(商店街)
可憐
「……ねぇ、お兄ちゃん? ちょっと眠そうだけど……昨日は何時に寝たの?
兄チャマ
「え、昨日? んーと、何時だったかなぁ……。
「あれ、おかしいな。よく思い出せないや……?
可憐
「うふふ、お兄ちゃんったら夜ふかしさんだったんですね♥ 寝た時間もわからないほどなんて……。
「それはカンタン、夜中の2時13分10秒くらいデス!
可憐
「えっ!?
四葉
「兄チャマ、チェキ! ついでに可憐ちゃんもチェキよ♥
兄チャマ
「よ、四葉……。
可憐
「おはよう、四葉ちゃん♥ お兄ちゃんになにかご用?
四葉
「今日は、兄チャマと四葉がどれだけわかりあってるか、確かめに来たの♥
「名付けて、以心伝心大作戦よ!
兄チャマ
「あ、あのね四葉。もう学校に行かないと、時間が……。
四葉
「それでは第一問! いま、四葉が考えてるモノを当てて♥ よーい、スタート!
兄チャマ
「あ、ちょっと、あの……。
四葉
「ヒント1、食べ物デス!
兄チャマ
「た、食べ物って言われても……。
可憐
「お兄ちゃん、とりあえず答えてあげないと、行かせてくれないんじゃないかしら。
兄チャマ
「それもそうだね。ええと……。
兄チャマ
「パセリ! ぜんぜん理由はないけど!
四葉
「兄チャマ、ちがいマス……。
「気を取り直して第二問!
→第二問へ
兄チャマ
「肉じゃが! 僕が食べたいだけだけど!
四葉
「兄チャマ、スゴイ! 大正解です!
兄チャマ
「ああよかった。それじゃあ四葉、僕たちは学校が……。
四葉
「続いて第二問!
→第二問へ
兄チャマ
「お好み焼き! そんな気がする!
四葉
「兄チャマ、ちがいマス……。
「気を取り直して第二問!
→第二問へ
≪第二問≫
兄チャマ
「まだやるの!?
四葉
「さっきと同じ問題! 今度は動物デス! よーい、スタート!
兄チャマ
「可憐、先に行っててもいいよ。
可憐
「ううん、遅刻するならお兄ちゃんといっしょだよ♥
兄チャマ
「ありがとう、可憐。
四葉
「あと10秒デース!
兄チャマ
「……タヌキ。
四葉
「兄チャマ、ちがいマス……。
「気を取り直して第三問!
→第三問へ
兄チャマ
「……パンダ。
四葉
「兄チャマ、ちがいマス……。
「気を取り直して第三問!
→第三問へ
兄チャマ
「……コモドオオトカゲ。
四葉
「兄チャマ、スゴイ! よくわかったネ!
兄チャマ
「ありがとう。だからもうそろそろ……。
四葉
「第三問! 今度はムズカしいのよ♥
→第三問へ
≪第三問≫
兄チャマ
「………………。
可憐
「お兄ちゃん、そんな顔しないで。最後まで付き合ってあげようよ♥
兄チャマ
「……可憐は優しいねぇ。
四葉
「ヒントは植物よ♥ 兄チャマ、答えをどうぞ!
兄チャマ
「タンポポ。
四葉
「兄チャマ、ちがいマス……。
「気を取り直して第四問!
→第四問へ
兄チャマ
「ぺんぺん草。
四葉
「わぁっ、兄チャマサスガ! これはわからないと思ったのに♥
「なら、第四問も期待が持てマス!
→第四問へ
兄チャマ
「クローバー。
四葉
「フフフ、兄チャマ。四葉だからクローバーとか思ったのネ♥
「でも、それはいくらなんでもイージー&スゥイート! ハズレよ、兄チャマ!
「では兄チャマ、リベンジを誓って第四問!
→第四問へ
≪第四問≫
兄チャマ
「はは、もうなんでもいいよ……。
四葉
「今度はそうねぇ…国の首都! ちょっとアカデミックでしょ?
兄チャマ
「首都、首都ねぇ……。
兄チャマ
「ロンドン。
四葉
「ザンネン、兄チャマ♥ ロンドンは2位デス。
可憐
「なんの順位なの、それ……。
→共通パートへ
兄チャマ
「東京。
四葉
「違いマス、兄チャマ。シンプルすぎデス……。
可憐
「四葉ちゃんに合わせたような気もするけど……。
→共通パートへ
兄チャマ
「ニューヨーク。
可憐
「お、お兄ちゃん、ニューヨークは首都じゃ……。
四葉
「サッスガ兄チャマ! 大正解デス!
可憐
「……お兄ちゃんったら、四葉チャンのレベルに合わせたのね……♥
→共通パートへ
兄チャマ
「パリ。
四葉
「ノーノー。パリはキライだモン。
可憐
「さすがイギリスっ子……。
→共通パートへ
兄チャマ
「シドニー。
可憐
「お、お兄ちゃん、シドニーは首都じゃ……。
四葉
「兄チャマ、引っかかりましたネ! シドニーは首都じゃないデス! オーストラリアの首都は、メルボルンよ!
