リオファネス城城内
天冥士マラーク
「…何か、ものすごい力で潰された惨い死体ばかりだった…。
天道士ラファ
「でも、その中にあなたの妹はいなかったんでしょ?
剣士ラムザ
「…ああ、どこにもいなかったよ。
天冥士マラーク
「この城にいたのは間違いないんだ。連れ去られたんだろうな…。
「この城を訪れた神殿騎士は3人…。それ以外は見ていない…。
剣士ラムザ
「ルカヴィに変身した1人は僕が倒した。
「もう1人…、イズルードは死体になっていた…。
「となると、最後の1人が連れ去った…?
天冥士マラーク
「グレバドス教の総本山、ミュロンドへ戻ったんじゃないのか?
「だって、奴らは教皇フューネラルの指示で動いているんだろう?
「だったら、きみの妹を連れ去った神殿騎士はミュロンドへ戻ったはずだ。
剣士ラムザ
「そうかな…?
「教皇が聖石の秘密を知っているとは僕には思えない。
「その証拠に、ウィーグラフは魔人ベリアスと契約を結ぶまで聖石の秘密を知らなかった…。
「それに、イズルードはルカヴィと戦って死んだように思える。
天冥士マラーク
「どういうことだ?
剣士ラムザ
「戦争を影で操り、教会の支配力を強化する……、
「たしかにそれは教皇フューネラルの“野心”だろう。
「だが、聖石を集めているのはゾディアックブレイブの伝説を利用して民衆の心を掴むため…。
天冥士マラーク
「つまり、こういうことか。教皇の“野心”すら誰かが利用している…?
天道士ラファ
「彼の妹を連れ去った神殿騎士は誰?
天冥士マラーク
「たしか、神殿騎士団の団長、ヴォルマルフだったと思う。
剣士ラムザ
「おそらく、そいつが黒幕だ…。
天冥士マラーク
「これからどうするんだ?
剣士ラムザ
「…ゼルテニアにいるディリータに会ってみようと思う。
天冥士マラーク
「グリムス男爵の跡を継いで黒羊騎士団の団長となったあいつか?
剣士ラムザ
「…ディリータを裏側で操っているのは教会と神殿騎士団だろう。
「ディリータはヴォルマルフの正体を知っているのか……?
愛 に す べ て を
CHAPTER4 SOMEBODY TO LOVE
ゼルテニア城
(オルランドゥが佇んでいる部屋にオーランが入ってくる)
占星術士オーラン
「義父上、お帰りなさいませ!
オルランドゥ伯
「うむ…、元気だったか、オーラン。
占星術士オーラン
「はい、私は大丈夫です。
「前線はいかがですか?
オルランドゥ伯
「おまえも知ってのとおり、ひどいものだよ。
「味方が味方の監視をしながらでないと戦えんほどだ。わしの名も地に墜ちたものだな、はっはっはっ。
占星術士オーラン
「ご冗談を…。それを言われるならゴルターナ公でございましょう。
「義父上がいるからこそ、他の将軍たちがここにいるのだと皆、ウワサしております。
オルランドゥ伯
「主君に生涯の忠誠を誓い命を捧げる…それがオルランドゥの家訓だ。
「滅多なことを言うものではない。
占星術士オーラン
「すみません。口が過ぎました。
オルランドゥ伯
「まあ、よい。…それよりも例の件はどうなった?
占星術士オーラン
「機工都市ゴーグで聖石らしきクリスタルが発見されたこと、
「亡くなった枢機卿が五十年戦争末期にゼラモニアの古城で聖石を発見したことは事実でした。
「また、神殿騎士団が暗躍しているようですが、何をしているかまでは不明です。
オルランドゥ伯
「ミュロンドへ放った“草”はどうした?
占星術士オーラン
「残念ながら…。
「できれば、教皇の謀略の証拠を掴み、和平への糸口としたいものなのですが…。
(オルランドゥが懐から聖石を取り出す)
オルランドゥ伯
「やつらはいずれ、これに気付くだろう。
「その時が本当の戦いかもしれぬ…。
南天騎士団警備兵(ナイト・男)
「我らがここを守る限りこれ以上、先へは進ません。
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
神殿騎士メリアドール
「私の名はメリアドール。弟の仇を討たせてもらうわッ!!
剣士ラムザ
「弟の仇だって? 何のことだ?
