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アスベストの「管理使用」から主要なアスベスト製品の禁止へ
−日本のプロセス:2002年6月〜2004年10月
2004年世界アスベスト東京会議用抄録
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長い間、日本は世界有数のアスベスト消費国であったが、多くの人はその事実を知らなかった。大勢の潜在的被害者が生み出される中で、社会に植えつけられた間違った認識がこの問題の重要性を隠し続けてきた。このような反省に立って、日本におけるアスベスト禁止のプロセスを確認する。

2002年6月28日、坂口厚生労働大臣は、国民の安全、社会経済にとってやむを得ない製品を除き、原則としてアスベストの使用等を禁止する方向で検討を進めると発表した。

同年12月、代替化の困難なアスベスト製品の範囲を絞り込むため、非公開の「石綿の代替化等検討委員会」が設置された。翌2003年4月報告書が提出されたが、そこで示されていたのは、全面禁止ではなく部分禁止の方向だった。

同年5月にWTO(世界貿易機関)の通報が行われ、それに対する正式な意見は出されなかった。その直前、カナダからの意見聴取が行われていた。国民の意見募集は、わずか数行の漠然とした概要しか示されない提案に基づいて行われた。

2003年10月、労働安全衛生法施行令が改正され、アスベストを重量の1%を超えて含有する、スレートや摩擦材を含む10種類の製品の製造、輸入、使用等の禁止が決まった。

2004年10月1日に同施行令は施行されるが、それ以降も、クリソタイル繊維の輸出入等は日本では依然として合法である。禁止された10種類以外のアスベスト製品や、10種類の製品であっても1%以下の含有率の製品の製造、使用等は禁止されない。さらに、施行前に輸入、製造された製品は、改正施行令の適用を受けず、10月1日以降も合法的に譲渡、提供、使用等が認められている。

(2004.6.30)


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