「大江ノ捨丸」(仮)

マオねこ様


 
骨、骨、白い骨
夏だけ開く、骨の城の白き門
骨、骨、白い骨
天国ゆけぬ、兵(つわもの)たちがさまよい、ゆきつく、骨の城

  真っ赤に燃える、朱雀大路
  我が腰ほどの二人の子供、我を見つめるその瞳
  一人は少年、憎しみこもる眼差しで、我(われ)のつかみし刀を見る
  一人は少女、悲しみやどる眼差しで、我が手がつかむ母を見る
  二人の子供の父と母、傍らに捨て、少女に向かいて刃を向ける
  切った瞬間死んだのは、少女と自分の二人とも
  笑う少年、言葉をもらす、「復讐」、ただただその一言を

骨、骨、白い骨
天国ゆけぬ兵(つわもの)たちは、骨を積み上げ、天を目指す
骨、骨、白い骨
その身が、鬼と変わり果てても・・・・・・・・・・

  大江の山に打ち捨てられし、死したる我はその目に見る
  忘れもしないあの者を、笑いに狂気を潜ませて、
  地面を指差し姿を消す、指差す場所をふと見れば、
  小さな小さな水たまり、映る姿は骨鬼となりける我が姿
  時は流れて、今いる場所は骨の城、身体で作りし骨の城
  気配を感じて顔を上げれば、我が殺せし少女がいる
  微笑み浮かべて少女は告げる計画を・・・・・
  そして一言我らに告げる「協力すれば救いを与えてあげましょう」と

骨、骨、白い骨
こうして、兵(つわもの)たちは、人を襲う
骨、骨、白い骨
ただただ救いを得るがため・・・・・・・・


 
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