神殿騎士メリアドール
「シラを切るつもり!
「リオファネス城でおまえが殺したイズルードは私の弟ッ!!
「フューネラル教皇猊下の命令ではなく死んでいった弟のためにあなたを討つッ!!
勝利条件 神殿騎士メリアドールを倒せ!
READY!
【メリアドールHP減少時】
剣士ラムザ
「待ってくれ! イズルードを…彼の命を奪ったのは僕じゃない!
「リオファネス城で何があったか知っているんだろう? あれは人間の業ではない!
「イズルードはヤツに…ルカヴィに殺されたんだッ!!
神殿騎士メリアドール
「ルカヴィですって? ルカヴィが現れて弟を殺したというのッ!?
「ハハハハ、これは傑作だわ! どうせなら、もうちょっとマシな嘘をついたらどうなの!!
剣士ラムザ
「きみもイズルードと同じだ。真実を知らされていない!
「きみたちは皆、悪しき者どもの手の上で踊っている哀れな操り人形であることに気付いていない!
「聖石はただ“信仰”されるためだけのクリスタルではない!! 奇跡を喚ぶ“力”を持っている!
「その“力”は使う側によって違うが、少なくとも奴らは悪しき目的のために利用している!
「目を覚ませ、メリアドール! きみはヴォルマルフにだまされている!!
神殿騎士メリアドール
「そんな話を信じると思うの? ばかばかしい!
「ヴォルマルフは私の父よッ!!
剣士ラムザ
「!!
【メリアドールHP半減時】
神殿騎士メリアドール
「…弟は本気でこの腐りきった畏国を救おうと考えていた!
「たしかに私たちの計画は乱暴かもしれない…。しかし“変革”には“痛み”が必要だ!
「“痛み”なくして真の“変革”などありえないわ!!
「自分の背負った宿命すら全うできないおまえのような“甘ちゃん”にこの世界を変えられるものか!!
剣士ラムザ(次のターン)
「頼む、僕を信じてくれ! 彼の命を奪ったのは僕じゃない!
「戦うべき相手は僕じゃない!! ルカヴィは実在するんだ!
「きみは父親だと信じているその男はもう人間じゃない! ルカヴィに心と身体を奪われた悪魔なんだよ!
神殿騎士メリアドール
「しつこいわよ、ラムザッ!
剣士ラムザ
「どうしたら信じてくれるんだ…!
【メリアドール瀕死・戦闘不能時】
神殿騎士メリアドール
「く…、つ…、強い…! ウィーグラフがやられるわけね…!
「いいこと、おぼえておきなさい! 次に会うときこそ、おまえが死ぬときよ! いいわね!
(メリアドールとその他の敵が消える)
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
剣士ラムザ
「この河…、思ったより深そうだ。移動に気をつけないとヤバそうだ…。
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(教会)
(ラムザがひざまずいて祈りを捧げている。ディリータが入ってきて、隣にひざまずく)
騎士ディリータ
「…“異端者”と呼ばれる人間が教会に来るとはな。いい度胸だ。
剣士ラムザ
「そうさ、僕には時間がない…。単刀直入に聞くよ、ディリータ。
「きみをゴルターナ軍に送り込んだ教皇の狙いは何なんだ?
騎士ディリータ
「…それを聞くために、危険を冒してゼルテニアに来たのか。
「…いいだろう、教えてやる。
「オレの任務はゴルターナ公とオルランドゥ伯の暗殺だ…。
剣士ラムザ
「なんだって…!!
騎士ディリータ
「大きな声を出すな…。
「本当の計画はこうだ…。
「王家や貴族に対して不満を抱いているやつら…、例えばあの骸旅団のような輩を煽り各地で反乱を起こさせる。
「戦争に疲れた民衆は、ますます悪化する国政に対して不満を抱くことになるだろう。
「どちらの陣営も互いの所領地で起きた反乱を粛正したいが、そのために兵を割くことはできない。
「すると、どうなるか? この膠着状態を打破するために決着をつけようとするだろう。
剣士ラムザ
「最近、各地で頻発している反乱もすべて教皇の企みなのか…。
「しかも、決着をつけようと、両軍がベスラ要塞に集結しつつある。
「まさに、きみたちの計画どおりというわけか…。
騎士ディリータ
「ああ。…だが、決着はつけさせない。なぜなら…、
「その戦いの最中、ゴルターナ公とラーグ公は何者かに暗殺されることになるからだ。
騎士ディリータ
「もちろん、その周囲にいる要人たちも同時に暗殺される…。
「南天騎士団のオルランドゥ伯、北天騎士団の聖将軍ザルバッグ、そして、ダイスダーグ卿…。
「指導者を失った両陣営は戦いをやめ和平への道を歩まざるをえなくなる…。
剣士ラムザ
「そこで、教会が両陣営の“仲介者”となるわけか…。
騎士ディリータ
「民衆は諸手を挙げてその仲介を歓迎するだろう。
「しかも、伝説のゾディアックブレイブ付きだ。
剣士ラムザ
「しかし、聖石は……。
騎士ディリータ
「今の教会にとって、一番の障害はラムザ、おまえなのさ。
剣士ラムザ
「きみだって、僕の持つ聖石を狙っているんじゃないのか…?
