高校なんか行かない!

アメリカ留学を決意したものの、これにはいろんな問題が山積みだった。

まず、費用の問題(年間100万円くらい)。うちは母子家庭でお世辞にも裕福ではなく、母親が一人で働き生計をたてていた。この状況で、果たして、アメリカに行くお金があるんだろうか?これは大問題だった。

母親に相談したところ、「大学に行くために、毎月少しずつ積み立ててある。これで行けるんなら行っておいで。ただし、大学に行くときには、一銭も出さないよ。」とのこと。そのときから、母親にはほんとに感謝、感謝。当時から、「大学くらい自分のお金で行ってやる」と思っていたので、これで費用の問題は解決。

次に、もっと重要なことがあった。アメリカに行くのは、費用のことを考えても、最長で1年。じゃあ、帰ってきてから何をするのか?

アメリカの大学に行きたいという夢はあったものの、高卒の資格がいる。どうしよう?そういえば、知り合いの叔父さんに、大学検定という試験を受けて合格した身体障害者の人がいたなあ・・。もしかすると、なんとかなるかも。

当時、大検と言っても誰も知らないほど、この試験の存在は知られていなかった。中学の先生でさえ、よくわかっていなかった。ぼくも、どの程度難しいのか、果たして本当に合格できるのか、不安もたしかにあったが、そんなことよりも、アメリカに行きたいという気持ちが勝っていた。「頑張れば絶対なんとかなる」と・・。