春歌セリフ集 2/19〜2/25

Index
2/19 Mon 2/20 Tue 2/21 Wed 2/22 Thu 2/23 Fri 2/24 Sat 2/25 Sun 次週

2/19 Mon

放課後

(河原)

(さて、これからどこに行こう……。

兄君さま
「ん、この桜吹雪は……。

春歌
「兄君さま! ご機嫌うるわしゅうございますわ♥

兄君さま
「そ、そうだね。……ところで、今日もお稽古の帰り?

春歌
「はい! 今日は剣道の帰りですの。

兄君さま
「へえ、剣道も習ってるんだ。

春歌
「はい! ワタクシ、とっても筋がいいって先生に誉められましたのよ♥♥

兄君さま
「そ、そうなんだ。

春歌
「あ、あの…・・兄君さま。ひとつお訊ねしてよろしいですか?

兄君さま
「え、何?

春歌
「はい……。兄君さまが一番尊敬されているお方って、どなたですの?

兄君さま
「尊敬……尊敬ねぇ……。うーん、いきなり言われると……。春歌は?

春歌
「はい! ワタクシが尊敬しているお方は……。
「大石内蔵助さまですわ♥

兄君さま
「大石内臓助って……。あの 『忠臣蔵』 の?

春歌
「はい! 史上希にみる忠義の士ですもの。
「あえて汚名を被ることも厭わず、ただひたすら主君の仇を討つために尽くす……。素晴らしいですわ。
「兄君さま……。もし何事かありましてもご安心下さいませ。
「兄君さまのご無念、このワタクシがたとえ七度生まれ変わってでもお晴らしいたしますわ♥

兄君さま
「そ、そう……。ありがとね。ははは……。

春歌
「あ、いけない。ワタクシ、次のお稽古がありますので、これで失礼いたしますわ。
「それでは兄君さま。ごめんあそばせ♥♥♥

(……やれやれ。有り難いような迷惑なような……。ま、悪い気はしないけどなぁ。

▲ Back to Top

2/20 Tue

放課後

(喫茶店)

≪喫茶店前≫

兄君さま
「あ、またいつもの桜吹雪……。ということは……。

春歌
「兄君さま。ご機嫌うるわしゅう存じます♥

兄君さま
「や、やあ、春歌。

春歌
「兄君さま、どちらへお出かけですか?

兄君さま
「うん、ちょっとね……。春歌は?

春歌
「はい、ワタクシはこれからなぎなたの稽古ですわ。
「……あ、そうですわ。もしよろしければ、兄君さま。春歌のなぎなたの稽古、見ていただけませんか?
「その……兄君さまに見ていただければ、ワタクシ、とても練習に張りが出ると思うんですの♥

[うん、もちろんいいよ]

春歌
「本当ですか!? ありがとうございます、兄君さま♥
「それでは参りましょう、兄君さま。

→≪Scene 2≫へ

[また今度にしてくれないかな……]

春歌
「……そうですか。残念ですわ……。
「でも、仕方ないことですわね。兄君さまはお忙しい身の上、春歌の稽古などにお時間をいただこうなどという方が間違っておりました。

兄君さま
「あ、いや……。そんなことは……。

春歌
「いいえ、お気になさらないで下さいまし。兄君さまのお気持ちが第一でございます。
「……春歌はいつまでもお待ちしております。兄君さまのお時間が空く時まで……。

(何か、かわいそうになってきちゃった。ちゃんと言ってあげないと……。

[やっぱり付き合うよ]

春歌
「本当ですか!? ありがとうございます、兄君さま♥
「それでは参りましょう、兄君さま。

→≪Scene 2≫へ

[悪いけど稽古なんて見たくないんだ]

春歌
「……そうですか。……そうですよね。春歌のつたない稽古など御覧になったところで兄君さまのお目汚しになるだけですわ。
「わかりましたわ。ワタクシ、さらに修練を重ねます。ですから兄君さま……。いつかきっと、ワタクシのなぎなた、見て下さいましね。

≪Scene 2:道場≫

春歌
「ここがワタクシの通う道場ですわ。

(うーん、春歌の稽古姿、すごくキリッとしてていつも以上に可愛いなぁ……。

春歌
「……まあ、兄君さま。そんなに見つめないで下さいまし。なんだか恥ずかしいですわ♥

兄君さま
「あはは、ごめんごめん。
(この姿を見られただけでも来た甲斐があったな……。

道場主
「あなた、どちら様ですか?