騎士ディリータ
「オレは教会の犬じゃない。オレはオレの意志で動いている。
剣士ラムザ
「どういうことだ?
騎士ディリータ
「必要なときは、遠慮なくおまえを殺すってことさ。
騎士ディリータ
「だが、安心しろ。方法は違っても目指しているものは一緒だ。
「目指す方向が一致している限りおまえはオレの敵じゃない…。
剣士ラムザ
「…僕と一緒に行こう。
騎士ディリータ
「…すまない、それはできない。彼女にはこのオレが必要だ。
剣士ラムザ
「彼女?
騎士ディリータ
「扱いやすい方が残れば、王子だろうが王女だろうがどちらでもいいんだ。
「教会は、どちらか一方を王位に据え影から操る…、傀儡(かいらい)政権の誕生、それが教皇の真の狙いだ。
剣士ラムザ
「きみは自分の野心のためにオヴェリア様を利用しているのか?
騎士ディリータ
「…さあ、オレにもよくわからん。ただ…、
剣士ラムザ
「ただ?
騎士ディリータ
「彼女のためならこの命…、失っても惜しくない…。
剣士ラムザ
「ディリータ…。
騎士ディリータ
「おかしいか…?
剣士ラムザ
「いや、その言葉を信じるよ。
(外で閃光と物音が起きる)
聞き覚えのある声
「異端者ラムザに告げる!
「この教会は完全に包囲した! おとなしく出てこい!!
剣士ラムザ
「…この声、ザルモゥか!!
(ラムザとディリータが出ていく)
異端審問官ザルモゥ
「貴公は黒羊騎士団のハイラル! 何故、貴公がここに!?
騎士ディリータ
「…姿を見られたからには生かして帰すわけにはいかないな!
「やるぞ、ラムザッ!
剣士ラムザ
「彼らは教皇の謀略など知らされずにその片棒を担がされているだけだ!
「理由をきちんと説明すればわかってくれるかも…。
騎士ディリータ
「…まだ、そんな甘いことを言っているのか?
「…まぁ、がんばってみるんだな!
勝利条件 異端審問官ザルモゥを倒せ!
READY!
【ザルモゥHP減少時】
異端審問官ザルモゥ
「自分のしていることを わかっているのか?
「奴は第一級の異端犯罪者なのだぞ! 異端者を助けた者もまたその罪を問われることになる!
「黒羊騎士団の団長ともあろう者が我ら異端審問会に逆らおうというのか!?
騎士ディリータ
「わかっている! だから、貴様たちを皆殺しにしようとしているんだよ!
異端審問官ザルモゥ
「なんと!! 神をも畏れぬ不届き者めッ!!
「その行為はこの世の秩序を乱し、神の創りたもうた自然の摂理に逆らうことを意味しているのだぞ!
「貴様は神に逆らおうというのか!!
騎士ディリータ
「何が“秩序を乱す”だッ!
「貴様の言っている“秩序”など貴様たちのとって都合の良い“秩序”でしかないッ!!
「人心を操るために“神”の名を利用し作り出した“秩序”など笑止千万!
「人々の弱い心につけ込む貴様たちに“神”を語る資格などあるものかッ!
剣士ラムザ(次のターン)
「この際、“神”の話はどうでもいい! それよりも“真実”を見て欲しい!
異端審問官ザルモゥ
「“真実”だと? 冤罪(えんざい)とでも言うのか?
「我々異端審問会は、貴様に枢機卿殺害と聖石強奪の容疑について釈明の機会を与えようとした!
