初診の場合も原則的に予約制になります。初診の事務手続きには多少時間がかかりますので、予約時間の15分前には来院されるようにお願いいたします。
カウンセリング(心理療法)をご希望の場合も、まずは一般診療を受けて医師の指示を得るようにしてください。
現在、すでに他医療機関に通院中の方は、原則的に紹介状(診療情報提供書)の持参をお願いしています。(これは他院での治療が終了していることの証明としてです。保険診療のルールから同一疾患で複数の医療機関を同時に受けることはできないからです。)
当院では診療できない、あるいは当院での診療は適さない(デメリットがメリットを大きく上回る)ためにお断りし他院をお勧めしている条件がいくつかあります。それらを以下に列挙します。
(1)労災・交通事故の自賠責保険の方。
当院では各種社会保険(自衛官含む)や国民健康保険は受け付けていますが、労災や自賠責保険が適用される方は受け付けていません。
(2)当院に通院している人の家族。
一般的に家族で同じ精神科に通うことは精神科の治療において極めて重要なプライバシーや守秘性の点で問題を生じることが多く治療がうまくいかなくなることが多いため、お勧めしていません。別々の医療機関を受診する方が良いでしょう。
(3)本人に治療意思がない人。
当院では強制治療や本人に秘密の治療・相談は受け付けていませんので、本人自身に治療への意思・決心がない場合は無理でしょう。
(4)本当の意味で治す気持ちがない人。
精神科の治療は地味な努力を要するもので、決して楽なものではないことがほとんどです。このため本人自身の治す気持ちが本当にあるかどうかが極めて重要です。当院では「治す」ことに重点を置いていることもあり、本人自身に本当の意味で治す気持ちがない場合は治療スタンスが合わないと感じる事になるでしょう。
例えば、治す気持ちはなくただ楽になるための薬(睡眠導入剤、抗不安薬等)が欲しいだけの人、障害年金や傷病手当など金銭的補償が欲しいだけの人、自身の精神的不調を第三者行為の結果だと訴え裁判での資料をつくりたいだけの人(そもそも本当に第三者行為の結果であれば保険医療は適用できなくなります)、などは当院は不向きと思われます。
(5)一人で診察室に入ることができない人。
当院では本人自身の自主性・自立性、プライバシーを重視する立場であることから、診察には基本的にお一人で入ってもらうことにしています。これができない人は当院での診療は向かないでしょう。同様の理由で、本人に承諾のない家族相談は受け付けていません。
精神科の治療は本人自身が自分のために、自分の責任で、自分自身で行っていくものだと考えているからです。
(6)小学生以下の小児、進行した老人性認知症の人。
小学生以下の小児については児童精神科を専門にした医療機関に相談することを強くお勧めします。老人性認知症は初期・軽度のものであればしばらく当院で診ることはできます。しかし認知症は基本的に進行性の疾患であり、数年〜十年程度のうちにいずれ通院することができなくなり、在宅医療や施設入所となるであろうことから、こうしたものに対応できる他院での診療を強くお勧めしています。
(7)予約時間を守って定期的に通院することができない人。
当院では予約制で診療を行っているため、これができない人は不向きでしょう。
(8)他院に精神科通院中でいわゆる「二股」で保険診療を受けようとする人。
これは保険医療の制度として、同一疾患で別の保険医療機関で保険医療を「二股」で受けることはできないルールになっています。いわゆる「セカンド・オピニオン」の場合は、このため、保険医療は使えず完全に自費となります。そうでなければ、これまでの通院先での診療を終了し「転医」するという形でなくてはなりません。その場合、これまでの通院先での診療を終了したという証明として「紹介状(診療情報提供書)」の持参を求めています。
医学・医療の専門科の中で、本当は「精神科」に含まれるはずなのに別の名前がわざわざつけられているものに、「神経科」と「心療内科」があります。 これは「内科」の中に「消化器内科」、「呼吸器内科」などがあるのと同様な関係です。 広い「精神科」の中に「神経科」と「心療内科」が入ってきます。 実際、このためにわざわざ「神経科」や「心療内科」を独立した診療科のようにしているのは、おそらく日本だけのことであり、このような診療科の独立性は、おそらく海外では通用しないでしょう。
もともと「心療内科」は英語名Psychosomatic medicineにあたるものであり、「精神科 psychiatry」に含まれ、対象疾患は心理的な要因により身体的・器質的な疾患を生じてしまうものが基本です。 具体的には心理的なストレスに関連した胃潰瘍や、心理的なストレスに関連した蕁麻疹、ぜんそく、などです。 このもともとの対象疾患の中には「うつ病」も「不安症」も、「摂食障害」さえ入ってきません。
しかし、「精神科」のイメージが悪かった頃、「精神科」の看板を嫌う精神科医が好んで「心療内科」の看板を使ったこと、患者さんも「精神科」に対して偏見があり「心療内科」の看板を出しているクリニックを好んだこと、などから「心療内科」の意味が変わってきました。 つまり、本当は精神科であるし、対象としている疾患も「うつ病」や「不安症」、「摂食障害」、「神経症」、さらには本格的な精神病性障害(統合失調症など)を扱っていながら、「精神科」の看板を嫌うために「心療内科」ということにしている・・・というようになってきたわけです。
このため、実際のところは「精神科」と「心療内科」の違いはほとんどなくなっています。 これは「軍隊」と「自衛隊」の違いは? という質問と同じくらい、意味のないものになってしまっているわけです。 つまり、事務処理的・法律的な分類の違いでしかないということです。
また「心療内科」は「精神科」よりも標榜しやすいため、普通の内科医が一応標榜しているだけということもあります。(本当は精神科が専門なのに、一応「内科」も標榜してしまうのと同様です。) この場合は(いわゆる「なんちゃって心療内科」の場合は)、「心の問題」に対する本当の意味での専門的な診断・治療は期待できないと考えた方が良いかもしれません。
これは何ともいえません。 まず医師によって病気の範囲のとらえ方の違いがある場合があります。 たとえば、統合失調症の場合、明らかな幻覚や妄想などの症状が一定期間以上しっかり続き、「診断基準」にしっかり合致したものだけを厳密に「統合失調症」と呼ぶ医師もいますし、もう少しゆるめの基準で「統合失調症の一種=統合失調症スペクトラム障害」をすべて含めて「統合失調症」と呼ぶ医師もいます。 どちらが正しくて、どちらが間違ってるという問題ではなく、疾患をとらえる立場の違いです。
もう1つは、治療を組み立てて行く上での、切り口の違いの問題です。 たとえば、慢性の抑うつ状態の患者さんに対して、背景にある対人関係や性格的な要因を治療上重視し「神経症」とか「パーソナリティの問題」というように表現する医師もいるでしょうし、単純に抗うつ薬などによる薬物療法の適応と考え慢性持続性の気分障害であるととらえ「気分変調症」と表現する医師もいるでしょう。
あとは、あまり好ましいことではないかもしれませんが、医師によってはあえて病名をぼかしたり、患者さん本人にもある意味嘘の病名を伝えることがあります。 特に統合失調症やパーソナリティ障害など、その病名を与えられた患者さんが気持ち的にネガティブな反応をしそうなときに、わざと違った病名を伝えることがあるかもしれません。
最後に、見立て間違いということもありえない話ではないでしょう。
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