天空の城ラピュタとパロネラパーク

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ラピュタのモデルは何でしょね?
 最初に申し上げますが、ラピュタの城の明確なモデルは存在しません。 創造とはゼロから生まれるものではなく、さまざまな知識が混ざり合って作られるものです。
 ラピュタのモデルはマチュピチュ、アンコールワット、モンサンミッシェル、 ブリューゲルのバベルの塔など、古今東西あらゆる建築物が噂の的になってますが、 公式に決まっているものはないのです。しかしモンサンミッシェルは見れば見るほどラピュタに似てませんね。

 最近、よく噂されているものはオーストラリアにラピュタのモデルがあるというものですが、これは間違っています。モデルであると信じきっていて、夢を壊されたくない人は以下を読まないで下さい。だた事実を述べているだけです。
ジブリ公式サイトの日誌 http://www.ghibli.jp/15diary/000102.html
12月10日の記事で「ジブリ作品でも、ものによっては実在の場所をモデルにしたり参考にしたりしているケースが勿論ありますが、少なくとも、オーストラリアについてはそういう場所は存在しません」とはっきり否定しています。日誌ではラピュタではなくナウシカの風の谷について書かれており、実際に風の谷という名前の地名がオーストラリアにありますが、偶然の一致です。そしてラピュタのモデルと噂されているものはケアンズ郊外にあります。

ラピュタの城
 ケアンズ郊外のパロネラバーク、もしこれから行く予定がある人には言っておきます。全然似てないのでそのつもりで見てください。正直、これをどう見たらラピュタに見えるのでしょうね。森の中の朽ち果てた城ということで贔屓目に見れば…、ああ、やはり無理です。以前は贔屓目に見てたけど…。ラピュタを念頭において見るとがっかりするので気をつけましょう。よくツアー紹介に載っている建物はコレです。スーパーマリオの1面クリアの城です。
 とても小さいですね。一緒に行ったツレは「騙された!」と激怒してました。きっと壮大な城を期待していたのでしょう。他のツアー客も「・・・」という反応でした。私はあらかじめ嘘だと知っていたし、もともと廃墟や遺跡が好きなので満足しました。ツアーガイドは「あくまで噂です」と言ってました。これがラピュタのモデルだと断定してツアーを組んだら訴訟問題になるので、そのことを念頭においてますね。どこのツアーでも「噂」としか書いてません。でも、ジブリがオーストラリアをモデルにしたことはない正式に否定しているので、ツアー紹介には「実際には違います」と断り書きを入れないといけないのでは?
 ラピュタを意識せずに見れば、パロネラパークはとても素敵な場所です。熱帯雨林と廃墟っぷりが気に入りました。これをホセおじさん一人で作ったのだと思えば、立派に観光名所としてイケてます。だから、ラピュタのモデルなんていう宣伝文句は本当にやめて欲しいです。ラピュタファンとして、廃墟好きとして、切実に思います。
補足 パロネラパークについて

ラピュタの大樹
 カーテンフィグツリーがラピュタの大樹に似ていると噂があります。 カーテンフィグツリーは絞め殺しの木と言われてまして、木に巻きついて養分を吸い取り、 枯らしてしまうという恐ろしい木です。木というよりツルでしょうね。
 その中でとても大きなものがあり、それがラピュタ崩壊後の姿が似ていると評判になっているものがあります。 樹齢がかなり経った大樹に巻きつき、大樹は枯れて大きな空洞ができています。大きすぎて見上げるのも大変です。写真撮っても入りきらないほどです。下から見るにはラピュタの大樹の根を連想させますが、全体見たら全然違うでしょう。おそらく大樹なしの根っこだけ。それに絞め殺しの木なのでイメージ悪いです。でもとても見ごたえがありますよ。ツアーに組めるようでしたらオススメします。そのときはラピュタのことは頭から離して見てください。

飛行石だらけの坑道
 ポム爺さんが見せてくれた飛行石が光りまくっている坑道。美しいシーンですね。 それが土ホタルがモデルになっているなんて、いくらなんでも無理がありすぎます。 あのシーンのモデルは夜空ですよ。星雲まであるし。絵コンテにも「夜空」と書いてありますからね。それでも土ホタルはとてもきれいです。とても小さな光りですが、日本では見られない光景で一見に値します。光が小さすぎて写真に撮れないのが残念です。

 現在、ケアンズでは「ラピュタのモデルと噂されている」という謳い文句で上記のツアーを組んでいます。ツアー会社たくさんあるのでケアンズ行けば必ず見つかります。どれもとても素晴らしい場所で、ケアンズが更に好きになること間違いなしですが、せめて「実際は違います」と断り書きを入れるべきです。似てる似てないは個人の主観ですけどね。ツアー中も「噂」と言ってはいますが、モデルになったと思わせるような演出ありです。カーテンフィグツリーではラピュタの音楽をガンガン鳴らしまくり(笑)いいのか、世界遺産の熱帯雨林の中でそんなことして。周りの生態系に影響が出ないか?
 バスの中でもアニメ的な演出で、例えるならアニメオタクの集会のよう。ケアンズ以外でジブリ作品のモデルになった場所の紹介や、帰りのバスはジブリの音楽流しまくり。私はアニメオタクなのでそういう雰囲気好きですよ♪とても楽しかったです。ただし、アニメ的雰囲気を嫌うツレの怒りをなだめるのが大変でした。私だって知らなかったのです、ああいう演出のあるツアーだなんて。ツアー客には、普通にジブリ作品は見ているけど熱心なファンではない人が多いと思います。ちょっとした好奇心で参加したとか。別のツアーで一緒になった夫婦もあのツアーには引いたと言ってました。大してアニメファンではない人にとっては苦痛でしょう。あらかじめツアー会社に問い合わせることをオススメします。

 オマケですが、グーチョキパン店のモデルになり、キキの屋根裏部屋まであると宣伝している店がタスマニアにあります。それもバスの中で紹介してました。「キキの部屋」と称し、宿泊もできるのですが、そういうことしたら裁判沙汰になるのではないでしょうか。日本でやったらジブリからクレームが来そうです。法律には詳しくありませんが、海外では版権料も払わずにそういうことは平気ですか。あくまで噂と言い切ればいいのでしょうか。お客さんの中には本気で信じる人もいます。だからせめて「似ているだけで実際は違う」と紹介するべきだと思います。

 以上です。似ていると主張するのは自由です。似ていないと主張するのも自由です。ジブリに写真やツアー内容を提示して、これは違法にならないのかと聞いてみたくなりましたが、本当に違法なら裁判になってるでしょうし、黙認しているのかもしれません。その辺は自然の成り行きに任せます。