「だが、その機会を棄てたのは貴様だ! 逃げた行為そのものが貴様の容疑を確かなものとしている!
「我々は異端審問会において異端者ラムザ・ベオルブを有罪と認め処刑の判決を下した!
「今さら何を言っても遅いわッ!!
剣士ラムザ
「く……、戦うしかないのか!!
【ザルモゥ死亡時】
異端審問官ザルモゥ
「……神よ、…罪深き者どもに天罰を……与えたまえ……
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
騎士ディリータ
「これからどうするんだ、ラムザ?
剣士ラムザ
「ゼルテニアに来た理由は二つある。一つはきみに会うため。
「もうひとつはオルランドゥ伯に会うためだ。
騎士ディリータ
「雷神シドに?
剣士ラムザ
「教会の陰謀を暴くために協力を要請するつもりだ。
騎士ディリータ
「どうやって?
剣士ラムザ
「僕には教会の不正を暴くことができる強い“証拠”があるんだ。
騎士ディリータ
「そうか、『ゲルモニーク聖典』か!
剣士ラムザ
「以前、伯の義理の息子にあたるオーランに会ったとき、
「彼は、証拠さえあれば、教皇の陰謀を阻止するために戦ってくれると約束してくれた。
騎士ディリータ
「…オーランか。
(魔道士らしき女性が現れる)
騎士ディリータ
「大丈夫。彼女はオレの仲間だ。
「オレを補佐するためにミュロンドから送り込まれた人間が数人いるんだ。彼女はその一人だ。
魔道士らしき女性(バルマウフラ)
「補佐…? あなたを監視するためよ。
騎士ディリータ
「おいおい、頼むぜ。
「彼女だけはすべてを知っている。ゴルターナ軍の中で唯一信用できる仲間なんだ。
魔道士らしき女性
「あなたがベオルブ家の末弟、ラムザね。
「私の名はバルマウフラ。よろしく。
騎士ディリータ
「ところで、何の用だ?
魔道士バルマウフラ
「北天騎士団が動き出したわ。
騎士ディリータ
「目的地はベスラ要塞か?
魔道士バルマウフラ(うなずいて)
「さっき、オルランドゥ伯がベスラへ向けて出発したわ。
「ゴルターナ公もベスラ要塞へ向かわれるそうよ。…あなたの黒羊騎士団と一緒にね。
騎士ディリータ
「一足遅かったようだな…。両軍の戦いは終わらない…。
剣士ラムザ
「いや、まだあきらめない。
「無駄な血が流される前に伯を説得してみせる。
騎士ディリータ
「…ここでお別れだな。ラムザ。
剣士ラムザ
「死ぬなよ、ディリータ。
騎士ディリータ
「そっちこそ…。
(ラムザとディリータが握手する。ラムザが去る)
魔道士バルマウフラ
「行かせていいの?
騎士ディリータ
「…あいつの行動も計算のうちだ。
魔道士バルマウフラ
「親友ですら利用するのね、あなたは。
騎士ディリータ
「うるさいッ!! おまえに何がわかるッ!!
(バルマウフラは両手を広げて横を向く)
魔道士バルマウフラ
「男のヒステリーはみっともないわよ。
騎士ディリータ
「さっさと行けッ!!
(ディリータを残してバルマウフラが去る)
神殿騎士バルク
「…全部、バラまいたな。
「うむ、なかなかいい風だ。これなら半日は滞空しているだろう。十分だ。
(ラムザたちが現れる)
神殿騎士バルク
「…おやおや、こんなところで貴様に出会うとはな。
剣士ラムザ
「神殿騎士団がこんなところで何をしているんだ?
「バラまいた…って言っていたな。いったい何をバラまいたんだ!?
神殿騎士バルク
「知りたいか…?
「まあ、いいだろう、教えてやる。今さら知ったところで貴様には何もできないからな。
剣士ラムザ
「言えッ! 何をバラまいたっていうんだッ!!
神殿騎士バルク
「これさ…!
(バルクが何かを放ると、それが爆発してラムザたちが全員毒に冒される)
剣士ラムザ
「…毒かッ!!
神殿騎士バルク
「そうさ。粉末状の毒を北天騎士団の陣地に風に乗せて散布したのさ。
「吸引した兵たちは、死にこそしないが体調を崩して、まともに戦えなくなるだろう!