可憐
「あの〜、キャンベラじゃないかと思うんだけど……。
→共通パートへ
≪共通パート≫
兄チャマ
「さあ、四葉。次はなんだい? こうなったらとことん付き合うよ。
「お魚? 国名? それともテレビ番組かな?
四葉
「何言ってるデスか、兄チャマ。もうおしまいデス。
兄チャマ
「は?
四葉
「さて、全四問が終了しマシタ♥ 兄チャマの正解率は……!
四葉
「あらら、なんと0%デス! これはまた見事に……。
兄チャマ
「……ごめん。全然わかんなかった。
四葉
「いいんデス、兄チャマ♥ きっと四葉の念が足りなかったのネ♥
→共通パートへ
四葉
「ザンネン、25%デス。もう少し心が通じてるとおもったのに……。
兄チャマ
「ご、ごめん。……わかんなくって。
四葉
「いいんデス、兄チャマ♥ きっと四葉の念が足りなかったのネ♥
→共通パートへ
四葉
「よくガンバりマシタ、50%! 平均点くらいデス♥
兄チャマ
「あ、ああ、そう……。
→共通パートへ
四葉
「これは立派デス! 75%!
「じゅうぶん合格ラインよ、兄チャマ♥ よかったネ♥
兄チャマ
「あ、うん、よかった…のかな。
→共通パートへ
四葉
「なんとなんと、100%! パーフェクト!
「兄チャマ、スゴイ! いつのまに四葉の心をチェキしていたの!?
兄チャマ
「いや、チェキはしてないけど……。あはは……。
四葉
「可憐ちゃんも、四葉のように兄チャマと以心伝心できるといいネ!
可憐
「うん、ありがとう四葉ちゃん♥
→共通パートへ
≪共通パート≫
四葉
「それじゃ兄チャマも可憐ちゃんも、学校に遅刻しちゃダメデスよ♥
「うん、ちゃんと注意もしたし、もうバッチリデス! シーユーアゲン、兄チャマ!
可憐
「………………。
兄チャマ
「………………。
可憐
「急ごうか、お兄ちゃん♥
兄チャマ
「……四葉も、わかんないよなぁ……。
(通学路)
(……おかしいなぁ。なんか、家を出てから視線を感じる。
(と言っても、見回しても誰もいないし……。気のせいなのかなぁ。
(でもなんだか気になるな。ちょっと調べてみようか?
(よし、調べてみよう。もしかしたら、どこかの国のスパイに尾行されてるのかも知れないし。
(……でも、僕を尾行してどうするんだろう……?
(ま、いいや。あんまり時間ないからな。二ヵ所だけ捜してみよう。
(左の塀のかげだ! そこに違いない。
兄チャマ
「誰だ、出てこい!
(………………。
(あれ、誰もいないや。おかしいなぁ……。
(右の家の裏手だ! 僕のカンがそう言ってる。
兄チャマ
「誰だ、出てこい!
可憐
「は、はい……!
兄チャマ
「あ、あれぇっ、可憐!? いったいどうして……?
可憐
「いや〜ん、どうしよう。お兄ちゃんのことこっそり見てようと思ったのに、見つかっちゃったぁ……♥
「ちゃんとひとりで学校行きます。それじゃまたね、お兄ちゃん……♥
兄チャマ
「あ、可憐……。
(……行っちゃった。何しに来たんだろう……?
(正面の木のかげだ! ……ちょっと遠いけど。
兄チャマ
「誰だ、出てこい!
(………………。
(あれ、誰もいないや。おかしいなぁ……。
(奥の家の植え込みだ! 気配を感じる。
兄チャマ
「誰だ、出てこい!
(………………。
(あれ、誰もいないや。おかしいなぁ……。
(僕の真後ろだ! 視線はそっちから感じる!
兄チャマ
「誰だっ!
四葉
「チェ、チェキっ!? 見つかったデス!
兄チャマ
「あ、四葉……。
四葉の声
「四葉は兄チャマの尾行なんかしてないチェキよぉ〜!!
兄チャマ
「………………。
(やっぱり、四葉だったか。うすうすそんな気もしてたけど。
(まあいいや。さ、急がないと遅れちゃうぞ……。
≪何も見つけられなかった場合≫
(うーん、なんだか気になるけど、もうそろそろ行かないと時間がない。
(こういうときはあきらめが肝心だ。早く行こうっと……。
(いいや、急ごうっと。遅くなっちゃうもんな。
(気のせい、気のせい……。
(校門)
(ええと、花穂はどこかな……。
「ああ、もしもし。
兄チャマ
「あ、はい……?
「って!?
「ちょっと、道に迷ってしまったデス。じゃなくて、しまいまして。
「兄チャマ…いえ、アナタにちょっと教えてもらおうかと。
(……どっからどう見てもバレバレじゃないか……。変装してるつもり…なのかな?
(どうしよう。ここはちゃんと言ってあげるべきか?
(……いや、面白いからこのままつきあおう。
兄チャマ
「……それで、どちらに行きたいんですか?
「あ、ええと……。……しまった、そこまで考えてなかったデス……。
「その、あの……。
(……なんか、かわいそうになってきちゃったな。やっぱり言ってあげよう。
兄チャマ
「……四葉、もういいよ。わかったから。
→共通パートへ
兄チャマ
「四葉、もうバレてるよ。
→共通パートへ
「ええっ!?
