(亞里亞邸大広間)
≪Scene 1≫
「チェキーっ!
兄チャマ
「……?
「さ、咲耶、いまなんか、遠くから聞こえたけど……?
咲耶
「あら、そうかしら? きっと空耳よ♥
兄チャマ
「そうかなぁ……。
≪Scene 2≫
(……ええっと、あと話してないのは千影だけだな。
(千影は…ああ、いたいた。
兄チャマ
「千影、いまそっちに行く……。
四葉
「チェキィ〜っ!!
兄チャマ
「わっ!?
四葉
「うふふ、兄チャマ兄チャマ! ホンモノの兄チャマだ!
兄チャマ
「ち、千影! この子、千影の友だちかなにかかい?
千影
「…………少なくとも、友人という間柄ではないね。
兄チャマ
「じゃ、じゃあ誰なの、キミ!?
四葉
「よっくぞ聞いてくれマシタ! 大英帝国きっての美少女名探偵、チェキチェキ四葉は兄チャマのいも……。
兄チャマ
「イモ?
咲耶
「ああもうっ、なんでこんなに早く出てきてるのよ!
「 「お兄様にプレゼント♥大作戦」 がめちゃめちゃじゃないの!
四葉
「チェキー! 離すチェキー!
咲耶
「あっ、逃げた!
四葉
「つまり、そういうコトなのデース! 兄チャマおわかり?
兄チャマ
「ぜんっぜん、わかんないんだけど。だいたい兄チャマってなに?
千影
「それはつまり……兄くんということだよ、兄くん。
兄チャマ
「千影、なんか知ってんの? でも友だちじゃないんだろ?
千影
「ああ、友人ではないね。なにせ、姉妹なのだから…………。
兄チャマ
「えっ、よく聞こえないよっ!?
咲耶
「可憐ちゃん、鈴凛ちゃん、そっち回って! 衛ちゃんは正面から追いつめるのよ!
可憐
「わかりました!
鈴凛
「おまかせ!
衛
「ボクだって!
四葉
「ノー・ユース! 四葉はそうカンタンにつかまらないデス!
咲耶
「待ちなさいってのに、もう!
可憐
「咲耶ちゃん、そっちそっち!
雛子
「ワーイ、ヒナもおにごっこするぅ!
衛
「雛子ちゃん、危ないから鞠絵ちゃんといっしょにいようね!
鞠絵
「雛子ちゃん、こっちですよ。
花穂
「フレー、フレー、お兄ちゃま♥
鈴凛
「カンケーないんじゃない?
白雪
「追いかけっこで疲れたら、特別に姫のスペシャルドリンクを飲ませてあげますのよ!
千影
「フフッ、実に興味深いね…………。
四葉
「チェキチェキチェキ〜! 名探偵は逃げるのも名人なのよ!
兄チャマ
「い、いったいどうなってんだぁ? もうなにがなんだか、さっぱりわからん……。
≪Scene 1:自宅前≫
(……うう、今日も寒かったなぁ。学校行くのもラクじゃないよ。
(早いとこ暖房つけて、部屋でゆっくりしようっと……。
四葉
「きゃーっ、兄チャマ、とうとう見〜つけちゃったっ!
兄チャマ
「ふえっ!?
「あ……キミは昨日の!
四葉
「なるほどなるほど、兄チャマはこんなトコロに住んでいたのネ♥
「ふふん、四葉に隠しごとしようなんて、そうはいかないんだからっ!
兄チャマ
「あ、あの、キミはいったい誰? うちの妹たちと、知り合いなの?
四葉
「春歌ちゃ〜ん、亞里亞ちゃ〜ん、こっちだよ〜! 兄チャマ、見つけちゃったぁ〜!
兄チャマ
「って、全然聞いてないんだね……。
春歌
「まあ、兄君さま! 四葉ちゃん、お手柄ですわ!
