アスベスト新法:不作為の結末(目次)

アスベスト新法:不作為の結末(その10)

〜顧問費〜


昨年9月14日、石綿対策全国連絡会議(BANJAN)と、(社)日本石綿協会との会合が開かれた。

話し合いの途中で、いつも説明役になる富田雅行氏(ニチアス(株))が、「その点については、ちょっと誤解があるようだ」と言った。

どのような誤解かと聞くと、富田氏は、「櫻井治彦氏は、石綿協会の安全衛生委員会の特別委員で、「顧問」ではない」という説明をした。

少し前に、櫻井治彦氏(中央労働災害防止協会、労働衛生調査分析センター所長)が、石綿協会の顧問をしていたことがわかり、「アスベストの健康影響に関する検討会(環境省)」の座長と委員を辞任したという報道があったからだ。

櫻井治彦氏の後を引き継いで、現在、特別委員の立場にあるのは、東敏昭氏(産業医科大学、産業生態科学研究所教授)のようだ。

東敏昭氏に対して、現在、協会から支出されている報酬はどのくらいかと聞いたところ、協会側は、確か、年40万程度だと答えたと思う。委託研究費は別だということで、その額や宿泊費が話題になった。

事実はどうだったのだろう?

(社)日本石綿協会の平成13年度収支予算書によれば、この年度の安全衛生委員会の予算総額は555万円で、活動予算額が270万円、関連予算額が285万円になっていた(事業費の総額は約2千万円)。

555万円の内訳をみてみよう。

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「平成13年度環境安全衛生委員会予算」

 環境安全衛生委員会活動予算総額 270万円
 環境安全衛生委員会関連予算総額 285万円
    ―――――――――――――――――
                       555万円

−内訳−

1.環境安全衛生委員会活動予算 総額 270万円
(内訳)
(1)定期活動計画(50万円)
 B研修会の開催…50万円

(2)継続活動計画(120万円)
 @粉じん対策特別作業部会関係…70万円
 A天然鉱物中に含まれる不純物としての石綿調査…50万円

(3)新規活動計画(100万円)
 A石綿含有廃棄物の非石綿化の研究…100万円

2.環境安全衛生委員会関連予算 総額 285万円
(内訳)
 @東先生顧問費・・・120万円
 A東先生情報収集費・・・90万円(上期60万円、下期30万円)
 B会議費・・・30万円
 CCPUリース費・・・30万円
 D繊維状物質研究協議会会費…15万円

〜(社)日本石綿協会 平成13年度収支予算書より抜粋
  (一部、表記をわかりやすく書き換えています。)〜

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この年の「東先生」関連の予算には、「顧問費」120万と情報収集費90万円の、計210万円があてられていた。

これは、新規事業費と継続活動費の合わせた額にあたり、事業費総額の約1割を占めていたことになる。

 

つづく                          (2006.1.15)K.OUCHI


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