兄君さま
「あ、僕は……。

春歌
「はい、ワタクシの兄君さまですわ♥ 今日は上達ぶりを見ていただこうと思いまして、お連れしましたの。
「兄君さま。こちら、ワタクシのなぎなたのお師匠さまですの。

道場主
「……ふぅん。なるほどねぇ。この方が春歌さんが命をかけてお護りしたいという噂の『兄君さま』なのね。

春歌
「そう仰られると恥ずかしいのですが……♥
「兄君さまの恩為でしたら、いつでもこの命、投げ出す覚悟ですわ♥

兄君さま
「あは、あははは……。

道場主
「春歌さんにそこまで言わせる方って、いったいどんな御方なのかと思ってましたのよ。
「あなたは幸せな方ですのね。春歌さんはこの道場でも、一、二を争うほどの腕前ですのよ。
「そういう妹さんに尽くされるなんて、幸せな御方ですわね。

春歌
「まあ、お師匠さまったら……。いやですわ……♥

兄君さま
「いやぁ……はははは。

道場主
「……そうだ。せっかくですもの。兄君さま、直接ご自分で春歌さんの腕前をお試しになられてはいかが?

兄君さま
「……へ?

春歌
「そ、そんな……。兄君さまとお手合わせだなんて……。
「ですが、やるとなれば全力で胸をお借りしますわ!

兄君さま
「え? ええっ!?
(手合わせって……ま、まさか!?

春歌
「春歌が一心にお使えする兄君さまですもの。きっと腕前の方も確かなハズ……♥

兄君さま
「お、おい……。

春歌
「……それでは兄君さま。どうかよろしくお願いいたします。

兄君さま
「ちょ、ちょっと待って……。

春歌
「参ります!

(ダメだ、聞こえてない……!

春歌
「てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!

兄君さま
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!

(暗転)

春歌
「兄君さま! 兄君さま……!

兄君さま
「あ……。こ、ここは……?

春歌
「あ、兄君さま……! 気がつかれたのですね!? 良かった……ワタクシ、一時はどうしようかと……。

道場主
「……ほんと、キレイに入ったものね。まさに会心の一撃でしたわ。狙ってもなかなか出せる技ではありませんわよ。

春歌
「そ、それでは……。兄君さま、今のはワザと……!? ええ、そうですわ。そうに決まってますわ!
「でなければ、兄君さまがワタクシごときの太刀を、おめおめと食らうハズなどありませんもの……。
「そう、兄君さまはワタクシの未熟さを見抜かれて、あえて体で技を受けて下さったのですね。……なんてお優しい方……♥

道場主
「そうですわよ、春歌さん。当道場で一、二を争うと言いましても所詮は井の中の蛙。まだまだ修行が足りません。
「兄君さまは、そのことを身をもって教えて下さったのですよ。……そうですわね、兄君さま。

兄君さま
「ええっと……。
(……今さら違うなんて言えないよなぁ……。

春歌
「兄君さま……なんてお優しい御方……。大好きですわ……世界中の誰よりも……♥

▲ Back to Top

2/21 Wed

メール 『春歌の和歌でございます♥』

兄君さま。
冬の名残まだ去りやらぬ折から失礼申し上げます。
唐突ですがワタクシ、兄君さまを想う気持ちを込めて歌を詠みましたの。
どうかお聴きくださいまし。

君がため 惜しからざりし 我が命
花と散らして 実を結ばん

(うーん、これは返事、どうしよう……。

[返事を出さない]

(……やっぱりいいや。面倒だし。

[返事を出す]

(さて……。和歌だから、やっぱり歌で返さないとダメだな。
(うーん……。どうしようか……。
(うーん……。

[散る花の はかなさ惜しむ 春の夜]

兄君さま
「散る花の はかなさ惜しむ 春の夜 君を想いて 愛しさつのる
(うん、なかなかの出来だな。
(さて、寝るとするか……。

兄君さま
「ん、なんだ、こんな時間に……。

春歌
「兄君さま!

兄君さま
「春歌! どうしたの!?