亞里亞
「あ……兄や……。
兄チャマ
「キ、キミたちも!? それに、兄君とか兄やって、……もしかして…………。
四葉
「オフコース! 四葉たちは兄チャマの妹なのデス♥
兄チャマ
「ああっ、やっぱり……。
四葉
「昨日はガマンできずに出ていっちゃって、ちょっとソーリーなの♥ せっかくプレゼントになってたのに。
兄チャマ
「プレゼントになってた……?
(……そうか、昨日可憐たちの言ってた秘密のプレゼントってのは、この子たち新しい妹のことだったんだ!
(驚いたなぁ。父さんも母さんも日本に帰ってきてないから、まさか新しい妹が来てるとは思わなかったよ……。
四葉
「兄チャマ、四葉たちは今日、兄チャマにごアイサツにきたのっ♥
兄チャマ
「挨拶?
春歌
「そうですわ。これから兄妹として、末永いお付き合いになるのですからね♥
兄チャマ
「いや、そんな堅苦しく考えなくても……。
春歌
「いいえ、そうはまいりません。妹たるもの、兄君さまには礼節を尽くさなくては!
兄チャマ
「は、はあ……。
春歌
「それでは、あらためて。
「兄君さま、春歌と申します。このたびドイツから、兄君さまの元へまいりました。
「兄君さまをお護りすべく、精一杯頑張ります。以後、よろしくお願いいたします♥
兄チャマ
「こ、こちらこそよろしく……。
四葉
「兄チャマ、四葉デス! 四葉はイギリスから来たのよ♥
「兄チャマのヒミツは、四葉がみんな暴いちゃう! いくら兄チャマでも、四葉からは逃げられないんだから♥
「兄チャマに、チェキチェキ、チェキよっ!
兄チャマ
「あ、よ、よろしく……。
亞里亞
「……………………。
兄チャマ
「あ、あの……キミは?
亞里亞
「……亞里亞。
兄チャマ
「えっ?
亞里亞
「……くすん。
春歌
「亞里亞ちゃん、泣かないで。ちゃんと兄君さまにご挨拶しましょうね。
亞里亞
「……うん。
「……兄や、亞里亞ね、フランスから来たの。
「……兄やは、亞里亞のこと…………いじめたりしない?
兄チャマ
「う、うん、もちろんだよ。
亞里亞
「……………………♥
春歌
「本当に良かった。兄君さまは想像通りの方でしたわ♥
「これなら、他の妹のみなさんがブラコンになってしまうというのも納得できますね♥
四葉
「イエース。そろそろ日本の風習を覚えなサイ、って言われて帰ってきたけど……。
「こんなことなら、もっと早く日本に来ればヨカッタなっ♥
(……なるほど、それで海外からこっちに来たってわけか……。
(でも、相変わらず父さんたちも勝手だな。僕に何も言ってこないんだから。
(まあ、3人ともいい子みたいだし、そのへんは安心だな。……ちょっと個性的だけどね。
四葉
「それじゃあ兄チャマ、四葉たちそろそろ帰るねっ♥
兄チャマ
「え、もう行っちゃうのかい?
春歌
「長居はしないように言われてますし、それに明日にはまた会えますから。
兄チャマ
「明日……?
四葉
「兄チャマ、知らないの? 明日はSt.Valentine’sdayなのよっ♥
「四葉が発見したトコロによると、日本では女の子がチョコレイトをあげる日なのっ♥
兄チャマ
「ああ、そうか……バレンタインだっけ。
四葉
「でも、四葉たちはファミリーだから、みんなで仲良くしようネッ♥
「……でも、咲耶ちゃんが言ってたヌケガケナシヨ、って何のことなのカナ……?
「……とにかく、明日をおたのしみにっ♥ それじゃ兄チャマ、バイバ〜イ!
兄チャマ
「う、うん。またね……。
≪Scene 2:自宅≫
(……春歌に四葉に、亞里亞か……。みんな可愛いな。
(……そうそう、さっき四葉も言ってたけど明日はバレンタインだっけ。
(可憐や千影たちも、チョコくれるのかな。もし、くれなかったら……。
(……まあいいや。考えてても寂しくなるだけだ。
(ここはプラス思考でいこう。絶対にくれる! くれるはず! くれるに違いない!