剣士ラムザ
「ゴルターナ公を勝たせるのが教皇の意志ではないはず!
神殿騎士バルク
「そのとおりだ。
「北天騎士団がまともに戦えなくなるとすれば、南天騎士団はせん滅のためにほとんどの兵を要塞から出すはず。
「その隙に、ゴルターナ公とオルランドゥ伯を暗殺するのさ。
「もちろん、混乱に乗じてラーグ公を討つ手筈も整っている。
「毒による混乱のおかげでラーグ公を暗殺する方が簡単だろうな。
剣士ラムザ
「なんてことを…!!
神殿騎士バルク
「喜んだらどうだ? 戦争は終わるんだぜ!
「これからは、オレたちが権力の中枢に立つんだ! …民衆もそれを望んでいるぜ!
「貴様のような貴族どもに支配される王国なんぞ、もうご免だってな…。
剣士ラムザ
「そんなことはさせない! 僕が別の方法で戦いを止めてみせる!
神殿騎士バルク
「そう言うと思ったぜ!
勝利条件 神殿騎士バルクを倒せ!
READY!
【バルクHP減少時】
神殿騎士バルク
「貴様はこの戦いをやめさせた後、どうするつもりなんだ?
「この腐ったイヴァリースをどうやって浄化するつもりなんだ?
「貴様だってわかっているはずだ。腐った部分を切り捨てない限り、同じことの繰り返しだってな。
剣士ラムザ
「切り捨てることが 唯一の解決策だというのか!
「皆が皆、腐っているわけじゃない! そうじゃない人だってたくさんいるんだ!
「争いを起こさなくたってどこかに解決策があるはずだ!
神殿騎士バルク
「解決策なんぞあるものか!
「貴様たち貴族がいる限り、オレたちは“搾取される側”でいなけりゃならない!
「だがな、人間が二人いたら“対等”なんて関係はないんだ! 片方は“搾取される側”なんだよ。
「だったら、オレは“搾取する側”にまわってやる! 貴様たちをけ落としてなッ!
「そのくらいの“権利”はオレにだってあるだろ?
剣士ラムザ
「それこそ、同じことの繰り返しじゃないかッ!
「自分さえよければいいのか? いつか、同じような考えの人間に滅ぼされることになるぞ!
神殿騎士バルク
「きれいごとばかり言いやがって、この偽善者めッ!!
【バルク死亡時】
神殿騎士バルク
「くそッ! オレは…こんなところで…死ぬ男じゃ…ないはず…だ……
(バルクが死ぬ)
剣士ラムザ
「急がなければ……。
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(ベスラ要塞)
オルランドゥ伯
「どういうことだ? 謀反の容疑だと?
南天騎士団騎士(ナイト・男)
「…お願いいたします。おとなしく命令に従ってください。
オルランドゥ伯
「ばかな。何故、この私が謀反などを起こさねばならんのだ!?
(ゴルターナ公が入ってくる)
ゴルターナ公
「…残念だよ、シド。貴公が謀反を企てるとはな…。
オルランドゥ伯
「本気でおっしゃっておいでか? …謀反など考えたこともありませぬ。
ゴルターナ公
「証拠があるのだよ。
「貴公が密かに教会と接触して、私を失脚させようと働きかけているそうじゃないか。
オルランドゥ伯
「ばかな!! いったい誰がそんな嘘を!!
ゴルターナ公
「まだ、シラを切るのかね。
「貴公の裏切りをお嘆きになった教皇猊下がわざわざ知らせをくださったのだ。
オルランドゥ伯
「閣下! それは教皇の陰謀ですぞ!
ゴルターナ公
「陰謀だと? …なんと畏れ多いことを。
「それこそ、証拠でもあるのか?
オルランドゥ伯
「閣下にお仕えしてニ十数年…。その私を信用していただけないとは。
ゴルターナ公
「…たしかに、わしは貴公の騎士団がなければ戦争もできん。
「本当に残念だよ、シド…。
「連れて行けッ!!
(騎士たちがオルランドゥを連れて出ていく。入れ替わりにディリータとバルマウフラが入室してくる)
騎士ディリータ
「閣下、お呼びでございますか。
ゴルターナ公
「引き続き、ミュロンドとの連絡を取り合うようにしてくれ。
「教皇の詔勅(しょうちょく)さえ手に入れば、ラーグを失脚させることなど赤子の手をひねるようなもの…。
騎士ディリータ
「教皇猊下のご意志はすでに決まっておいでです。ご安心を。
ゴルターナ公
「うむ、大儀であった。
「それと、南天騎士団の指揮権を貴公に与えようと思う。今日から貴公は聖騎士だ。
騎士ディリータ
「ありがたき幸せ!
