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北海道のみなさん、新年おめでとうございます 吉田忠智

2016年1月1日

暴走政治は許さない

社会民主党党首 吉田忠智

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 昨年九月の日本の戦後の歩みを大きく転換させる戦争法の成立は、各界から相次いだ「憲法違反」との批判、そして立法事実を政府自ら否定するなかでの暴挙でした。廃案を求めるたたかいには、これまでにない様々な層の方々が立ち上がり、私たちも大変勇気づけられました。引き続き2000万人署名の達成をはじめ、戦争法廃止にむけ取り組みを強化していく決意です。
 法案成立後、社民党をはじめ野党は結束して、政府に臨時国会の開催を要求してきました。これは戦争法に止まらず、新大臣が所信もなく国政に携わることの是非、辺野古新基地建設に向けた政府の暴挙、国会決議に反するTPP大筋合意の経過や問題など、いずれも国民生活に直結する課題であったからです。
 安倍首相は何度も「法の支配」を強調してきましたが、その暴走・独裁政治は決して許すことはできません。
 さて安倍首相は一昨年以来の政策の検証もなく、「新・3本の矢」を打ち出し、労働関係の規制緩和は、「一生涯ハケン」をもたらす労働者派遣法の改悪として強行され、今年は継続審議となった「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)導入など、労働基準法の改悪を行おうとしています。
 一方で女性の労働環境を劣化・流動化させるなど、結局「総活躍」と言いながら雇用の不安定化、社会保障切り捨てなど、「いのち」までも奪うものに他なりません。
 さらにTPP参加による地域(農林水産業)や国民生活の切り捨て、地方自治もかなぐり捨てる沖縄・辺野古への米軍新基地建設問題、福島第一原発事故の被災者支援や各地で進められる原発再稼働問題など、闘いの課題は山積みされています。 夏の参議院選挙は国民無視の安倍政権の暴走にストップをかける大変重要な選挙となります。社民党は現有2議席以上、250万票以上の獲得を目標に掲げ、全国で闘いを進めます。
 私たちは、すべての人が個人として尊重され、一人も切り捨てられることのない「やさしい社会」をめざします。その基本は、戦争放棄や幸福追求権、生存権などを規定した日本国憲法です。「戦争できる国」になる憲法改正は絶対に阻止しなければなりません。
 与野党逆転のためには野党間の選挙協力が不可欠です。この間野党5党と戦争法反対のたたかいを担った様々な団体の方々との意見交換が行われてきましたが、競合を
避け選挙協力を実現し政治の流れを変えてほしいとの声や期待を受け止め、その役割をしっかり果たしていく決意です。
 今夏の参議院選挙から、あらたに18歳以上の若者が有権者として選挙権を行使できるようになります。「格差と貧困の連鎖」が深刻な社会問題としてクローズアップされるなど、新有権者には奨学金返済、ブラックバイト・ブラック企業、拡大する雇用の非正規化など、大きな課題が存在しています。経済的貧困が自衛隊入隊へと誘導させるとの懸念も生まれています。「格差と貧困の連鎖」を断ち切る政治が大変重要です。社民党は返還義務のない給付型奨学金の導入などの、若者が将来に希望の持てる政策を実現していきます。
 社民党は今年2月、結成20周年を迎えます。1996年1月に「社会民主党」へと党名変更を行い、3月には第1回定期大会を開催し新たな歴史をスタートさせました。この20年、私たちは市場任せの利潤追求と効率性を最優先する新自由主義的な政治に対し、「平和・自由・平等・共生」の社会民主主義を掲げたたかい、2006年2月には「社会民主党宣言」を決定しました。結成20年にあたりこうした歴史と歩みを検証し、皆様方とともに新たなスタートラインに立つ決意です。 社会民主主義こそが憲法改悪をめざす政治の対極にあります。そして私たちのたたかいの原点が「いのち」であることを再確認して、この一年間皆様方と力を合わせ、危険な政治から転換を図るために全力でたたかう決意です。北海道の皆様方の変わらぬご支援をお願いし新春のメッセージといたします。
(参議院議員)