(……と、思う…………。
兄チャマ、チェキ〜っ!
えへへ、四葉だよ♥
今日はいきなりおジャマしちゃって、ちょっとソーリーかも♥
でも、兄チャマはウワサどおりの兄チャマでシタ♥
咲耶ちゃんや可憐ちゃん、他のみんながラブになるのもシカタないデス♥
四葉も……♥
えへへ、チェキチェキ♥
言わないよっ♥
それでネ、兄チャマ♥
さっきも言ったケド、明日はSt.Valentine’sdayだよネ♥
ちゃんと四葉、日本の風習に合わせてチョコレートを用意シマシタ。
だから、明日を楽しみにシテてね♥
それじゃあ、また明日♥
チェキチェキチェキよっ!
よつば
(自宅)
(……チョコレートはとりあえず冷蔵庫にしまったから、明日からゆっくり食べようっと。
(それじゃ、ちょっとのんびり……。
(あ、あれ……。横になろうと思ってたのに。
兄チャマ
「はーい、いま出ます〜。
四葉
「兄チャマ、チェキチェキチェキよ!
兄チャマ
「やあ、四葉じゃないか。どうかしたのか?
四葉
「えへへ、お約束どーり、兄チャマにチョコもってきたデス♥
「ハッピーバレンタイン、兄チャマ!
兄チャマ
「わあ、ありがとう四葉。とってもうれしいよ。
四葉
「兄チャマがうれしいと、四葉もとってもうれしいデス!
「しかもチョコを受け取ったのデスから、兄チャマは四葉にラブ? ……あ〜ん、もう決まりデス!
兄チャマ
「四葉、なにか言ったかい?
四葉
「ううん、なんでもないデス……♥
「兄チャマのこと、もっとチェキしたくなったデス!
(しかし、今日はたくさんチョコもらったなぁ……。
(みんな妹から、というのはどうなのかよくわからないけど、少なくとも僕はうれしいな。
(さあ、そろそろ寝よう。明日も学校だからな……。
(……あれっ。と思ったらメールか。
(まあいいや。読んでおこうっと。えーと、なになに……。
きゃーっ、きゃーっ!
兄チャマにチョコレート渡しちゃった!
四葉、なんて勇気があるのデスか……♥
これはもう、ミス・ブレイブガールね!
兄チャマ、よろこんでマシタ♥
きっとチョコがスキなのネ♥
じゃなかったら、四葉がスキなの……?
きゃーっ、きゃーっ!
コーフンして、むしめがねがくもっちゃいマス!
四葉ったら、ダイタン!
……はあ、ベッドの上でコロがり回ったら、とっても疲れちゃいマシタネ。
もう目がとろんとしてるし……。
これはもう、オヤスミの時間よ。
うふふ、兄チャマの夢を見て、アシタもバッチリ早起きよ……♥
今日のチェキチェキ度……85
(こ、これは……日記じゃないか?
(もしかしたら、間違ってメールに添付しちゃったんじゃないかなぁ。確かパソコンで日記書いてるって言ってたし……。
(……そうだよな。これは読まなかったことにしておこう。いくら妹でもプライバシーはあるもんな。
(早いところ寝ないと、明日がつらいぞ……。
(通学路)
(ヤバイヤバイ、早く行かなきゃ、完全に遅刻だよ……。
四葉
「チェキーっ!
兄チャマ
「わっ!?
「な、なんだ、四葉か。びっくりした……。
四葉
「兄チャマ、グッドモーニン♥ 四葉、またまた兄チャマを見つけちゃった!
兄チャマ
「ええと、四葉。僕ちょっと急いでるんだけど……。
四葉
「そこで兄チャマに問題デス!
兄チャマ
「って、やっぱり話聞いてくれないんだねぇ。
四葉
「さて、四葉はなんのために兄チャマのトコロに来たのでしょーか?
兄チャマ
「なんのためにって……。
四葉
「フフン、いくら兄チャマでもこれはわかるハズないデス。四葉の勝ちは間違いなしネ!