ゴルターナ公
「うむ、頼んだぞ、ディリータ。貴公だけが頼りだ。
騎士ディリータ
「お任せください。
南天騎士団騎士(ナイト・男)
「貴様たちは何者だ? どこから侵入したんだ?
剣士ラムザ
「僕らは北天騎士団じゃない! オルランドゥ伯に会いに来たんだ!
「オルランドゥ伯に会わせてくれ!
南天騎士団騎士
「オルランドゥ伯に会いに来ただと?
「そうか、貴様たちが ゴルターナ公閣下を暗殺するために雇われた奴らだな。
「ばかめッ! オルランドゥ伯ならすでに捕らえて牢獄の中だ!
「だが、心配するな! すぐに貴様たちと会わせてやるさ! 牢獄の中でなッ!!
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
【戦闘終了後】
剣士ラムザ
「両軍が激突する前になんとかしなければ…!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
南天騎士団騎士(弓使い・男)
「北天騎士団ともあろう者が正面から攻めてくるとはな!
「よし、一気に奴らをせん滅するぞ! かかれッ!!
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
【戦闘終了後】
剣士ラムザ
「両軍が激突する前になんとかしなければ…!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(北天騎士団の陣地。そこら中で兵士たちが倒れている)
ザルバッグの声
「これはいったいどうしたことだッ!?
(ザルバッグがやってくる)
聖将軍ザルバッグ
「大丈夫か! しっかりするんだッ!!
北天騎士団騎士(ナイト・女)
「だ…大丈夫です………頭が痛い……だけ……です。
(女騎士が倒れる)
聖将軍ザルバッグ
「おいッ、しっかりしろッ!
(毒で弱っているダイスダーグがやって来る)
ダイスダーグ卿
「モスフングスの胞子から抽出した毒を空気中に散布したのだ…。
聖将軍ザルバッグ
「兄上ッ!
ダイスダーグ卿
「心配するな、私は大丈夫だ…。それより閣下はどこだ…?
聖将軍ザルバッグ
「先程から捜しているのですが…。
ラーグの声
「…ここだ、ザルバッグ……ダイスダーグ……。
(ザルバッグとダイスダーグが声のした方に駆け寄る)
聖将軍ザルバッグ
「閣下、大丈夫ですか!!
聖将軍ザルバッグ
「誰かッ! 薬師を呼べッ!!
ダイスダーグ卿
「…ご気分はいかがですか?
ラーグ公
「…頭が割れそうだ。胸がムカムカする……。
「だが、大丈夫だ……。しばらくすれば…、気分もよくなるだろう……。
ダイスダーグ卿
「…それでは困るのですよ。
ラーグ公
「…なに?
(ダイスダーグが短剣を手に取り、ラーグ公を刺す)
ラーグ公
「うがぁッ!! ……な、…なんのマネだ??
聖将軍ザルバッグ
「兄上ッ!!
(ダイスダーグが短剣をさらに突き込む)
ダイスダーグ卿
「騒ぐな、ザルバッグ!
ラーグ公
「き…貴様……、裏切るつもりか……?
「バルバネスを殺したのは……ベオルブ家の……家督を……継ぐ…ためだけでなく……
「こ…この私を………
(ダイスダーグが短剣を引き抜く。ラーグ公が絶命する)
聖将軍ザルバッグ
「兄上……、まさか、この『毒』も兄上が……?
ダイスダーグ卿
「はぁ…はぁ……。
「……私ではない。ベオルブ家が表舞台に立つことを望む協力者たちの仕業だ……。
聖将軍ザルバッグ
「なぜ、このような事を…!
ダイスダーグ卿
「ラーグ公は戦死された…。その遺志を我々ベオルブが継ぐのだ…。
聖将軍ザルバッグ
「しかし…、このような謀略が…。
ダイスダーグ卿
「いいから、この短剣をその辺りに転がっている奴に握らせろ…。
「そいつが、南天騎士団の放った刺客なのだ…。い…いいな……?
(ダイスダーグが倒れる)
聖将軍ザルバッグ
「兄上ッ!!
