宗政報告No.26(2011年2月8日)


大変ご報告が遅くなり恐縮ですが、昨年12月2日に開催されました宗政調査会の折りに、皆さんから署名を頂戴しました「見真額を御遠忌までに下ろし、展示してもらいたい」という要望書を宗務総長に手交致しました。
お預かりしました署名者数は、1,130名に上りました。多くの方々が、宗門のあり方に大きな関心を寄せて頂いていると改めて感じました。
総長は、当局の方針は変わらないが、皆さんの声を重く受け止めると言われ、現在教学研究所を中心に検証作業を進めていること、近いうちに検討機関を設けたいと言及されました。
 ご署名頂いた方々に御礼並びに報告とします。


 ところで、ご遠忌法要期間中の、3月28日、4月28日、5月28日の満日中法要に役職者の出仕があります。宗議会議員もその役職者に該当し、出仕要請がきています。そこには、七条袈裟着用の出仕とあります。
私たちは、このご遠忌を2つの意味で位置付けようとしてきました。一つは、このご遠忌を機に宗門の存立意義を宗門内外に発信する。いまひとつは、同朋会運動50年を総括し、今後の運動を構築する大きな機縁としたいということです。
 さきの親鸞聖人700回ご遠忌を機縁として同朋会運動が始動しました。世界人類に捧げる宗門を標榜し、世界に開かれた運動を目指しました。50年を迎えんとしている今、果たしてその目標は達成されているでしょうか。しかし、目標達成どころか、世界に向けての運動という当初の目標は、全く課題にさえなることがなかったというのが実状ではないでしょうか。なぜ、課題化し得なかったのか。
 議員は、宗門の現況に責任を負う立場にあるものであります。これまでの同朋会運動を憶念し、今後の運動構築を模索するにあたり、得度、あるいは教師に補任された時の志に立って、黒衣・墨袈裟で法要に出仕し、改めて宗祖のお心を尋ね直したいと考えています。
 そのため当局に下記のような要請(お願い)を致しました。そして、それに対する回答を頂くために、1月19日に担当参務とお会いしました。
 この件については、宗調総会でも要請し、受け入れられずにいたものですから、ダメといわれるならその理由を示してもらいたいと申し入れましたが、すでに七条袈裟での出仕は決まっていることなので、是非それに従って欲しいということしか聞くことが出来ませんでした。
 法要に出仕するというのは、それぞれが宗祖と真向かいになることを願いとしているものと思います。なぜ、黒衣・墨袈裟での出仕が認められないのか、これからも確かめていきたいと思います。それほど全員で同じ衣体で出仕することが、法要を厳修するうえで肝要なことなのでしょうか。
 今後とも、法要の意味と出仕のあり方について、それもこれからのあり方を含めて考えていきたいと想います。

              お 願 い

 私たちは、この度の宗祖750回ご遠忌をより意味深いものとしてお迎えし、その法要に参加したいと考えています。
 議員として法要に出仕するにあたり、七条袈裟を付けて出仕することに異を唱えるわけではありません。
 ただ、議員という職分は、宗門の今ある状況に責任を負うべきものであると考えます。
700回ご遠忌を機縁に始動した同朋会運動は、その願いとされた事を十全に展開しえているといえるでしょうか。同朋会運動の今までを憶念し、これからを模索するにあたり、得度、あるいは教師に補任された時の志に立って、黒衣・墨袈裟で法要に出仕を致し、改めて宗祖のお心を尋ね直したいと考えています。荘厳として七条袈裟での出仕も肝要かと思いますが、下陣での黒衣・墨袈裟による法要出仕も議員としての出仕の形ではないでしょうか。
 思いを同じくしますもの5名が出仕できますよう、3月28日の御満座法要に下陣の一角を確保して頂きたいというものであります。
 参務におかれましては、我々の意のあるところをご賢察たまわり、何卒格段のご配慮をお願い致すものであります。
                                                 以上



 参議院選挙が山場を迎えていますが、それに先立ち、鳩山首相は、その指導力と決断力のなさが、首相の座を支えきれず、そのイスから崩れ落ちるように突然辞任しました。
 我が宗門においても、リーダーの決断力のなさに、ガッカリさせられる今議会でありました。それは、御影堂欄間正面に掲げられている見真額についての判断のことであります。御遠忌を前にしながら、今年もその判断を先送りしました。これまで、私たちは靖国の学びを重ね、1995年には、「不戦決議」を宗門として採択して来ました。課題がここまで鮮明になっているのですから、いずれ下ろさないわけにはいかないでしょう。そして、下ろすなら、御遠忌を迎えようとしている今なのです。にも関わらず、であります。見真額のことについては、後で詳しく報告します。