兄チャマ
「ああ、バレンタインのチョコを持ってきてくれたんだね。
四葉
「えええ〜っ! なんでわかったのおっ!?
兄チャマ
「いや、だってチョコ持ってるし。
四葉
「ああ、さすがは兄チャマ! こんなにあっさり四葉のクエスチョンに答えてしまうなんて……!
兄チャマ
「あのね、だから持ってるチョコが見えて。
四葉
「でも、この次はきっと兄チャマをギャフンと言わせちゃう! 四葉のリベンジよ!
「そんなカンジで、シーユーアゲン、兄チャマ!
兄チャマ
「あ、四葉……。
四葉
「兄チャマ、ゴメン! チョコ渡すの忘れてたデス!
「それじゃ兄チャマ、またネ♥
兄チャマ
「……………………。
(相変わらず、にぎやかだなぁ。
(でも、チョコレート持ってきてくれたんだ。うれしいな。
(あ、これにも手紙がついてる……。
四葉の永遠のライバル・兄チャマへ
兄チャマ、チェキよ!
よつば
(……こ、これだけ? 四葉らしいなぁ……。
(チョコレートもなかなかおいしそうだ。あとでゆっくりいただこう。
(……さてと。僕は何をしてるとこだったっけ。
(……………………。
兄チャマ
「ああぁぁーっ!!
(商店街)
(……ふぅ、やっと商店街に着いた。予定がずいぶん狂っちゃったな。
(まあ、かわいい妹のせいで予定が狂うんじゃあ、納得するしかないけどね。
(さて、本屋に向かうか……。
四葉の声
「兄チャマ、チェキよっ!
兄チャマ
「そ、その声は……!
四葉
「兄チャマ、チェキ! 四葉参上よ!
兄チャマ
「やっぱり四葉かぁ。どうしたの? 四葉も買い物かな?
四葉
「違うデス!
兄チャマ
「じゃあ……お散歩かい?
四葉
「それも違うデス!
兄チャマ
「ええと、じゃあなんだろう……?
四葉
「ふふん、四葉がここに来たのは、兄チャマを隠し撮りするためよ!
兄チャマ
「ぼ、僕を?
四葉
「もう、四葉のお気に入りのスパイカメラで、兄チャマのいろんなトコロをぱしゃぱしゃ撮っちゃったのよ♥
「兄チャマ、まいったと言いナサイ!
兄チャマ
「よ、四葉。隠し撮りなら、僕に言っちゃダメなんじゃないかな?
四葉
「チェキっ!?
「………………。
「……や、やるわね兄チャマ。さすが、四葉のチェキ相手デス。
「今回は、ちょっと油断しただけ! 兄チャマのこと、ぜ〜んぶ見逃さずにチェキしちゃうんだから!
「覚悟なさい、兄チャマ♥
兄チャマ
「うん、わかったよ。
四葉
「それじゃあ兄チャマ♥ しーゆーあげん!
兄チャマ
「はい、またね〜。
(ふふふ、面白い子だなぁ。探偵とか、スパイごっこが好きなのかな?
(春歌もそうだけど、海外生活が長いと、どこかヘンなコになっちゃうのかなぁ?
(……まぁ、すごくまともな人もいるから、一概には言えないけどね。
(おっと、また時間を食っちゃった。本屋に行くんだっけ……。
チェキチェキチェキ!
四葉、ただいま参上!
兄チャマ、覚悟するデス!
昼間撮ったピンボケ写真が…じ、じゃなくて。
隠し撮り写真、現像しちゃった♥
とってもキレイにピンボ…じゃなくて、バッチリ撮れてマシタ! えっへん♥
兄チャマ、ビックリした?
やっぱり四葉にはかなわないのよっ♥
えへへ、気分いいデス。
これで写真がちゃんとしてれば……
……な、なんでもないデス。
えへへへ……。
そ、それじゃ明日も、兄チャマをチェキチェキチェキよ!
よつば
≪選択肢≫
・写真、大事にしてね
・四葉はいつも元気だね
・ピンボケなんだろ?