春歌
「兄君さまにいただいた返歌、とっても感動しましたわ。ご丁寧にありがとうございます……♥♥
「ワタクシ、この言葉を伝えたくて……。とても明日まで待ちきれず、いても立ってもいられなくて……。
「ついついこのような時間にお訪ねしてしまった次第ですわ。

兄君さま
「そ、そうなんだ……。

春歌
「本当にワタクシ、嬉しゅうございます……。兄君さま……。生涯かけてお護りいたしますわ♥♥♥

兄君さま
「う、うん……。ありがと……。

春歌
「あ、いけない。ワタクシ、そろそろおいとましなければ……。
「埒外な時間に申し訳ございませんでした、兄君さま。それでは失礼いたしますわ。

兄君さま
「あ、帰っちゃった……。しかし、わざわざあれだけ言いに来るなんて……。行動力があるっていうか考え無しっていうか……。
「でもま、悪い気分じゃないか……。今夜はいい夢、見られそうだ。

[春の花 散りゆくさだめ 惜しくとも]

兄君さま
「春の花 散りゆくさだめ 惜しくとも せめてひととき 満開となり
「うん、こんなもんだろう。

[散らすなら 迷惑かけずに 散ってくれ]

兄君さま
「散らすなら 迷惑かけずに 散ってくれ 僕は関係 したくないから
「うーん、我ながらヒドイ歌だなぁ。……ま、いいか。めんどくさいし。

▲ Back to Top

2/22 Thu

メール 『兄君さまにお弁当を差し上げます♥』

兄君さま。
余寒なおしのぎがたき折、兄君さまにあらせられましてはいかがお過ごしでしょうか?
お風邪など召してはおりませんでしょうか。

春歌が常にお近くについていれば、邪なバイキンなど兄君さまに近づけませんものを……。
修行中の身なれば、せめて遠くから兄君さまの健やかなることを一心にお祈りしております。

実はワタクシ、お料理も習っているのですが、このところ頓に腕を上げまして、
昨日なども先生に誉めていただきましたのよ♥
そこで兄君さま……。
習い覚えたばかりではありますが、春歌のお料理を召し上がっていただけませんか?

明日、お弁当を持って参上したいと思うのですが……ご迷惑でしょうか?
ワタクシの腕前を、兄君さまに披露したいと存じます。
明日の昼休み、楽しみにお待ちくださいね♥

かしこ

≪選択肢≫

・ありがとう、楽しみにしてるよ
・お腹を空かせて待ってるよ
・僕、本当は小食なんだけど……

▲ Back to Top

2/23 Fri

兄君さま
「やっと昼休みだ。お腹空いたな。
「……あ、そういえば、今日は春歌が弁当を作ってきてくれることになってるハズだけど……。
「あ、来た来た。いつものだ。

春歌
「兄君さま! お待たせいたしました♥
「今日はワタクシ、お弁当を兄君さまのために丹誠込めて作りましたのよ。

兄君さま
「うわぁ……すごい豪華だね。

春歌
「はい! ワタクシ、お料理も習ってますのよ。その成果を発揮するためにも、昨日の夕方からずっと徹夜いたしましたの。

兄君さま
「ほんとに!? ……そこまでしてくれたんだ……。

春歌
「いいえ、このくらいのこと。日ごろ兄君さまから賜っている恩義に比べれば……。さ、どうぞ。お召し上がり下さいませ♥

春歌
「はい、どうぞ……兄君さま♥ ワタクシが食べさせて差し上げますわ。

兄君さま
「え……。い、いいよ。そんな……恥ずかしいよ。

春歌
「どうぞ、ご遠慮なさらずに。はい、アーン♥

兄君さま
「は、はい……アーン。もぐもぐ……。

春歌
「どう……ですの? ……お味の方は……?

兄君さま
「……うん、うまいよ。

春歌
「……良かった♥ 春歌の気持ち、全身全霊を込めて作りましたもの。兄君さまに喜んでいただけて本望ですわ♥
「ワタクシ、もうこれで思い残すことはありません♥

(……相変わらずオーバーだなぁ。味はまぁまぁだけど、こうやって食べさせてもらうとなんだか格段に美味しく感じるよ。

春歌
「この煮物、味付けに苦労しましたのよ。……さ、もうひとつどうぞ。アーン♥

兄君さま
「は、はい……アーン。
(うーん、こりゃ全部食べさせてくれるつもりかな……。嬉しいような困ったような……。

春歌
「……こうやって、兄君さまにお食事のお世話をさせていただいていると……。ワタクシ……なんだか……とっても……。
「……婦女子の幸せって、こういうことなんですのね♥

兄君さま
「そ、そう……。

春歌
「……あ、いけない。もうこんな時間ですのね。
「……それでは兄君さま。お名残惜しゅうございますが、春歌はこれで失礼いたしますわ♥
「いずれまた、ご都合のよろしい時に春歌の手料理を召し上がって下さいましね♥♥

(……僕、これでいいのかなぁ……?

