犬に鼻くそはできますか?
できないよ。
だって、指太いだろ。
鼻に入らないんだ。
それにそんなものができてしまったら、
犬の敏感な嗅覚は、きっと損なわれてしまうに違いないしね。
それで、鼻くその生産機能を、
犬には与えないようにしたと思うんだ。
誰がとは言わないけどね。
そのおかげで、
ぼくの尊厳は破壊されずにすむようになった。
人前で鼻くそをほじって、
自分の尊厳を傷つけなくてすむようになったんだ。
でも、大気汚染と快楽の問題が残ってしまってね。
それで、ほんの少し、
鼻くその生産機能を持たなかったことを残念に思っている・・・。
そんな新年さ。
人生の短さについてどう思いますか?
ショーペンハウエルは、それについて何て言ってたんだい?
ぼくがわかるのはね、
長さとか短さは、感覚の問題ってことなんだ。
それに、短く感じられるとすれば、
それはそれで幸せじゃないのかい?
「待て」のあとの時間が一生続くとしたら、
ぼくは、「アッと言う間の人生」のほうをきっと選ぶと思うんだ。
すばらしく理性的なぼくの時はね。
だいたい、ドッグイヤーとか、犬の時間は人間の6倍とか、
そんなこと好き勝手に言われてぼくがどんな思いしてるか、
考えてみたことあるかい?
犬と人間の感覚の違いは、いったいどうなっちゃってるんだ。
もう、ほんとにイヤーになっちゃう・・・。
ぼくがどれほど、一日を長々と感じているかってこと、
きみに教えてあげられたらな。
そうしたらきみは、
人生は長さなんかじゃないって、
きっと心の底から思うと思うんだ。
そうして、人間の人生が、
どんな超スピードで過ぎているかっていうことがわかって、
あらためて犬の偉大さに目覚めるはずだよ。
だから、ねっ。
もう、ドッグイヤーなんて言わないでくれるだろ?
流れているのは「お祝いのうた−くりかえすことのお祝い」