(若草学院)
(……このへんは、休日だと静かだなぁ。あてもなく散歩に来たけど、正解だったかな。
(あれ、あそこを歩いているのは……?
(やっぱり春歌だ。よーし、声かけて……。
「チェキ!
兄チャマ
「……って、えっ?
(ああ、春歌が行っちゃう……! どうなってんだ、いま確かにチェキって……。
「うふふ、兄チャマ♥ チェキチェキチェキよ!
兄チャマ
「よ、四葉かい? どこにいるんだ?
「さあ、ドコでしょー!? 四葉を見つけるのは、とってもディフィカルトよ!
兄チャマ
「う、うーんと……。
兄チャマ
「木の上だ! 出てきなさい、四葉!
「………………。
兄チャマ
「ほら、四葉。いるのはわかってるんだぞ。
「………………。
四葉
「てへへ、見つかっちゃった……♥
兄チャマ
「ふふふ、四葉ったら。ほら、葉っぱがついちゃってるぞ。取ってあげるね。
四葉
「あ、ありがとデス、兄チャマ……♥
→共通パートへ
兄チャマ
「地面の中だな! 出てきなさい、四葉!
「………………。
兄チャマ
「ほら、四葉ったら。そこにいるのはわかってるんだぞ。
「………………。
兄チャマ
「あれ、おかしいな……? もしもし、四葉ちゃーん?
「……うふふ、兄チャマもまだまだデスね! 四葉はここよ!
兄チャマ
「あっ、木の上だったのか……。てっきりマンホールに隠れてるのかと思ったよ。
四葉
「うふふ、最初はその予定だったケド……。
「ニオイがつらくてパスしまシタ!
(堂々と言うことでもないけど……。
→共通パートへ
兄チャマ
「まさか、透明人間になってるの!? 四葉、すごいなぁ!
「え、とうめい……?
「……そ、そうなの! 四葉は透明人間だったのよ!
「兄チャマをビックリさせようと、いままでだまっていたの!
兄チャマ
「へええ、知らなかったよ!
「ねぇ、透明人間の四葉。いまはどのへんにいるの?
「あ、兄チャマの目の前にいるよ♥ ゆっくりまわりを回ってるところ。
兄チャマ
「ふぅん、このへんかなぁ? それともこのへん?
「ノーノー! 兄チャマにはつかまえられマセン♥ だって四葉は透明人間なのデスから!
兄チャマ
「わあ、そうかぁ! すごいすごい、四葉!
「そ、そうカナ? えへへへ、四葉ちょっとテレちゃうナ……♥
(……ふふっ、四葉は面白いなぁ。もちろん僕だって、本当は四葉が木の上にいるのはわかってるけど……。
(……もうちょっと、からかってやるか。
兄チャマ
「……ねぇ、四葉。僕、透明人間に会ったら聞いてみたいことがあったんだ。
「な、なあに、兄チャマ?
兄チャマ
「透明人間ってコトはさぁ、いま四葉はハダカなんだね?
「えっ!!!!
兄チャマ
「だってそうだろ? 服までは透明にできないもの。
「そ、それはその……。
兄チャマ
「四葉もダイタンだなぁ〜。ハダカで街を歩いてるなんてさ!
「………………。
四葉
「………………。
(あれっ、降りて来ちゃった。ちょっとイジメすぎたかな?
四葉
「……兄チャマ、ごめんなさい。ビックリするだろうけど、ほんとうは、四葉……。
「……透明人間じゃなかったの……!
兄チャマ
「ええぇぇぇっっ!!
「……なんて驚かないよ。まったくしょうがないなぁ、四葉は。
四葉
「だって、兄チャマが透明人間なんて言うから、ついその気になっちゃっテ……♥
→共通パートへ
兄チャマ
「……でも四葉、木の上で何をしてたんだい? いまの季節じゃ実もならないし……。
「それにこれ、クスノキだよ。ショウノウでもほしかったの?