放課後

(商店街)

(さて、これからどうしよう……。

兄君さま
「あ、この桜吹雪は……。

春歌
「兄君さま。ご機嫌うるわしゅう存じます♥

兄君さま
「やっぱり春歌か。

春歌
「はい♥ 兄君さまのご警護に参上いたしました♥♥

兄君さま
「あ、ありがと。……でも、お稽古だけでも大変なのに、わざわざ警護なんてしてくれなくても……。

春歌
「いいえ、そんなことはございません。
「愛する御方の盾となり、命をかけてお護りすることこそ婦女子の本懐ですわ。
「……私、兄君さまのためならば、いつでもこの命、捧げますわ。

兄君さま
「そ、そう……。
(うーん、捧げられても迷惑なよーな……。まぁ、悪い気はしないけど……。

春歌
「……ハッ! 殺気!!

兄君さま
「……え?

春歌
「兄君さま! 危のうございます!

兄君さま
「わっ!? 何するんだ、春歌!?

ドライバーの声
「バカヤロー! 道の真ん中で突っ立ってんじゃねぇ!

春歌
「兄君さま、お怪我はございませんか!?

兄君さま
「う、うん……。

春歌
「なんという乱暴狼藉……。あの者、許せません! ワタクシ、成敗して参ります!

兄君さま
「え……? お、おい。ちょっと……。
「……あ、行っちゃった。
(成敗って……?

(自動車が破滅する音)

(……え、まさか今の……!?
(ぼ、僕は知らないよ〜。……ううっ、今日はもう帰ろう……。

メール 『自転車をいただきました♥』

兄君さま。
梅の便りもちらほら聞かれます今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
ワタクシ昨日、ドイツのお祖母様から自転車をいただきました。

兄君さまをお護りするために、迅速なる行動を実現しなさい、との事ですの。
これでワタクシ、いっそう行動範囲が広がりました。
……兄君さまとの間の距離も縮まること間違いございませんわ♥

つきましては兄君さま。明日の午後、遠乗りにご一緒していただけませんか?
……あ、ご心配には及びません。兄君さまの分も、ちゃんと用意しております。
(お祖母様は周到な方ですの♥)

春一番も吹き抜けて、日増しに春の気配の濃くなってくる今日このごろ、
兄君さまとともに、陽だまりの中を走ることができたら……。

ワタクシにとってこれ以上の喜びはありません。
いつものように、河原でお待ちしておりますわね♥

かしこ

≪選択肢≫

・もちろん行くよ。楽しみだね
・体力に自信、ないんだけど……
・明日か……考えとくよ

▲ Back to Top

2/24 Sat

午後

(河原)

≪Scene 1:河原≫

(えーと……。たしか待ち合わせはここだったハズだけど……。

兄君さま
「あ、来た来た。いつものだ。

春歌
「兄君さま! お待たせいたしました♥

兄君さま
「やあ、春歌。

春歌
「兄君さま、今日がお天気でよろしゅうございましたわね。まるで天がワタクシたちを祝福して下さるようですわ♥

兄君さま
「そ、そうだね。ところで今日は自転車で出かけるって聞いたけど……。

春歌
「はい。ぜひ兄君さまとご一緒に、遠乗りにお出かけいたしとう存じますわ。
「ちゃんと兄君さまのもご用意しましたのよ♥

兄君さま
「そ、そう……。ありがとう。
(うーん……すごいレトロなデザインの自転車だ。こんなの今どき売ってないぞ……。どこで手に入れたんだろう?

春歌
「兄君さま……? どうなさいました? ……どこかお加減でも……?

兄君さま
「あ、いや……別に……。そ、それじゃ、行こうか。

春歌
「はい、参りましょう。どこまでもご一緒いたしますわ♥

≪Scene 2:桜並木≫

春歌
「きゃぁ〜〜〜〜っ! きゃぁ〜〜〜〜っ!

