宗政報告No.354(2016年6月30日)
           第62回 宗 議 会 報 告

6月19日、改正選挙法が施行され、選挙年齢が18歳以上に引き下げられました。選挙権が拡大されることは、歓迎すべきことであります。

ここに、わが国における選挙権拡大の歩みを、大まかにたどってみますと1989(M22)年公布の選挙法では、 税金を15円以上納めている25才以上の男子にしか選挙権はありません。その後、10円、3円と納税額の引き下げが図られますが、 いずれも高額で、資産家にしか選挙権はなかったのです。それが、 1925(T14)年の改正を待って初めて納税要件が撤廃され、25才以上の男子に認められます。 しかしそこには、女性の存在は見落とされていました。戦後、1945(S20)年の選挙法により、初めて20才以上の男女に選挙権が認められ、普通選挙がスタートします。 今回は、それ以来の改正ということになります。

 選挙権・被選挙権は、参政権の主要件です。参政権は、基本的人権の一つともいわれ、民主主義の根幹を支えるものであり、直接・間接に国政に参加する権利であります。

  一方、私たちの宗門は、同朋公議を宗門運営の基本的方針とすることを、宗憲前文で見定めました。同朋公議とは、宗門に深い関心と責任を負う多くの人たちの声を出来るだけ宗門運営に反映させたいということと承知しています。ところが、実情はどうでしょうか。教区会という教区の運営を決定する議決機関の選挙権・被選挙権は住職・主管者にしか認められていません。住職・主管者以外の教師は、教区の意思決定に参与することができない、教区運営への「参政権」を持たないもの、つまり、一人前の教区の構成員と見られていないということに他なりません。

かつて、宗議会議員の被選挙資格の「住職の同意」をはずし、25才以上のすべての有教師とすべきであるという議論をしていた時に、住職は経常費ご依頼等の納金の義務(条例で定められてはいないが、実質的にはそうなっている)を負っているのだから、同意権を付与されて当然という主張がありました。どうも、教区会議員選挙の選挙権・被選挙権を住職・主管者にしか認めないところには、義務を負うものにしか権利を認めないという、あたかも、かつての高額納税者にしか選挙権を認めない選挙制度をいまに踏襲しているからではないかとさえ思えます。
  組織の活性化を図ろうとするなら、「参政権」は出来るだけ幅広く、ハードルを下げて考えるべきです。たとえば、もし、高額納税者にしか選挙権がないような選挙法を今も日本が採用していたらどのような国になっていたか、考えただけでゾッとします。多くの立場の異なった人が参画することで違った意見、ものの見方、発想がたたかわされることで、全く新しい次元の地平が生まれることもあります。
  その上からは、教区会議員選挙の選挙権・被選挙権は、有教師に拡大されることは論を俟ちませんが、教師だけではなく、教師を持たない坊守にも拡大する必要性も感じます。

  今年も、仙台教区と高田教区から、教区会議員選挙の選挙権・被選挙権を宗議会議員選挙と同様に拡大されたいという請願が提出されました。しかし、請願委員会でその請願を議会に付することが相応しいかどうかを審議した結果、賛成少数で否決されました。賛成意見としては、宗憲前文の同朋公議に則って拡大すべき、あるいは教区の諸機関での活動状況に照らしても拡大すべきであるというもの。反対意見としては、わずか2教区からの誓願のみで意識や関心が全国的になっていない。時期尚早である。宗議会と教区会は違う。あるいは、教化委員会で活躍できるではないかという意見もあったとか。

 門徒議会である参議会の一般質問でも、男女平等参画推進の上から、女性の教師が宗議会議員・教区会議員になれる環境を作らなければ現在の危機的状況を打破できないとし、そのためにも住職にしか選挙権・被選挙権が与えられていない教区会議員選挙は、女性参画を阻害する大きな壁だと断じています。傾聴に値する意見であります。
 18才以上という、今では国際水準となっている年齢にやっと追いついた日本の中で、 それも同朋公議を標榜する教団でありながら、残念ながら、いつの時代感覚を生きているのかと疑ってしまう大谷派議会の現状であります。

 