四葉
「あ、兄チャマ……! 四葉の変装を見破ったデスか!?
兄チャマ
「うん、残念だけどね。すぐにわかっちゃった。
四葉
「お、おかしいナ……? パーフェクトに変装したのに……。
兄チャマ
「それより、関係ない子が学校にいると怒られちゃうよ。見つからないうちに、帰りなさい。
四葉
「あうう〜、四葉ちょっとショック……。ぜったいバレない自信があったのに……。
「でも、兄チャマ、この次はきっとわからないデス。四葉、今度は本気出しちゃうんだから♥
「それじゃ兄チャマ、チェキチェキ〜!
(……変装というより、あれは単なる仮装だよなぁ。
(花穂んとこ行こっと。
(お菓子店)
(このへん、今日は人通りが少ないな……。
四葉の声
「兄チャマ〜!
(……ん、あの声は……。
四葉
「ふぅ〜、やっと追いついたデス♥ 兄チャマのコト見つけて、走って追いかけてきマシタ♥
兄チャマ
「あはは、ごくろうさん。今日はどこか行ってたの?
四葉
「えへへ、図書館デス♥ 日本のコトを、いろいろチェキしてたの♥
「ねぇ兄チャマ、カマクラバクフって、どこにあるデスか?
兄チャマ
「え?
四葉
「四葉、遊びに行きたくなっちゃったデス。兄チャマ、つれてって……♥
兄チャマ
「あ、あのね四葉。鎌倉幕府はもうずっと昔に……。
四葉
「とってもイイクニを作った、って図書館の本に書いてあったの♥ だから、見てみたいデス♥
「すぐじゃなくてもいいデスから、いつか連れてってネ、兄チャマ♥
「それじゃ、またネ。兄チャマ〜!
(……そりゃ、無理ってもんだよ……。
兄チャマ、チェキ!
オードリー・ヘプバーンが言うには
カフェーで飲むココアドリンクは
しおれる花のように
闇を怖がる学生が好むらしい……。
(……なんだこりゃ。
(四葉ったら、またなにか考えたらしいな。
(でもこれ、意味がよくわかんないよ。何をしろって言うんだろう……?
(うーん、わからん……。
≪選択肢≫
・このメッセージ、なに?
・僕もココアは好きだよ
・四葉はおもしろいね
(……もう、今日は寝るか……。
(………………。
四葉
「兄チャマ、チェキチェキチェキよ!
兄チャマ
「…………ん…?
「……わっ、四葉っ!? なんでこんなとこにいるの!?
四葉
「ふふふ、兄チャマったら、四葉にメールのイミを聞いたデショ?
「だから、教えに来てあげたデス!
兄チャマ
「……いや、何も夜中に来なくても。しかも勝手に入ってきて……。
四葉
「さあ兄チャマ! 早くパソコンを起動して♥
兄チャマ
「わ、わかったよ……。
四葉
「いい? 四葉が読むからネ♥
「 「オードリー・ヘプバーンが言うには カフェーで飲むココアドリンクは しおれる花のように 闇を怖がる学生が好むらしい……」
「ね、わかった兄チャマ?
兄チャマ
「いや、全然。
四葉
「も〜お、困った兄チャマデスね♥
「じゃあ、大ヒントをあげちゃいマス! これは、ある場所をあらわしているのよ♥
兄チャマ
「場所?
四葉
「まだわからないデスか? じゃあ三択ネ!
「喫茶店、兄チャマの学校、あとお菓子屋さん。さて、どーれだっ?
兄チャマ
「え、ええと……。
兄チャマ
「じゃあ、喫茶店。
四葉
「どうして?
兄チャマ
「いや、メッセージの中にカフェーって言葉が出てくるから。
四葉
「なるほど、そういう考え方もあるカナ♥
「でも兄チャマ、それはハズレなの。ゴメンね♥
兄チャマ
「あ……そうなの。
四葉
「でも、くじけちゃダメよ♥ ガンバれ、兄チャマ! 四葉が応援してるからネ♥
「それじゃ、グッナーイ!
兄チャマ
「………………。
(……いったい、なんだったんだ?
兄チャマ
「じゃあ、僕の学校。
四葉
「どうして?
兄チャマ
「いや、メッセージの中に学生って言葉が出てくるから。
四葉
「なるほど、そういう考え方もあるカナ♥
「でも兄チャマ、それはハズレなの。ゴメンね♥
兄チャマ
「あ……そうなの。
四葉
「でも、くじけちゃダメよ♥ ガンバれ、兄チャマ! 四葉が応援してるからネ♥
「それじゃ、グッナーイ!
兄チャマ
「………………。
(……いったい、なんだったんだ?
四葉
「どうして?
兄チャマ
「いや、メッセージの最初の文字をつなげると、オ・カ・し・闇のや、になるから。
四葉
「さっすが兄チャマ! スーパー大正解デス! 四葉、感激しちゃった!
兄チャマ
「あ、ありがとう……。
四葉
「なので明日の夕方、飲食街のお菓子屋さんに来てほしいの♥
「兄チャマ、来ないとチェキなんだから!