兄君さま
「おいおい、大丈夫!?

春歌
「は、はい、兄君さま……。この自転車なる乗り物、乗ってみると案外むずかしく…。

兄君さま
「……春歌、今まで自転車に乗ったことないの?

春歌
「は、はい……。乗馬なら何度も経験ございますが……。馬より難しいですわ……。

(うーん、ふつう逆だと思うけどなぁ……。

春歌
「あ……。なんとなくわかって来ましたわ……。
「うふふ……。風を切って走るって、とってもいい気持ちですわ!

兄君さま
「うん、ほんとだね!

春歌
「兄君様とご一緒に一迅の風となって……。どこまでもこの道が続いていれば良いのに……。

兄君さま
「あはは……そ、そうだね……。
(うーん……せめて、もうちょっとマトモなデザインの自転車だったら……。……けっこうまわりの人たちの視線が痛いぞ。

≪Scene 3:植物園≫

春歌
「ああ、楽しゅうございましたわ〜。ワタクシ、すっかり童心に戻ってはしゃいでしまいました。
「ところで兄君さま。お喉など渇いておりませんこと?

[いや、別に]

兄君さま
「いや、別にそうでもないけど……?

春歌
「そうですか……。ワタクシ、兄君さまにお茶を味わっていただこうと、野点のご用意をして来たのですが……。
「それでは、また別の機会にいたしますわね♥

→≪Scene 4:河原≫へ

[そういえば……]

兄君さま
「そういえば、なんだか喉が渇いたなあ。

春歌
「そうですか! それはようございましたわ。ワタクシ、兄君さまにお茶を味わっていただこうと思い、野点のご用意をしてきましたのよ。

兄君さま
「の、野点……!?

春歌
「はい♥ この緑園の中でいただくお茶の味は、また格別ですのよ。
「兄君さまにも、ぜひこの風流を味わっていただきとうございますわ。

兄君さま
「そ、そう……? それじゃ、せっかくだから……。

春歌
「はい。それではご用意いたしますわ♥

(それから僕たちは春歌のたてた濃茶で風雅な一時を過ごした。
(……ただし、長いこと正座したせいで足が痺れてしまったけど……。

春歌
「あら、兄君さま。もうよろしいんですの?

兄君さま
「う、うん。まぁね……。
(ううっ、足が痺れて……限界だぁ……。

春歌
「では今度はワタクシ、とっておきの芸をお見せいたしますわ。

兄君さま
「……芸?
(舞でも見せてくれるのかなぁ?

春歌
「それでは……。

兄君さま
「な……なんだ、そりゃ!?

春歌
「はい! とっておきの水芸ですわ!

兄君さま
「み、水芸……!?


「なんだなんだ!?


「おい、見ろよ、あの女の子! 体中から水を吹きだしてるぞ。


「おおっ、すごい! まるで噴水だ……!

春歌
「はいっ! いつもより多く吹きだしております! ……どうですか、兄君さま!

兄君さま
「わ、わかった……! わかりました……! もういい、もういいから……!

春歌
「え、もうよろしいのですか?
「……どうですか、春歌のとっておきの芸、楽しんでいただけましたか?

兄君さま
「ま、まぁね……。

春歌
「この芸、ドイツにいたときに覚えたんですけれど、とっても誉められましたのよ♥♥

兄君さま
「そ、そう……。
(いったいどうやって覚えたんだ、あんな芸……。

→≪Scene 4:河原≫へ

≪Scene 4:河原≫

春歌
「本日はとても楽しゅうございましたわ。本当にありがとうございました。……またご一緒いただけます?

