アイダホでの生活

高校での1年間(正確には10ヶ月)は、非常に長く感じられた。特に最初の半年くらいは、毎日、寝る前にカレンダーに×印を入れ、「あと何日かあ・・・」と、日本に帰れる日が待ち遠しくて仕方なかった。

言葉も喋れるようになり、友達もできた。バスケットのチームにも入り、それなりに楽しい学生生活ではあったが、やはり時々自分は違う人種なんだと感じさせられるようなこともあった。やっぱりぼくは日本人。日本人にとっては、日本という国も実はいい国なんだなと、外から見て初めて感じた。

個人的には特に食べ物が合わなかった。やはり、ご飯と味噌汁にお漬物。こういう食事が一番いい。アイダホには、味噌はおろか、まともな白米すらない。食事は、毎日、ポテト、ポテト、ポテト。日本人の感覚でいうと、おかずと一緒にご飯だが、おかずとポテトという感じ。おまけに、一家はモルモン教徒なので、肉はほとんど食べない。「アメリカに来たら毎日ステーキかな」というぼくの期待は木っ端微塵に打ち砕かれた。