しかし、日本では、いまだに、年間20万トンにも及ぶ大量のアスベストが使われているのです。 これは、1985年以来旧ソ連につぎ中国と第2位を争う量ということです。アメリカは、1992年に約3万トン、イギリスは1万トン、その他、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、スイス、イタリア、オランダ、ドイツなどでは、すでに1980年以降、アスベストの使用は相次いで禁止されており、最近、フランスでもアスベストの使用などが禁止されることになって、一部で関心を集めています。
フランスの年間使用量は、3万5千トン、アスベストによる死者は、年間約2千人と推定されており、癌を誘発すると30年前から言われてきた末の禁止措置は遅すぎる感があるとも報道されています。
日本でも、強い発癌性があることから、吹き付けは1975年に原則的に禁止されていますが、1972、3年頃に全盛だった吹き付けアスベストを使用した建物の取り壊しは、これから始まろうとしています。
その後も、毎年20万トンから35万トンも、スレートなどの建材として使われてきたアスベストも、すでに時とともに風化し、劣化し、吹き付けアスベストと同じようにもろく崩れやすくなって、建物の解体などを通して環境中へ放出されようとしています。
アスベストを含む建物の取り壊しのピークは、2010年から30年頃とみられています。そして、これまで、イギリスでも、アメリカでも、フランスでも、そして日本でも、アスベストが原因とみられる癌が急増していることがわかっているのです。
私たちは、アスベスト問題を、もう一度考え直さなければならないのではないでしょうか。アスベスト問題は、まさに今、始まろうとしているのです。
静岡県の職員も、吹き付けアスベストはもう使われていないと言っていました。しかし、情報公開でそれを確認できる資料を請求してみても、資料は一切なく、調査されたという証拠もなく、アスベストが現在使われていないかどうかということも確認できないでいる状態です。
私たちは、アスベストについての総合的な対策をとることを、静岡県に対して要望しています。ぜひ、皆さんがアスベストの問題に関心を持ち、私たちの活動を支援して下さることを望みます。