宗政報告No.18(2006年11月24日)


                
宗政調査委員会報告

 

          
 2006年度第3回の宗政調査会が、過日開催されました。宗政調査会は、教学・財務・制度機構・同朋社会推進各専門委員会から成り立っています。
 今回は、制度機構専門委員会に属し、選挙制度について検討を重ねてきました。
選挙制度を課題としたところには、2005年9月の宗議会議員選挙で、現行の選挙条例の持っている問題点が大きくクローズアップされたことによります。
 選挙条例は、すべからく有権者が出来るだけ選挙権を行使することを容易にし、かつ、立候補者が、宗門のビジョンや願いを出来るだけ有権者に伝えることを可能にする方向で考慮されるべきであります。もちろん非違行為についての配慮も忘れてはならないことは言うまでもありませんが。
 しかし、現行はそうはなってはいません。一二を挙げると、選挙権はすべての有教師にありますが、教師は、必ずしも衆徒となっている寺院の所在するところに居住しているわけではありません。さまざまな理由で遠く離れて生活している人が少なからず居ます。
ところが、選挙をするには、僧籍のある寺院の組に帰って来て投票するしかありません。
そのためには、往復に要する時間と経費は、場合によっては大きな負担になります。郵便投票が、大きく緩和されるとすれば、その人たちの選挙をする機会は容易に確保されることになります。
 もっとも、現行でも、郵便投票が許可されていないわけではありません。交通の便が悪い遠隔の寺院の教師と宗務役員、それに公的機関が発行した証明書を添えた身体に故障のある教師のみ、それは認められています。
 郵便投票の条件を撤廃し、本人が希望すれば、郵便投票を許可するように条例を改正することによって、いままで投票が容易でなかった多くの有権者に投票する機会を開くことになります。是非、郵便投票の拡大を進めたいものです。
 一方、立候補者が、自己の信条・信念を有権者に伝えるための選挙運動として許されているのは、郵便物による文書活動のみであります。しかも、有権者の住所はすべて所属する寺院の住所となっています。
そのため、教師を多く抱えておられる寺院には、同じ書面を何通も送付するということになりますし、それを本人に転送していただくというお手間を掛けるということにもなります。
まず、有権者の現住所の把握が急務です。実際、何年も音信不通で現住所がわからない方もおられるかと思いますが、多くの方は、住職に協力要請をして、調査することによって把握することはそう難しいことではないでしょう。
 また、立候補者の信条や主張を伝え、また有権者の皆さんの宗政に対するご意見やご要望をお聞きする機会として、戸別訪問は有効と思います。ただ、戸別訪問がややもすると金品授受の温床となる可能性があることからか禁止されています。もっとも、金品授受は、決して許容されるものではなく、贈った者も受け取った者も厳罰に処せられるということを徹底し、戸別訪問は解禁されるべきだと思います。
 以上のようなことが、制度機構専門委員会で協議されています。これらの点について、条例改正に向けて議員立法へ共に歩み出せればいいのですが。


 
中央選管委員長が「同意」の不服審査の条文にダメ出し

 宗政調査会開催中の1月14日午後、当委員会で中央選挙管理委員会委員長の入江正信弁護士に出席頂き、いままで専門委員会で協議してきた中で、条例の解釈について不明な何点かについて中央選管の見解をお聞きする機会をもちました。
 その折り、グループ恒沙の寺永議員より宗議会議員選挙条例第2条の2、及び第2条の3の中央選挙管理委員会への不服審査請求について質問が出されました。それは、、同意を得られなかった教師は、不服審査請求を中央選管に出すことが出来、中央選管は、それに対して判定を出さねばならないということになっていますが、委員長としては、何を基準にして判定をされるんでしょうかというものです。
 それに対して、入江委員長は、委員の皆さんに諮ったわけではないので、委員長としてではなく、一弁護士としての意見ですがと断られて、これでは、判定のしようがないというのが正直な感想です。同意あるいは不同意の場合の要件があるのでしたら、まだしも、これで判定せよと言われても、判定のしようがありません。これでは、なんともなりません。こういう条例をお作りになるなら、その前にご相談をいただきたかったと思います、というご発言でした。
 これが、同意及びその不服審査請求に関する条文に対する法律を専門とされている方の見解であります。はっきりと欠陥条文とまでは、おっしゃってはいませんが、明らかに条文としては不備であるという認識を示して下さったということです。条文で、中央選管に判定せよとあっても、その委員長が判定など不可能だと言われるわけですから、ここはこの条文をこのまま改めずに置くわけにはいかないでしょう。「同意」の見直しを含めて早急に、法律の専門家が納得出来るような条例にしていかなくてはならないでしょう。

 なお、宗調の見直しをメインとする議会制度の見直しは、議長が中心となって検討されていますが、今回特に報告できるものはありません。