 【 主 な 施 策 に つ い て 】

1.熊 本 支 援

 この度の地震は、4月14日、そして16日の本震によって、熊本・大分に甚大な被害をもたらしました。
分けても熊本教区の7割近い寺院が被災しました。被災地では、いまも、大きく傾いた自宅のそばにテントを建てあるいは車の中で寝起きをしている多くの人たちがいます。梅雨に入っての豪雨、さらに、これからの暑さのなか、被災されている方々の健康が心配されます。

宗派としては、地震発生後ただちに、熊本教務所に現地災害救援本部を設置し、職員を派遣して、被害状況の確認や救援物資の配布、ボランティアの受け入れ等の救援活動を展開しています。16年度予算としては3,000万円を計上しました。その内訳は、熊本教務所整備費として1,500万円、寺院支援費として1,200万円、ボランティアの受入経費として300万円であります。

 2.真宗教化センター

   2007年に「真宗教化センターに関する」宗務審議会が設置され、以来、検討委員会等を経ること8年に亘る調査・研究・審議を重ねて、昨年7月、真宗教化センターが実働し始めました。真宗教化センターは、宗門における教化機構の再構築といえます。そこで目指されるべきは、教学・教化における宗務所として担うべき役割と、宗門として果たすべき使命と方向性を明らかにすることではないでしょうか。

教化においての宗務所の役割は、寺院・組・教区という教化の現場に指示を与えたり、指導することではなく、これらの教化の現場を下支えする資料や情報の提供であり、相談や問い合わせに応えることでしょう。そして、それを担うのが、真宗教化センターの大きな任務一つであります。

この度、提示されました「16年度教化研修計画の基本方針」では、寺院の活性化が大きく取りあげられています。住職は、お預かりしている寺院を念仏の法義で隆盛にしたいと等しく願っているはずです。1ケ寺1ケ寺を活性化するのに資する施策や方途を講ずることを真宗教化センターの役割とすることには、大いに賛成であります。その実が上がることを期待します。

ただ、組や教区における教化事業までも、寺院の活性化に収斂されるように絞り込むべきであるといい、そしてその寺院の活性化の内容が、帰敬式受式と報恩講参詣であるということには、大いに疑問を持つものであります。同朋会運動が、受式者や参詣者の多さを目標とするほどに変質してしまったのかと。

 さらに、真宗教化センターの任務には、現代の時代社会が抱える諸問題について、それらを宗教的課題として分析・整理し、そこに自己自身を問いつつ、念仏者としてこの世を生きてゆく一人を生み出すことこそが宗門の使命であることを闡明にすることがあります。そのことを担うセクションとして、教研・解推・青少幼年センターの連携協働があり、教学会議が設置されているはずであります。今回の、基本方針にはその協働作業の痕跡は、残念ながらどこにも見出すことが出来ません。

これでは、真宗教化センター設置目的の一つである「現代社会の負託に応える」という点が果たされていないように思われます。始動して一年で、厳しいことはいいたくありませんが、真宗教化センターが設置されて、その甲斐があったと思えるような事業展開を心から期待しています。

 
3.本廟奉仕施設建設

  これは、昨年の宗政報告でもお伝えしましたが、同朋会館と研修道場を改修し、その中間に、研修部事務所・食堂・浴場等の機能を備えた共有施設を新築しようとするものです。そして、この度条例で、その共有施設を和敬堂(わきょうどう)と称するとしました。

さて、2012年当初、建設見積もりを20億6千万円としていたのが、昨年の見積もりでは、31億円と50%増になっていたことを問い糺しましたが、納得のいく説明は得られない中で、これはどこまでも設計管理会社の見積もりで、実際の建設にあたっては、業者間の競合によって経費は抑制できるものと考えるとの答弁がありました。入札の結果、大成建設が落札しましたが、工事費は見積もりよりも高く、工事諸費を抑えて、総額31億円となりました。結局、当初見積もりから見ると、50%増の経費が掛かることになります。

なお、工期はそれぞれ下記の通りです。

   研修道場      2016年4月 〜 2016年10月

  和敬堂(共有施設) 2016年4月 〜 2017年5月

  同朋会館      2017年7月 〜 2018年6月

 

4.教 区 改 編

  これまでの経緯を確認しますと、2004年に提出された宗務改革推進委員会報告を受けて、今後の社会環境の変化に対応できる教化体制及び財政基盤の確立をめざし、宗務改革の必要性が確認され、その大きな柱として教区・組の改遍が提唱されます。