兄チャマ
「う、うん……よくわかんないけど……いちおうわかったことにするよ。
四葉
「それじゃ兄チャマ、また明日ね! グッナーイ!
兄チャマ
「ぐ、ぐっなーい……。
「………………。
(……なんだったんだ?
(お菓子店)
(……確か、ゆうべ四葉はお菓子屋さんの前で待ってるとか言ってたけど……。
(……あれ、夢じゃないよね。確かにそんなこと言ってたもの……。
四葉
「兄チャマ〜♥
兄チャマ
「やあ、四葉。やっぱり夢じゃなかったんだ。
四葉
「うふふ、ちゃんと来てくれてうれしいデス♥ やっぱり兄チャマはやさしいナ♥
兄チャマ
「ええと、それで……。僕に何の用なの? ただ待ち合わせしただけ?
四葉
「違うデス。そのぉ、じつは……。
「今夜、兄チャマのおウチに泊めてほしいんデス!
兄チャマ
「え、えええっ!?
四葉
「ちゃんとお泊まりセットも持ってきたの♥ だから、四葉を泊めてクダサイ……♥
兄チャマ
「ど、どうしたんだい四葉、いきなりそんな……。
四葉
「だってだって、今日はテッテーテキに兄チャマといっしょにいたいんだモン♥
「兄チャマの寝顔をチェキするのが、今夜の四葉の目標なんだから!
(ま、まいったなぁ……。この勢いじゃ、断り切れないぞ。
(……ウチに来るって言うんだから、他に都合があるって言い訳もしづらいし……。
兄チャマ
「……仕方ない、いいよ。
四葉
「やったぁ〜! 兄チャマ、ありがとデス!
「うふふ、徹夜で兄チャマをチェキして、兄チャマのヒミツを全部あばいちゃおっと♥
兄チャマ
「お、おいおい四葉。泊めてあげるけど、いっしょに寝るのはダメだよ。
四葉
「えぇ〜っ! なんでデスか!?
「いっしょに寝なかったら、兄チャマをチェキできないデス!
兄チャマ
「いや、でもさ……。
四葉
「チェキするデスチェキするデスチェキするデスチェキするデス〜!
(まいったなぁ……。どうしよう?
兄チャマ
「……わかったよ。じゃあ、いっしょに寝ようか。
四葉
「えへへ、それでこそ兄チャマデス! 四葉、うれしいナ♥
兄チャマ
「それじゃ、いっしょにウチまで行こうか。お泊まりの用意もできてるんだものね。
四葉
「はいチェキ♥ バッグにぜんぶ入ってるのよ♥
兄チャマ
「重いだろ? ほら、持ってあげるよ。
四葉
「だ、だいじょうぶチェキよぉ。
兄チャマ
「いいから貸して。女の子にそんな荷物持たしてたら、みっともないもの。
四葉
「………………♥
「ありがとデス、兄チャマ……♥
→夜(自宅)へ
兄チャマ
「……やっぱりダメだよ。わがまま言うなら、泊めてあげないぞ。
四葉
「そ、それは困るデス!
兄チャマ
「じゃあ、別々でガマンすること。いいね、四葉?
四葉
「……チェキぃ〜。
兄チャマ
「返事はチェキじゃないだろ。
四葉
「はぁいデス……。
「……でも、兄チャマのおうちに泊まれるんだから、四葉ち〜っとも悔しくないモン♥
「さ、兄チャマ♥ 早くおウチに帰ろ♥
→夜(自宅)へ
(自宅)
≪Scene 1:部屋≫
四葉
「うふふ、兄チャマのお部屋、兄チャマのお部屋〜。
兄チャマ
「夕べだって来てるだろ。ほら、好きなとこ座っててよ。僕は食事の用意をするからね。
四葉
「兄チャマがゴハン作るデスか!?
兄チャマ
「ひとり暮らしだからね。大したものはできないけど……。
四葉
「あ〜ん、四葉シアワセ! 兄チャマの手料理まで味わえるなんて思わなかったデス!
「そうだ、兄チャマ! 作っているトコロをビデオでチェキしていい? 四葉の宝物にするの♥
兄チャマ
「え〜っ、恥ずかしいよ……。
四葉
「いいのいいの、チェキするの! 兄チャマの秘密、四葉がチェキしちゃうんだから!
(……食事もすんだし、あとは風呂に入って四葉を寝かしつけないとな……。
(……で、その四葉はどこいったんだ? トイレかな?
兄チャマ
「どわっ、なんだ!? 停電かぁ?
四葉の声
「四葉ちゃんプレゼンツ、兄チャマ・インタビュー!
兄チャマ
「へ……? 四葉……?
四葉
「みなさん、こんばんは。司会の四葉デス♥ 今日は兄チャマのお部屋におジャマして、いろいろチェキしています♥
「このチャンスに、四葉はなんと! 兄チャマにインタビューすることに成功しました! どうぞお聞きクダサイ!
≪Scene 2:インタビュー≫
四葉
「兄チャマ、今日はおいそがしいトコロ、四葉のタメにありがとうデス!
兄チャマ
「あ、うん……。
四葉
「さて、兄チャマは四葉の兄チャマなわけデスが……。
「四葉のことは、どう思ってマスか?
