お茶のダイオキシン測定結果−全部開示までの経過

(静岡県お茶振興室の説明に基づく経過を含む)



1999年2月1日
 ニュースステーション、所沢市周辺の農産物のダイオキシン汚染について報道

1999年2月5日
 「埼玉県所沢市の野菜及び茶のダイオキシン問題に関する三省庁連絡会議設置要領」制定(2月19日改正)
 環境庁(企画調整局)、厚生省(生活衛生局)、農林水産省(農産園芸局)により、埼玉県所沢市のダイオキシン問題に関する三省庁連絡会議設置される

1999年2月17日
 滑ツ境総合研究所「ダイオキシン汚染と農作物に関する自主調査研究(中間報告)」発表

1999年2月19日
 三省庁連絡会議、所沢市産等の茶のダイオキシン類等の調査を行い年度内に結果を取りまとめると発表

1999年2月19日
 静岡県、平成10年に県茶業試験場3ヵ所で生産されたお茶のダイオキシン類の緊急調査を実施すると発表

1999年2月24日午後
 静岡県、ダイオキシン測定の業務委託に係る説明会実施
*参加したのは県内中心の次の4業者
 叶テ環検査センター(藤枝市)、産業環境センター(浜松市)、新日本気象海洋(東京)、東洋検査センター(大仁町)
*この際、静岡県産のお茶のダイオキシン測定の分析方法は、滑ツ境総合研究所が行った方法と同じく、ソックスレー抽出法で行うように指示した検査要領を示したとのこと。
*叶テ環検査センターは、食品のダイオキシン分析方法としては振とう抽出法が一般的といえるので、その方法にしたほうがいいのではないかとの意見を述べたという。
*県は、これ以前に叶テ環検査センターの担当者と事前の打ち合わせを行っておらず、この場で初めて説明したという。

1999年2月26日
 午後2時、見積もり書の提出締め切り
 静岡県、叶テ環検査センターとお茶のダイオキシン測定の委託契約を結ぶ
*24日の説明を受けてから、叶テ環検査センターでは、ソックスレー抽出法による分析方法について社内で検討し、各省庁や外国にも問い合わせして資料を収集し、独自の方法を取り決めたという。
*この分析方法が、他社にはない高感度の分析方法を独自に開発したものなので企業秘密にあたるとして非開示の理由とされた。
*開示に至る最終段階では、具体的な分析方法を指定した要領を示した日から、2日間の間に、上記のような資料収集や分析方法の開発がどのようにして行われたのかという点が問題となる。

1999年3月12日
 「ダイオキシン類荒茶分析業務委託契約書」公文書開示請求

1999年3月15日
 同契約書(平成10年度ダイオキシン類荒茶分析業務委託要領を含む)全部開示される

1999年4月7日
 鹿児島県、平成10年度産鹿児島茶のダイオキシン測定結果発表
*(財)日本冷凍食品検査協会に委託
*ダイオキシン類及びコプラナーPCBの濃度を測定
*濃度は低く(合計で0.18〜0.67pg/g)、浸出液にはともに不検出だったことから、安全性が極めて高いものであることが確認できたと発表

1999年4月8日
 静岡県、平成10年度県内産のお茶のダイオキシン測定結果を発表
*ダイオキシン類(0.25〜0.92pg-TEQ/g、コプラナーPCBを含まない)、熱湯浸出液(0.0015pg-TEQ/g)は、3月25日に環境庁、厚生省、農林水産省が発表していた煎茶のダイオキシン類等の測定結果(最高1.4pg-TEQ/g)が健康に影響を生じないとされたことから判断して問題がないと発表

1999年4月9日
 「平成10年度ダイオキシン類荒茶分析業務結果報告書」公文書開示請求

1999年4月28日
 同報告書の一部開示決定
*分析結果チャート図、茶試料の分析フロー等、詳細データは非公開となる

1999年4月29日
 静岡県、平成11年一番茶のダイオキシン測定を行うと発表
*県内5ヶ所の主要産地の民間茶園で生産・加工されたものを対象
*(財)冷凍食品検査協会に委託

1999年6月18日
 静岡県「平成11年産一番茶のダイオキシン類調査の結果」発表
*ダイオキシン類(0.09〜0.57pg-TEQ/g)(前回の分析結果は0.25〜0.92pg/g)、コプラナーPCBを含む数値(0.13〜0.80pg-TEQ/g)は、国の調査結果(ダイオキシン類最高値1.40pg/g、コプラナーPCB最高値0.31pg/g)が健康に影響を生じないとして発表されていることから判断して、静岡産のお茶は飲んでも食べても安全であることが改めて確認できたと発表

1999年6月25日
 「平成10年度ダイオキシン類荒茶分析業務結果報告書」の公文書一部開示決定処分に対して異議申立て

1999年7月16日
 静岡県、異議申立てを受けて静岡県公文書開示審査会に諮問

1999年8月4日
 「平成11年度ダイオキシン類荒茶分析業務委託契約書」及び「平成11年度ダイオキシン類荒茶分析結果報告一式」公文書開示請求

1999年8月12日
 同契約書及び報告、全部開示決定

1999年8月18日
 静岡県が非開示とした理由を審査会に説明した「公文書の一部開示理由説明書」の写し送付される
*これに対する意見提出の期限は9月20日とされる
*意見提出に必要となるため、入札の説明会資料、検査内容を示した要領などの公表、その間の経過についての説明を求める

1999年9月7日
 厚生省、「食品中のダイオキシン類及びコプラナーPCB測定方法暫定ガイドラインの概要」発表
*厚生省の発表を受け、業者が見解を変更する可能性があることから、業者に打診するとの説明を受ける
*開示の方向が示されたとの連絡を受け、理由説明書に対する意見を提出しないことを審査会事務局(情報公開室)に連絡
*企業から開示を了承する正式通知を受けるまでの期間、及び、審査手続きが始まった後の公開手続きをどのように行うかについて検討するための期間が必要であるため、手続きに時間がかかるとの連絡を受ける

1999年11月5日
 公文書の一部開示決定に対する異議申立てについて、取り消しする旨の決定
*全部開示の正式決定となる

1999年11月15日
 全部開示
 (静岡県が、情報公開審査会に行っていた諮問を取り下げ、異議申立ての対象となった一部開示決定を取り消し、全部開示の決定を行った。)

以上


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