当初、御遠忌後3年を目途とし、15教区改編試案が提示されましたが、進捗が認められず、2013年には条例を改め、15教区改編試案の修正と期限を設けないこととします。

仙台教区の場合は、山形教区・奥羽教区と一つの教区となる案が示され、それに沿ってこれまで改編教区協議会、そして三教区代表による改編地方協議会を重ねてきました。

地方協議会では、教区の名称、教務所の所在地、教化事業のあり方、教学研究所、真宗学院、旧教務所の活用、そして経常費ご依頼、教区費等についての具体的な検討作業を行っています。そこで協議された内容を試案としてお示しし、教区内の皆さんと意見交換をしながら、検討を重ねていきたいと考えています。

ただ、改編教区協議会員、そして改編地方協議会員のなかには、改編に賛成の人ばかりではなく反対の人もいます。また、改編によって、こういうメリットがある。逆にこんなデメリットもある。そこには様々な意見のあることは事実です。そういう議論を深めるための資料として改編地方協議会での作業があると考えています。

 ところで、改編について、あまり議論が進まない一番の問題は、現場では改編が必要であると考えている人があまりいないことではないでしょうか。そこで、改編地方協議会として、中央改編委員会に対して、「改編の必要性」、「改編後の宗門財政の展望と具体的試算」の二点について明解な説明を求めることにしています。これまでにも、改編促進のためのパンフレットが何種類か出されています。そこでは、少子高齢化や過疎問題が改編の必要な理由として挙げられています。しかしそれらは、間接的要因であるには違いないのでしょうが、直接要因とは思えません。改編をしたからといって、少子高齢化や過疎問題を解決する手立てとはなりません。当局がせねばならないことは、宗門が抱えている課題を提示し、その課題を克服する方途として、改編が必要であるということを鮮明にすることです。

教化専従者については、教区の広域化と、そのことによる教化の質の低下に対する懸念に応えるうえからは大変肝要な職分と思われます。当初から、100ヶ寺に一人を目安とする以上のことは示されていません。今年の1月になって、駐在教導企画検討会議を開催して意見聴取をし、これから教化専従者像の提示に向けて検討をするということのようですが、作業速度が遅くないでしょうか。

  改編に向けて、当局が取った施策として兼務所長があります。当局は、事務の平準化と人件費の抑制を理由に挙げていますが、改編に向けての聊か乱暴な施策と思われます。兼務所長が発令されるのは、仙台教区と山形教区、小松教区と大聖寺教区、熊本教区と鹿児島教区、そして、久留米教区と長崎教区の教務所長の兼務であります。既存の組織・機構・制度等はそのままで、所長業務のみを兼務させるのですから、兼務所長にかかる負荷は相当なものと思われます。また、これらの教務所は規模として大きくなく、次長が配置されていませんから、主計をはじめ所員に負担の増すことが心配されます。事務の平準化とは言いますが、寺院数が少なければ事務量が少ないかといえば必ずしもそうとは言えず、少ない所員でそれぞれ精一杯勤めているなかでの、所長兼務ですから、業務内容がブラック化しないか注視する必要があるでしょう。 逆に、事もなく処理されるということであれば、いままで一人で出来ることを二人でしていたのかという想いも起こります。このことは、教区教化委員長が、必ずしも教務所長でなくてもいい方向を模索する事には繋がるでしょう。

 
5.宗議会議員選挙条例改正

宗議会議員選挙を見直す検討委員会が宗議会議長の諮問機関として、会派を越えて持たれ、そこでの協議結果が大きく次の三点として改正されました。

イ. 兼職されている方、あるいは学業で投票しにくい方に配慮して、 これまで投票日が任期満了の翌日   であったのを月曜日と固定し、 不在者投票を前二日から前三日、つまり金・土・日 に増やしました。
  因みに、解散がなければ来年が改選期となり、9月11日(月)が投票日となります。

ロ. 立候補者が自身の所信を表明する機会を増やす上から、これまで選挙管理会が主催する立会演説会しか認められていませんでしたが、個人の演説会が5回に限り認められることになりました。