兄チャマ
「え、ええと、そうだなぁ……。
兄チャマ
「かわいい妹だと思ってるよ。
→共通パートへ
兄チャマ
「いっしょにいると飽きないよ。
→共通パートへ
兄チャマ
「チェキだなぁって思うよ。
→共通パートへ
四葉
「なるほどチェキほど。さすがは兄チャマですねぇ♥
「では、兄チャマ。ズバリ聞きマス! 12人の妹の中で、いちばんカワイイ妹は誰だと思いマスカ?
兄チャマ
「え、ええっ!? そんなこと、決められるハズが……。
四葉
「はい、四葉デスね! 兄チャマ、大正解デス!
(……ムリヤリだし、しかもいつからクイズになったんだ?
四葉
「ふぅむ、これで兄チャマのコトがだいたいわかりマシタ。
兄チャマ
「こ、これだけで?
四葉
「四葉くらいになると、ワンをヒアしてテンがわかるのよ♥
(……い、一を聞いて十を知る、かな?
四葉
「それでは続いて、第2回・兄チャマインタビュー! まだまだ知りたいコトがあるデス!
(おーい、言ってることが違うぞ……。
四葉
「四葉、兄チャマのコトばんばんチェキしちゃうんだから!
「兄チャマ、最後までつきあってネ♥
兄チャマ
「はは…わかったよ……。
四葉
「……はい、兄チャマおつかれさまデシタ♥ だいたいチェキし終わったデス♥
兄チャマ
「そう…それはよかった……。
(……じ、人生のほとんどを語り尽くしてしまった気がする……。恐るべし、四葉……。
四葉
「……それじゃあ兄チャマ、そろそろ……♥
兄チャマ
「ん?
四葉
「……そろそろ四葉、おネムの時間デス……えへへへ♥
兄チャマ
「ああ、そりゃそうだよ。もうこんなに遅いもの。
「ええと……。
「……どうしても、いっしょに寝るの?
四葉
「オフコース! 兄チャマの寝顔をチェキしてから、四葉もゴートゥードリームだもん♥
「だから兄チャマ、はやく寝なきゃだめデス!
兄チャマ
「わかったわかった。それじゃあ、寝るとしようか。
「……おやすみ、四葉。
四葉
「おやすみデス、兄チャマ……♥
(仕方ない。四葉のリクエストに応えて、早めに眠っちゃうとするか。
(僕があまり起きてると、四葉もなかなか眠れないだろうし……。
「……すぅ〜、すぅ〜……。
(あれっ?
≪Scene 3:寝顔≫
(……ふふっ、もう寝ちゃってる。ずいぶんはしゃいでたからなぁ。
(僕の寝顔をチェキするはずだったのに。四葉、あとから文句言うかもなぁ。
(……それにしても、かわいい寝顔だなぁ……。
(……ずっとイギリスにいて、お互いに顔も知らなかったのに今はこうしていられるなんて……。
(………………。
(……四葉。たとえ今までいっしょにいなくたって、キミはみんなと同じ、僕の大事な妹だよ……。
四葉
「……うう〜ん、むにゃむにゃ……♥ 兄チャマ、チェキデス……♥
(おやすみ、四葉……。
四葉
「ふぅ〜、インタビューしたら、ちょっとつかれたデス。
兄チャマ
「ああ、そうだ四葉。お風呂に入っておいで。僕は、あとでいいから。
四葉
「え〜、兄チャマはいっしょじゃないの?
兄チャマ
「ダ、ダメだよ。兄チャマはあとからゆっくり入るから。
四葉
「えへへ♥ 四葉、兄チャマとおフロに入って、いろいろチェキしようと思ったのにナ♥
「それじゃ、レッツテイクアバ〜ス!
兄チャマ
「………………。
(いろいろ、チェキって……。
(……っと、いけない。シャンプーが切れてたから、買ってきたばかりだったんだ。
(まだ風呂場には持っていってないし、ええと、どこに置いたかな……?
≪Scene 3:お風呂場≫
四葉
「♪ふんふんふ〜ん 四葉ちゃんはチェキチェキ〜♪
「♪るるんるる〜ん 兄チャマをチェキチェキ〜♪
「ふぅ〜、とってもいい湯デス! さすが兄チャマのおフロね♥
「そうだ、バスルームもちゃあんとチェキしなくっちゃ♥
「ええと、おフロの大きさは……。
「……?
「……なにか、廊下の方で音がしたデス……?
「……人の気配もしマス……。これは、もしかして……。
「……スパイ!?
「ど、どうしよう……! 四葉コワイ……!
「き、きっと、四葉があんまり兄チャマのヒミツをチェキしすぎたから……!
「あうう、四葉コロされマス! だって、映画ではたいてい、シャワーを浴びてる女の子はコロされるモン!
「あ、足音がこっち来るデス! 逃げ場もないデスぅ……!
「ああん、まだ兄チャマのすべてをチェキしてないのに、コロされるなんてイヤぁ!
「ひいぃっ、ドアノブが回ったデス! 四葉大ピンチ!
「きゃあぁぁぁぁぁっっっ!
兄チャマ
「……四葉、ほらシャンプー。いつも使ってるのと違うだろうけど、ガマンして使ってよ。
「……あれ、四葉!? なんで倒れてんだ!?