四葉
「違うの、兄チャマ♥ 四葉、兄チャマが来るのを待ってたのよ。
兄チャマ
「僕が来るのを?
「……でもどうして、僕がここに来るってわかったの? たまたま通りかかっただけなのに。
四葉
「なんとなく、デス!
兄チャマ
「…………。
(……もし来なかったら、ずっと木の上にいるつもりだったのか……?
四葉
「うふふ、今日も兄チャマ、チェキしちゃった……♥
兄チャマ、チェキチェキ!
四葉、今日も兄チャマをチェキしちゃった♥
兄チャマが知らないトコロでもメニメニチェキだから、カクゴしてね♥
……それでねそれでね、兄チャマ。
四葉兄チャマにお願いがあるの♥
兄チャマは、明日のサンデイはなにしてる?
四葉は、ちょっとおヒマなの。
だから四葉、ニッポンの遊園地をチェキしに行きたいって思っテて……♥
兄チャマ、ご案内してくれない?
四葉、兄チャマといっしょがいいな♥
四葉と行かないと、きっとコウカイするわよっ♥
それじゃあお返事プリーズね♥
(遊園地かぁ……。どうしようかなぁ。
(そういえば、新聞を取ったらおまけにくれたチケットがあったっけ。
(行こうかな、やめようかな……。
≪選択肢≫
・いいよ
・明日は予定があるんだ
≪Scene 1:自宅≫
(朝から疲れたなぁ。とりあえず、のんびりするか……。
(……………………。
(なんてボーっとしてる時間、あんまりないんだよな。約束があるんだった。
≪鞠絵ともデートの約束をしている場合≫
(だけど、よく考えたら昨日のメール、鞠絵にも四葉にも行くって返事しちゃったんだな……。
(どうしよう。どっちかにしか行けないよ。困ったなぁ……。
(四葉の方に行こう。
(鞠絵にはすごく申し訳ないけど……こればっかりは仕方ない。
(失敗しちゃったなぁ。まあ、決めたからには四葉と精一杯楽しむか。
(さ、出かけようっと。
≪Scene 2:遊園地入口≫
(……四葉、もう来てるかな?
四葉
「兄チャマ〜!
兄チャマ
「おはよう、四葉。ゆうべはよく眠れたかい?
四葉
「四葉、けっこう寝つきはいいの♥ いつもベッドに入るとすぐにスリーピングなのよ♥
「だけど、ゆうべだけはなんだか眠れなくって……♥ 兄チャマのせいかなぁ。
兄チャマ
「えっ、なに?
四葉
「な、なんでもないデス。えへっ♥
兄チャマ
「さあ、さっそく行こうか。ちゃんとチケットは用意して…あれっ?
四葉
「どうしたデスカ、兄チャマ?
兄チャマ
「ちょっと待って……。あれ、おかしいな……? 確かここに入れてきたのに……?
四葉
「…………?
兄チャマ
「……ないや。
「ごめんよ、四葉。どこかでチケットを落としたらしい。
四葉
「リアリィ!?
兄チャマ
「うん、残念だけどホントなんだ。確かに入れてきたはずなのに、どこで落としちゃったんだろう……。
四葉
「………………。
(……四葉、沈んでるよ。そりゃそうだよね、楽しみにしてたんだから。
(なんとかしてあげたいけど、まともにチケットを買うほどのお金はもってないもんなぁ……。
四葉
「……うふっ、ヤッパリなのね♥
兄チャマ
「えっ?
四葉
「四葉、ずっと前から不思議だったの。名探偵は難事件にスグにぶつかるのに、なんで四葉のまわりには事件がないのカナって。
「だけど、ついにその時が来たのネ! 兄チャマ、安心して♥ この事件、四葉が解決しちゃうカラ!
兄チャマ
「ホ、ホントに? どこで落としたか、わかるのかい?
四葉
「オフコース、もちろんデス! それじゃあ、マズは……。
兄チャマ
「よ、四葉? そんなに近づいてきて、いったいなにをするつもりだい……?