ハ. これまで、立候補者は、選挙人名簿を縦覧するしかありませんでしたが、今後は名簿の情報を選挙管理会から提供されることになりました。

 こうした改正もないわけではないのですが、先ほども触れました大きな改正はなかなか進まないのが現状です。

 
6.総 会 所   

総会所は、毎日開かれていた定例法話の会場として掛け替えのない聴聞の場でしたが、建物の老朽化と耐震上の問題から、昨年7月から開設された真宗教化センターに、その役割が移されることになりました。それによって、総会所の利活用が今問題になっています。

総会所の間口11間、奥行13間半の破風造りの建物そのものが持つ建築物としての評価と、 その場で法悦にひたってきた人たちの歴史を思う時、なんとか保存できないものかと思います。岡崎教区の有志が発起人となって、保存を求める700名を超える署名が内局に提出されてもいます。

しかし、築100年を経過し、老朽化は否定できず、また、柱がない構造上のことから震度6以上では倒壊する危険性が指摘されています。保存するには、修復経費と耐震経費とで、少なくても4億円が必要であると言われています。

当局は、保存・移築・解体等について、宗門内外に公募して、その利活用の方向を見定めたいとしています。ただ、いつ、どのような方法で公募するのかについては明確にされてはいません。

今議会に、幅広い選択肢を持てるようにと、総会所の財産種目を基本財産から普通財産へ変更することが提案されました。しかし、今後の方向を公募によって見定めたいとするなら、処分を前提とするような種目変更を急ぐのではなく、意見を聞き取ったうえで行っても遅くはないと思われます。これにより、普通財産として、参与会・常務会の議決で総会所の方向を決めることができるようになりました。 

閉鎖施設の利活用としては、青少幼年センターとして使用していた、真宗教化センター西側の旧光華ホールを、上山した若者が集い宿泊できる施設として開放してもらえないだろうかという声は多くの人から聞いていましたし、それを内局にも伝えていましたが、管理上の問題等を挙げていい返事はありませんでした。ところが、今回、建物を解体し、駐車場として利用することを明らかにしました。2010年に使用可能なように修復工事を加えたところであるのに、解体とは勿体ないように感じます。 

 
7.首都圏に2ヶ所目の開教拠点 千葉県行徳に設置 

  首都圏における開教拠点として、2010 年、川崎市にある三門徒派の重蓮寺を譲り受けましたが5年ほどでその購入資金を完済することが出来ました。そこで、宗派立の2か所目の開教拠点として、千葉県市川市の行徳に55坪余りの土地を6千百万円で購入して、 そこに建物を建て、東本願寺行徳真宗会館と名乗り、寺院化を目指し、第二の宗派立の拠点としようとするものです。重蓮寺の場合は、所属門徒をそのまま譲り受けることができたことが大きく、短期間で完済にこぎつけ法人化を目指すまでに至りましたが、この度のケースは、川崎の場合と全く違い、一軒も所属門徒がいない中で経済的にも自立して購入資金の返済にまでこぎつけるにはどれ程の期間を要するか、懸念されるところであります。

日本の人口の三分の一が集中する首都圏に念仏の教えを手渡す拠点としての真宗寺院・教会を一ケ所でも多く建立しようとして首都圏開教施策が展開されていますが、このようにして宗門が直接資金を拠出して寺院建立を目指すことが有効であるか、あるいは現在苦労している開教者の方に寺院建立に向け、経済的支援を含めての手厚いバックアップを展開することが果たすべきことであるか、検討が必要と思われます。 

 8.ご依頼割当基準策定に関する委員会 

 元来、各教区へのご依頼割当は、内局の専決事項でありましたが、02年には「御依頼に関する委員会」答申を受け「新割当基準」が、さらに09年の「御依頼割当に関する委員会」報告をもとに、現在の割当基準が策定されました。その基準とします要件は、門徒指数70%、過去の実績20%、経済指数5パーセント、均等割5パーセントであります。

今回条例を改正することで、ご依頼割当基準策定に当たっては、内局の専決事項であることを示し、責任の明確化を図ろうとするものであります。その基準は、今年8月には公開されるようですが、門徒指数の割合が増やされることが予想され、その基準となる門徒戸数調査が、来年2月に実施されます。なお、新しく策定される割当基準は、18年度の御依頼から適応されることになるようです。