「おい、しっかりしろよ四葉! のぼせたのか、おーい! 四葉、四葉ぁ……!
≪Scene 4:部屋≫
兄チャマ
「……それで、僕をどこかの組織のスパイだとカン違いしたってのかい?
四葉
「えへへへ、四葉失敗……♥ 兄チャマ、ごめんデス……♥
兄チャマ
「まったく、四葉は人騒がせだなぁ。あんまり心配かけるなよ。
四葉
「これから、気をつけマス。それにはまず、スパイと兄チャマの足音を聞き分けられるようにならないと♥
兄チャマ
「あのねぇ……。
(ふふっ、まぁいいか……。
(自宅)
兄チャマ
「ほんとうに、送って行かなくていいかい?
四葉
「うん、大丈夫よ。そりゃあ、兄チャマとはたくさんいっしょにいたいケド……♥
「兄チャマが学校に行くのに、遠回りになっちゃうモン♥
兄チャマ
「……ごめんね、四葉。また遊ぼうね。
四葉
「うん、ありがとう兄チャマ♥
「それじゃ、おジャマしたデス! バイバイ、兄チャマ!
兄チャマ
「バイバイ、四葉。
♥予告状♥
トツゼンのメールで失礼するデス。
私の名前は、美少女怪盗クローバー!
以後、ヨロシクお願いするデス。
さて、兄チャマくん。
どうやらキミは、あのかわいい妹の四葉ちゃんをあまり大事にしていないらしいネ。
キミのコトをあんなに想っている妹を、放っておくなんてよくないデス。
このまま四葉ちゃんに冷たくするなら、このナゾの正義の味方のヒトの、
美少女怪盗クローバーが、うるわしの四葉ちゃんをビシッとうばってしまうゾ!
ふはははは、デス!
くれぐれも四葉ちゃんをだいじにシテ、かわいがってあげナサイ!
私は、ちゃんとキミをチェキしているからネ。
かわいがってないと、スグにわかるんだゾ。
美少女怪盗クローバーより
(………………………。
(四葉ったら、また手の込んだことをするなぁ。
(美少女怪盗、か。自分で言うとこが四葉らしいなぁ。
(……もう少し、四葉には気をつかってやってもいいかな……。
(白並木学園)
≪Scene 1:校門≫
(……あらためて考えると、もう3月なんだよなぁ。
(もう少しで年度も替わるし、学年の締めくくりだな……。
(……ん? なにか気配が……?
(……ははぁん、四葉だな。また僕をチェキしてるのか。
兄チャマ
「……ねぇ、四葉。わかってるから出ておいで。
四葉
「ザンネン、見つかったデス。さすがは兄チャマ……。
兄チャマ
「ふふふ、いつもチェキされてれば、僕だってわかるようになるよ。
「さあ、家まで送るよ。いっしょに帰ろう。
四葉
「えっ! いいデスか、兄チャマ……♥
兄チャマ
「いいに決まってるよ。たまには、四葉と歩きたいしね。
四葉
「えへへ……兄チャマったら、おじょーずデス……♥
兄チャマ
「あはは、どこで覚えてくるんだよ、そんな言葉ぁ〜。
四葉
「それじゃ、行くデス♥ 四葉のお部屋にご招待シテモいいよ♥
兄チャマ
「ほんとかい? それじゃ、お邪魔しようかなぁ……。
≪Scene 2:四葉の部屋≫
四葉
「兄チャマ、ここが四葉のお部屋よ♥
兄チャマ
「へえ〜、ステキな部屋だね。四葉のことだから、もっとすごい部屋かと思ってたよ。
四葉
「どうして、兄チャマ? 四葉はごくフツーの女の子だから、お部屋だってフツーなのよ♥
兄チャマ
「そ、そうだね…………。
四葉
「……ねぇ、兄チャマ♥
兄チャマ
「ん? なんだい四葉。
四葉
「……四葉の、小さい頃のコト、お話ししてもいいカナ?
兄チャマ
「四葉の小さい頃……?
兄チャマ
「ぜひ聞かせてよ。イギリスで、どんな風に育ったのかすごく興味があるよ。
四葉
「うん、じゃあきいてネ……♥
四葉
「四葉は、イギリスで生まれてイギリスで育ったの♥
「小さい頃は、四葉に兄チャマがいるなんてゼンゼン知らなかったンダ♥ 四葉、ひとりっこだって信じてたのよ♥
「だけどネ、ある日グランパから……。
兄チャマ
「グランパ?
四葉
「四葉のおジイちゃんのコトよ♥ とってもやさしかったの……。
兄チャマ
「そうか……。
(……四葉が預けられた先の、おじいさんのことだな……。
四葉
「それでネ、グランパが、四葉には日本に兄チャマがいるって教えてくれたの♥
「四葉、とってもとってもうれしくて、早く兄チャマに逢いたかった……♥
「でもネ、地図で見テモ兄チャマのいる日本はスゴクスゴク遠いデショ?