四葉
「とーぜん、ボディチェックよ! トーダイモトクラシ、って言うでしょ。
兄チャマ
「い、いいよ、四葉がさわらなくても。ポケットは全部探したけど、やっぱり持ってないみたいなんだ。
四葉
「ん〜、おかしいデスねぇ。もしかしたら、はじめから持ってこなかったのカナ?
「うん、きっとそうネ! 兄チャマのお部屋をチェキしないと、事件は解決しないわ!
兄チャマ
「ええっ!? でも、確かに持って出たよ。
「うん、間違いない。家の前で取り出して確認もしたんだから、部屋には絶対ないよ。
四葉
「う〜ん、だめデスかぁ。兄チャマルームをチェキする、いいアイデアだと思ったのに……。
兄チャマ
「なにか言った?
四葉
「な、なんでもないデス。えへへへ、えへ♥
「兄チャマ、こうなったらテッテーテキに探すのよ! 名探偵四葉の推理を見ててちょうだい!
「さあ、さっそく捜査にレッツゴーよ!
兄チャマ
「あ、四葉! そっちは全然逆方向だよ!
四葉の声
「兄チャマ、はやく来るデ〜ス!
(だ、大丈夫かな……?
≪Scene 3:捜査中≫
四葉
「うーむ、これは……。
兄チャマ
「……あのさぁ、四葉。僕、今日こんなところ通ってないよ。
四葉
「兄チャマ、シロート考えよ♥ 推理というモノは、ときどき関係のないコトをしているように見えるものなの♥
兄チャマ
「そんなもんかなぁ。
四葉
「むむっ! 兄チャマ、大発見!
兄チャマ
「チケット見つかった?
四葉
「あんなトコロに、ステキなカフェーがありマス!
兄チャマ
「……関係ないじゃん。
四葉
「ううん、あのカフェーに行けば、きっと手がかりがあるハズよ! チェキしなくっちゃ!
「さあ兄チャマ、はやくいこっ♥
兄チャマ
「う、うん……。
(ホントに、推理してるのかなぁ……?
≪Scene 4:喫茶店内≫
四葉
「トーストとティーにしようカナ、ホットケーキにしようカナ♥ あっ、サンドイッチもいいかも♥
兄チャマ
「あのさぁ、四葉。メニュー見てよろこんでるのはいいんだけど……。
四葉
「なぁに、兄チャマ?
兄チャマ
「かんじんのチケット探しは、どうなったの?
四葉
「あ、すいませぇーん、カルボナーラスパゲッティくださぁい!
(………………。
≪Scene 5:喫茶店前≫
四葉
「う〜ん、おいしかったデス。どうやらココには、手がかりはなかったみたいネ♥
兄チャマ
「あのさあ、四葉。捜査にかこつけなくても、食べさせてあげるから……。
四葉
「ああっ、新しい手がかり! 兄チャマ、あのタコ焼き屋サンからベリベリアヤしいニオイがするわよっ!
兄チャマ
「………………。
兄チャマ
「いいかげんにしなさい。推理とか捜査とか言って、四葉が食べたいだけじゃないか。
四葉
「チェ、チェキっ……?
兄チャマ
「普通にねだるなら、僕だってなんにも気にしないよ。だけど、四葉はずるいよ。
「捜査だから、推理だからって理由をつけてわがまま言うなんて、そんなのダメだ。
四葉
「……ごめんなさい、兄チャマ。
「だけど、四葉ほんとうに推理してたの。もうすぐお昼だから、チケットを拾った人も、お食事をする時間カナって……。
「遊園地のチケットをほしがるのは、たぶん子供か若いヒトだから、値段のタカいお店には行かないだろうし……。
「今日はあっちのハンバーガー屋サンが臨時のお休みだったから、たこ焼き屋サンがアヤしいって思ったダケなの……。
兄チャマ
「………………。
(……多少は考えてたんだな。かわいそうなこと言っちゃった。
兄チャマ
「……わかったよ、四葉。兄チャマが悪かった。
「こうなったら、最後まで四葉の言う通りに付き合うよ。
四葉
「サンキューアリガト、兄チャマ♥ わかってくれてうれしいデス♥
「それじゃあさっそく、おいしいたこ焼きにレッツゴー! ああん、ヨダレ出るデス!