 9.本廟維持財団問題 

 宗門は、本廟維持財団を相手取り、本来の目的を恣意に変更して一般財団法人化したことと運営規則(寄附行為)を変更したことの無効性を訴えて訴訟を起こしましたが、 昨年12月5日、最高裁判決が下され、不当にも両裁判とも敗訴しました。

 そもそも本廟維持財団は、 1912(大正元)年にご門徒からの寄付金を募って、真宗本廟の維持管理のための助成を行うことを唯一の目的として設立されました。 ところが、「本山問題」のなかで、大谷暢順氏が理事長に就任して以来、運営規則(寄付行為)を、自分たちの恣に変更し、理事の中から宗門関係者を排除し、財団を私物化したことから問題となりましたが、その後有効な対抗処置が取れぬまま経過してきたといえます。 

 ここにきて、国の方針としての公益法人制度改革に伴い、本廟維持財団が如何なる対応をするのかを見極め、それを機に宗門と当該財団との本来的関係を問う判断を司法に委ねたのですが残念な結果に終わりました。

 これによって、200億円をはるかに超える宗門財産が、宗門外に持ち出されたことを司法が認めたことになります。 問題の起こりが40年以上以前であったとしても、これだけの莫大な宗門財産を損失したことは、議員としてその非力さを、宗門の皆さんにお詫びせねばなりません。 

 この訴訟で、すべての本山問題が一応の終結を見ることになります。 1969年の開申問題以降繰り広げられた「本山問題」を総括することの必要性を感じます。それは、同時に同朋会運動の総括を為すことにもなるでしょう。当局の責任で、より詳細で、今後の方向を示唆しる内容となる運動総括を期待します。 

 
10.額 装 型 ご 本 尊
 

門徒用授与物として、これまで最も授与数の多かった50代ご本尊の減少が顕著であり、30代ご本尊においても減少傾向にあります。そこには、住宅事情の変化が一番の要因と考えられます。さらには、次世代夫婦や一人暮らしの方、現代型お内仏用の需要が増えると思われます。それらに応えられるようにと、額に入った絵像のご本尊を調製しようとするものであります。 

 
11. 親鸞仏教センター 

 親鸞仏教センターは、今年4月27日、文京区湯島に新たに開設されました施設におきまして移転開所式を執り行ない、新たなスタートを切りました。

6階建てのうち、4階に大谷大学の真宗総合研究所東京分室が設置されます。真総研東京分室長には、池上哲司教授があたり、博士課程を終えた研究員2,3名を配置するそうです。谷大の東京における拠点として、大いに期待するところであります。

 親鸞仏教センターは、現代の諸思想と向き合い、親鸞思想を現代社会に発信することが願われる施設であります。ところで、宗門の学事・研究施設でありながら、教学研究所や大谷大学、あるいは地元の東京教区との連携や協働ということにおいては、充分であったとは思われません。真総研が同じ建物に入ることを機に、これら諸機関との相互関係を深められんことを期待します。

なお、一階部分に、出版部のコーナーを設け、元トーハン社員を嘱託として雇用し、首都圏の書店での本願寺出版書籍の販売促進にあたるというものです。

 

  《 あとがき 》  

2016年7月の参議院選挙が大きな分岐点であったと、後になって思わないようにするために出来ることは何でしょうか。与党自民党と公明党は、争点としての憲法改正をひた隠しにし、破たんしているアベノミクスを持ち出し、これで経済の立て直しが出来ると主張しています。下馬評では、改憲勢力は非改選数を合わせると改憲発議に必要な3分2を窺う勢いとか。 

私たち大谷派は、日清戦争以来、戦時になれば、念仏の教えを見失うだけに止まらず、念仏の教えによって、宗門の若者を戦地に送りだし、積極的に戦争に協力し、戦時体制を支え続けてきたという過ちを犯してきました。その歴史を懺悔して、敗戦から50年に当たる1995年、宗参両議会は不戦決議を採択し、惨事を未然に防止する努力を惜しまない誓いを立てました。この度の選挙は、惨事を再びもたらすことに繋がる節目となるかもしれません。

念仏の教えに生きんとする私たちは、平和憲法を変えようとする人たちには決して与しないということを縁ある人に働きかけることが、惨事を未然に防ぐことになるのではないでしょうか。