければなりません。社民党は、憲法改悪に反対する人々とともに、憲法を護り、生かし、実行し、拡げていく活動に邁進し、日本の復興・再生を果たします。
以上