「四葉、思ったの♥ こんなに遠いなら、せめて兄チャマのコトをいちばん知ってる妹になろうって♥
「兄チャマのコトたくさん知ってれば、遠くにいてもサビしくないモン……♥
兄チャマ
「四葉……。
四葉
「そんなときネ、グランパが四葉にご本をプレゼントしてくれたの♥
「四葉が大きくなって、兄チャマに会えるとき、とってもいい子でいられるようにって♥
兄チャマ
「なんの本だったの?
四葉
「 「小公女」 よ。……ダケド、それはカバーだけで……♥
「……中身は別の本だったの♥
兄チャマ
「……まさかそれって、コナン=ドイルの……?
四葉
「兄チャマ、サスガの推理ネ♥ 中身は 「名探偵ホームズ」 だったのよ。
「グランパったら、ちょっとそそっかしいから♥ ……もしかしたら、ワザとかも知れないケド……♥
「……でもネ。それを読んで、四葉ひらめいたの♥
「ホームズさんみたいになれば、遠くにいても兄チャマのコトがみんなみ〜んなわかっちゃうって!
「だから、四葉も早く、ホームズさんになりたいなって、毎日毎日おいのりしてたのよ♥
「兄チャマのコト、いっぱいいっぱい知りたかったから……♥
兄チャマ
「四葉……。
兄チャマ
「……聞かせてくれて、ありがとう。とってもステキな思い出だね。
「だけど……グランパと離れて、寂しくないかい?
四葉
「ううん、平気よ兄チャマ♥ だってグランパはお手紙もくれるし、お電話でも話すし……♥
「それに、いまの四葉には兄チャマがいるんだモン……♥
兄チャマ
「あんまり聞きたくないな。だって、外国のことだろ?
四葉
「う、うん……。
「……兄チャマ、四葉のコトあんまり興味ないのネ……。
「……ごめんね、兄チャマ。四葉がイキナリヘンなコト言ったから……。
兄チャマ
「あ、いいよ。気にしないで。
「……それじゃ、部屋も見たし、そろそろ帰るよ。
四葉
「…………うん。
「……またネ、兄チャマ……。
兄チャマ、チェキチェキ!
マイドおなじみ、四葉デス!
兄チャマ、知ってた知ってた?
なんと明日は、おひな祭りなのよ!
四葉は今日知ったの!
日本の文化ってシンピ的ネ!
そこで、亞里亞ちゃんのおウチにみんなで集まって、
ひなパーティーをするコトになったの♥
兄チャマ、来てくれるよネ?
四葉と約束よ♥
ウソついたらニードル千本だからネっ♥
あした、かならず来てネ♥
みんなみんな、待ってるんダカラ♥
よつば
≪選択肢≫
・ひな祭りは、桃の節句とも言うんだよ
・ニードル千本ってコワイな……
・四葉はいつも元気だねぇ
(亞里亞邸)
≪Scene 1:大広間≫
四葉
「兄チャマ、チェキ! ア〜ンドいらっしゃい♥
兄チャマ
「ふふっ、お出迎えご苦労さん。四葉は今日も元気だね。
四葉
「とーぜんデス。兄チャマをチェキするためには、健康第一なんだから♥
兄チャマ
「ええと、今日はひな祭りパーティーってコトだけど……。
「四葉たち、着物なんかは着ないの? ちょっと楽しみにしてきたんだけどな。
四葉
「兄チャマ、ごめんネ♥ お着物はあとがメンドウだから、今日は着ないことになったの……。
兄チャマ
「ああ、いいんだよ。別にそんな困らなくても。
「それじゃ、みんなのとこに行こうか。もう、パーティーも始まるんだろ?
四葉
「あ、兄チャマは四葉たちと同じお部屋に来ちゃダメデス!
「兄チャマには、亞里亞ちゃんのお部屋を用意してあるから、そっちに行かなきゃ……!
兄チャマ
「亞里亞の部屋? どうして?
四葉
「チェキぃ〜、どうしてと言われても。
「とにかく、兄チャマは男のコだから亞里亞ちゃんのお部屋に行くデス!
「亞里亞ちゃんに許可はもらってるから、正々堂々と入っていいのよ♥
兄チャマ
「……なんだかよくわかんないなぁ……。
四葉
「それじゃ兄チャマ♥ またあとでチェキよ!
(……亞里亞の部屋、行ってみるか。
≪Scene 2:室内プール≫
四葉
「それっ、チェキサァァァブッ!!
花穂
「うわっ、はやいよ!
四葉
「へっへっへ、またまた四葉のポイントね!
花穂
「ふぇぇん、ぜんぜんレシーブできないよぉ。……ぐすっ。
四葉
「レシーブなんて、イージーよ♥ こうチェキっとかまえて、チェキっと動いて、チェキっと打ち返すの♥
花穂
「さっぱりわかんないよぉ。
兄チャマ
「楽しそうだね、花穂、四葉。
花穂
「あっ、お兄ちゃま♥
四葉
「兄チャマ、チェキ!
兄チャマ
「はい、チェキチェキ。ビーチバレーをしてたんだね。
四葉
「イエスそのとおりデス♥ でも、花穂ちゃんはちっともレシーブできないの。
花穂
「だ、だってぇ……。
兄チャマ
「花穂だいじょうぶだよ。ビーチボールだから、当たっても痛くないしね。
花穂
「うん…そうだけど……。
兄チャマ
「ちょっと見ててごらん、花穂。四葉、僕にサーブを打ってきて。
四葉
「ふふふ、いくら兄チャマでも、四葉は手加減ナッシング! レッツ、チェェェキサァァァブッ!!