(……結局、それか?
→共通パートへ
兄チャマ
「たこ焼き、好きなの?
四葉
「ノ、ノーノー! ほんとうに推理のためよ!
「けっして、たくさん食べたいナとか、日本に来てヤミツキになっちゃったとか、あのとろけるカンジがたまらないとか……。
「イギリスへのおミヤゲにたこ焼きプレートを買っちゃったとか、そんなコトはぜんぜんカンケーないのよ!
兄チャマ
「………………。
「……食べに行こうか。
四葉
「わーい、やったデース! おじさーん、あっついトコヨロシクー!
(……ははっ、もうこうなったらとことんまで付き合ってやるかな……。
→共通パートへ
兄チャマ
「わかった、とことんつきあうよ。四葉の推理にね。
四葉
「サスガは兄チャマ! そうと決まれば、捜査開始よ!
「おじさーん、あっついトコひとつチョーダイなぁ〜! タコもごっつおっきぃのな♥
(……相当食べてるな、こりゃ……。
→共通パートへ
四葉
「またまたおいしかったデス♥ でも手がかりはなかったみたいネ♥
兄チャマ
「さあ、次はどこだい? チケットが見つかりそうなのは。
四葉
「う〜ん、そうねぇ……。
「ああっ、兄チャマ♥ あの駄菓子屋サンから、アヤしすぎるニオイがします! これはチェキしなくては!
兄チャマ
「よーし、じゃあ調べに行くか!
四葉
「オーケイ、兄チャマ!
≪Scene 6:自宅・玄関≫
(……ふぅ〜、つかれたぁ。やっと帰ってきたよ……。
(よく歩いたなぁ。遊園地から喫茶店、たこ焼き屋、駄菓子屋からソフトクリームのスタンドを廻って……。
(商店街だろ、公園を見ながらデパートと、それから駅も行ったっけな。あそこでカレーを食べたんだ。
(結局、チケットは見つからなかったけど四葉はすごく楽しそうだったし。これでよかったのかも知れないな。
(でも、どこで落としたんだろう。玄関の前で持ってるのを確かめて、それから遊園地に向かって……。
(………………。
(……あっ!!
(あのあと、くつヒモを結び直しにここに戻って、その時下駄箱の上に……!
(あぅぅ、置いたままだった……。
(四葉、ごめん……。
(商店街 / 可憐)
(……日曜の午前中だし、けっこう人が出てるな……。
(ま、何か買いに来たワケじゃないし、適当にぶらつくとしようか。
可憐
「あっ、お兄ちゃん!
兄チャマ
「あれっ、可憐? 偶然だね、こんなところで。
可憐
「ホントに偶然! 可憐、お兄ちゃんに会えたらいいなって考えてたところなの♥
「あのね、お兄ちゃん。可憐、ちょっとだけお願いがあるんだけど……聞いてくれる?
兄チャマ
「ああ、いいよ。なにかな?
可憐
「じつは、お兄ちゃんのお写真がほしいんだけど……ダメ?
兄チャマ
「僕の写真?
可憐
「うん、そうなの♥ 昔のお写真はあるけどね。
「ちっちゃい頃のお兄ちゃんもとってもとってもかわいくってカッコいいけど、やっぱり今のお写真がほしいんだ♥
兄チャマ
「なるほどね……。だったら、僕じゃなくて四葉の方が持ってるかも知れないよ。
可憐
「うん、じつはもう四葉ちゃんにはお願いしたんだけど……。
≪回想:喫茶店前≫
四葉
「なるほど、そういうコトね!
「うん、他ならぬ可憐ちゃんのお頼みだから、兄チャマのフォトグラフ、あげちゃうデス!
「そのかわり、無断転載は厳禁! そんなことしたら一生チェキよっ!
可憐
「……というわけで何枚かもらったんだけど、みんなピンボケなの♥
兄チャマ
「四葉らしいな……。