[もちろんさ]

兄君さま
「もちろんだよ。

春歌
「……本当ですか……。嬉しいですわ……。兄君さまにそう言っていただけただけで、春歌は本望です……♥
「……兄君さま、今日はワタクシのわがままに快くお付き合いいただき、ありがとうございました。
「春歌は今日のこと、一生忘れませんわ♥

兄君さま
「そ、そう……。

春歌
「はい♥ それでは失礼いたします……。ご機嫌よう、兄君さま♥

兄君さま
「やれやれ、疲れる日だった……。ほんと、春歌と付き合うのは大変だよ。まぁ、けっこう楽しいんだけど……。

[わからないな]

兄君さま
「うーん……。それはちょっと、わからないなぁ。

春歌
「……そうですわよね。申し訳ありません、兄君さま。
「ワタクシったら、兄君さまのご迷惑も考えず、つい浮かれてしまって。
「でも……もしよろしければ、ワタクシのこと、覚えておいていただけると、嬉しゅうございますわ……。
「春歌は今日のことを胸に、さらなる修行に励み、兄君さまのために一層奮励努力する所存にございます。

兄君さま
「そ、そう……。
(春歌、笑ってるけどちょっと寂しそうだな……。

春歌
「……兄君さま、今日はワタクシのわがままに快くお付き合いいただき、ありがとうございました。
「春歌は今日のこと、一生忘れませんわ♥

兄君さま
「そ、そう……。

春歌
「はい♥ それでは失礼いたします……。ご機嫌よう、兄君さま♥

兄君さま
「やれやれ、疲れる日だった……。ほんと、春歌と付き合うのは大変だよ。まぁ、けっこう楽しいんだけど……。

[……もう少し一緒に居ようよ]

兄君さま
「あのさ……良かったら、もう少し一緒に居ようよ。

春歌
「……え!? 本当ですか……。嬉しいですわ……♥♥

兄君さま
「それじゃ、喫茶店にでも寄って行く?

春歌
「はい! 喜んでお付き合いいたしますわ♥

≪Scene 5:喫茶店内≫

春歌
「兄君さまとこうやって差し向かいでお団子をいただけるなんて……。本当に今日はいい一日ですわ♥

兄君さま
「そ、そうだね。
(ま、喫茶店でお団子ってのも、悪くはないか……。
(それより、さっきから周りの人の視線が気になる……。


「見ろよ、あの子。和服だよ。今日、卒業式か何かあったのかな?


「けっこう可愛い子じゃない。


「何かのコスプレだったりしてね。

春歌
「……兄君さま? どうかなさいまして?

兄君さま
「あ……いや……その……。

春歌
「まぁ、これは気づきませんでしたわ。……はい、ワタクシが食べさせて差し上げますわね♥

(あわわ……。ますます注目されちゃうよ……!

(飲み物を倒す音)

兄君さま
「うわっ! あっちっちっ〜!

春歌
「まぁ♥ 兄君さまったら……♥ ワタクシがふいて差し上げますからじっとしていてくださいね。
「やけどは大丈夫でした?

兄君さま
「う、うん……。だ、大丈夫だよ……。
(ううっ、よけいに周りの視線が集まってくるなぁ……。は、恥ずかしい……。

≪Scene 6:河原≫

春歌
「……兄君さま、今日はワタクシのわがままに快くお付き合いいただき、ありがとうございました。
「春歌は今日のこと、一生忘れませんわ♥

兄君さま
「そ、そう……。

春歌
「はい♥ それでは失礼いたします……。ご機嫌よう、兄君さま♥

兄君さま
「やれやれ、疲れる日だった……。ほんと、春歌と付き合うのは大変だよ。まぁ、けっこう楽しいんだけど……。

▲ Back to Top

2/25 Sun

午前中

(河原)

(さて、これからどうしよう……。

兄君さま
「ん、この桜吹雪は……。

春歌
「兄君さま、ご機嫌うるわしゅう存じます♥

兄君さま
「やあ、春歌。どこに行くの?

春歌
「はい、今日は稽古がお休みですので兄君さまのご警護にと参上しました。
「さ、参りましょう。

兄君さま
「え? 参りましょうって……。どこへ?

春歌
「もちろん、兄君さまの向かわれるところですわ。
「ワタクシ、兄君さまのお出になるところでしたら、たとえ地の果て、人跡未踏の異境の地までもお供いたしますわ。

兄君さま
「そ、そう……。
(って、何でそんなところに行くんだ、僕が。

春歌
「兄君さま! 危のうございますわ!

兄君さま
「……へ?

春歌
「兄君さまに仇なす悪しきモノども、このワタクシが成敗いたします!
「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!

兄君さま
「お、おい……。それはタダのノラ犬なんじゃ……。

春歌
「え……?
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!


「わんわんわんわんわん!

兄君さま
「……行っちゃった。何をしてるんだ、あの子は……?

→ 次週

▲ Back to Top