オーテック・ザガートのディティール


 ここでは、オーテック・ザガートの詳細なディティールを多数の画像を駆使して解説していく。
本来なら、ステルビオとガビアの両車構造等を比較して、その詳細な変更点などを考察していく予定であったが、近くにステルビオの所有者,若しくは撮影可能なクルマが存在しないため、取り敢えずは私の所有するザガート・ガビア(cha.No AZ1-114)を紹介していくのでご了承願いたい。



 では、まずはエクステリアから見ていただこう。

 やはり、ハンドメイドで作られたボディ・デザインが一番の魅力である。
ステルビオでは、かなりアレグレッシブなデザインで人目を引いたが、このガビアでは逆に60年代にザガートが得意としたプレーンな面構成で形作られており、なかなか気品のある仕上がりとなっている。
 しかし、フロントマスクはステルビオ譲りのアクの強さが色濃く残った少々アレグレッシブなフェイスを持ち、リアではプレーンな面にブラックアウトされたランプカバーと、ルーフに伝統のダブル・バブルを見る事が出来る。

 車体全体は御覧の様に、ロングノーズ・ショートデッキで、特にリア・オーバーハングが切り詰められ精悍な印象を与えており、ヨーロピアン・デザイン特有の端正なスポーツクーペのスタイルを継承している。
 最近のヨーロピアン・セダンで散見する事が出来るリアデッキを高くしたデザインは、無粋なリアスポイラーやウイングなどの空力デバイスを廃するのに効果的な反面、後方視界を極端に制限する結果になってしまったのは少々残念であるが、ステルビオやガビアに採用されているデザインならば一般的な使用を妨げるほどの問題ではないと考えられる。