四葉
「ああん、打ち返されたデスぅ!
兄チャマ
「花穂、わかったかい? なんにも難しいことないだろ?
花穂
「う、うん! ありがとうお兄ちゃま♥
「やっぱり、お兄ちゃまはすごいな♥ なんでもできるんだね。
兄チャマ
「花穂にだってできるよ。……四葉、もう一度花穂に打ってみて。
四葉
「チェキッと了解! 花穂ちゃん、行くよ〜! チェェェェキサァァァブッ!!
花穂
「えいっ!
四葉
「ああん、花穂ちゃんにまで打ち返されたぁ!
兄チャマ
「うまいじゃないか、花穂。やっぱりできただろう?
花穂
「うん、花穂うれしいな! お兄ちゃまのおかげだよ!
「えへへ、ビーチバレーがとっても楽しくなってきちゃった♥ もっと練習しよおっと♥
「♪らららんれしーぶ〜♥ ♪るるるんすぱーいく〜♥
(ふふっ、これでよし、と。……あれ、四葉が。
四葉
「チェキぃぃ〜。花穂ちゃんにまで打ち返されるなんて、自信喪失デス……。
兄チャマ
「四葉、しっかりしろよ。どうしたんだい。
四葉
「兄チャマ、四葉もう引退デス。花穂ちゃんに打ち返された以上、すっぱりユニフォームを脱いで……。
兄チャマ
「着てないだろ、そんなの。
四葉
「気分の問題チェキ……。
兄チャマ
「ふふっ、わかってるよ四葉。花穂に自信をつけさせるようにわざとゆるいサーブを打ったんだよね。
四葉
「え?
兄チャマ
「さすがは四葉だなぁ。……ほら、花穂を見てごらん。
花穂
「見て見て、お兄ちゃまぁ! 「木の葉落とし」
と 「エックス攻撃」 をマスターしちゃったぁ!
兄チャマ
「ね、あんなに喜んでる。四葉のおかげだね。
四葉
「………………。
「そ、そうなの! 四葉、花穂ちゃんに元気になってほしかったのデス!
「イヤぁ〜、四葉も苦労したのよ。わざとイージーなサーブを打つのに、5年も山ごもりをしたんだから♥
兄チャマ
「ご苦労さん、四葉。ありがとう。
四葉
「……えへへ、兄チャマ♥ 四葉なんだかうれしいデス……♥
兄チャマ、チェキチェキ!
今日はベリベリ楽しかったデス!
ビーチバレーに燃えてしまいマシタ♥
亞里亞ちゃんのウチって、やっぱりスゴイね♥
あんなおウチ、イギリスでもあまりないデス。
四葉、ひとつ大発見ダッタのは、ひな祭りにはプールに入るってコト。
前に読んだご本では、ナンカお人形を並べてたケド、あれはインチキだったのネ……。
四葉、ダマされるトコロでした。セーフ!
たまに集まると、ホントにたのしいネ♥
またみんなで、いっしょにアソぼうネ♥
今度はもっと、兄チャマと遊べる時間が長いとイイナ……♥
えへへ、ホントは四葉がひとりじめしたいデス♥
兄チャマ兄チャマって……♥
そろそろ、ねむくなってきマシタ。
遊びすぎカナ?
送信できなくならないウチに、今日はおしまいにするネ。
おやすみなさい、兄チャマ……♥
≪選択肢≫
・いや、ダマされてないよ
・今度また遊ぼうね
・ビーチバレー、楽しかったね
(喫茶店)
(……喫茶店、入ろうかなぁ。ん〜、生活費がちょっと厳しいけど……。
(でもなぁ、ここに書いてある新メニューの
「モカコーヒーどんぶり」 ってのが妙に気になるんだけど……。
(モカコーヒーがどんぶりに入って出てくるのか、それともご飯にモカコーヒーがかかってるのか……?
(う〜ん、どっちにしてもコワイ……。
四葉
「兄チャマ、チェキチェキ!
兄チャマ
「やあ四葉、チェキチェキ。
四葉
「……あれ、おかしいデス……?
兄チャマ
「どうしたんだい、四葉?
四葉
「兄チャマから、女の子のニオイがするデス……? あれあれ、フシギ……?
兄チャマ
「お、女の子の……?
(……ど、どうしてだろう。人混みで、女の人とすれ違ったりはしたけど……?
四葉
「くんくん。やっぱりにおうデス……。ヘンねぇ……?
兄チャマ
「そ、そんなことあるはずないよ。きっと四葉のカン違いだよ。
四葉
「……もしかして、兄チャマは四葉の姉チャマだったデスか?
兄チャマ
「……は?
四葉
「だって、兄チャマなのに、女の子のニオイがするのはヘンだモン。
「だから、兄チャマは姉チャマなのカモ……。
「これは、推理の必要があるデス。四葉、すぐ帰って推理しなくっちゃ!
兄チャマ
「あ、四葉……!
(……相変わらずだなぁ……。