剣士ラムザ
「…そうか、この水門だ!
「この水門を開けて、湖の水を下流に放出すれば、水浸しになって戦いどころじゃなくなるぞ!
勝利条件 ベスラ要塞の水門を開け!
READY!
剣士ラムザ
「水門を開けるにはどうすれば?
「…そうか、あの水門の両端にあるレバーを引けばいいんだ!
「レバーは2ヵ所あるようだけど、まずは敵にやられないように近づかなきゃ……。
(レバー付近到着時)
剣士ラムザ
「…よし、これを引っ張ればいいんだな。
(ラムザがレバーを引くが、何も起きない)
剣士ラムザ
「もう一方のレバーも引かなけりゃダメか…!
(2本目のレバー付近到着時)
剣士ラムザ
「…これを引っ張れば終わりだ!
(レバーを引くと水門が開き、激流がすべてを押し流す)
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(ベスラ要塞穀物倉)
占星術士オーラン(声)
「義父上!!
(オーラン、ラムザ、バルマウフラが入ってくる)
占星術士オーラン
「義父上、ご無事でしたかッ!!
オルランドゥ伯
「私なら大丈夫。このとおり無事だ。
オルランドゥ伯
「きみがラムザだな? 大きくなったな。一目でわかったよ。
剣士ラムザ
「私をご存じなのですか?
オルランドゥ伯
「もちろんだとも。覚えていないのも無理はない。
「会ったのは、…そう、きみがまだ3〜4歳ぐらいだったかな。
「私の剣を持とうとして危うく怪我をしそうになったんだ。バルバネスに叱られてわんわん泣いていたっけ。
「ハッハッハッ…。
オルランドゥ伯
「よく来てくれた。感謝する。
「…二人とも面を上げてくれ。
占星術士オーラン
「両軍共にわずかな犠牲を出しただけで戦闘は終結いたしました。
「それも皆、ラムザの機転のおかげです。全面衝突を避けることができたのです。
オルランドゥ伯
「そうか…。バルバネスはよい息子を持ったな。
「皆を代表して礼を言わせてもらおう。ありがとう、ラムザ。
剣士ラムザ
「そんな…、当たり前のことをしただけです。
オルランドゥ伯
「バルバネスの精神を継いだとみえる。あいつもあの世で喜んでいよう…。
魔道士バルマウフラ
「僭越ながら申し上げます。
「ゴルターナ公は将軍閣下を明朝に処刑するつもりです。どうか一刻も早くお逃げください。
占星術士オーラン
「義父上、バルマウフラ殿の言われるとおりです。
「ここはひとまず…。
オルランドゥ伯
「わかっておる…。ゴルターナ公がああでは私はここにいられない。
「我が息子、オーランよ、この戦いはもうすぐ終わる。私は彼に付いていこうと思う。
「教皇の謀略をなんとしても阻止せねばならない…。
占星術士オーラン
「義父上、私も一緒に!!
オルランドゥ伯
「ならぬ。おまえはゼルテニアへ戻りオヴェリア様をお守りするのだ。
「オヴェリア様こそ、この畏国の王位を継がれる正統の後継者…。
「オヴェリア様をお守りすることがおまえの役目なのだ。よいな?
占星術士オーラン
「…承知いたしました。
オルランドゥ伯
「よいかな、ラムザ?
剣士ラムザ
「もちろんです。
オルランドゥ伯
「では、他の者に見つかる前にこの要塞を出るとしよう。
(ベスラ要塞)
ゴルターナ公
「なんということだ! いったい誰が水門を開けたのだ…!
(ディリータが入ってくる)
聖騎士ディリータ
「閣下! お呼びでございますか。
ゴルターナ公
「うむ、至急、兵を集め北天騎士団を攻めるのだ!
聖騎士ディリータ
「水門から溢れた水によって、戦いはおろか、移動すらままなりません。
ゴルターナ公
「それはお互い様だ。だからこそ、勝機がある!
「攻めてこないと考えている今がチャンスなのだ! 今を逃したらまたもや決着が延びることになる…。
聖騎士ディリータ
「…それは困る。
ゴルターナ公
「なんだとッ!?
(突然、ディリータがゴルターナ公を刺す)
ゴルターナ公
「うぐぐ…、き、貴様…!
聖騎士ディリータ
「誰もあんたが王になることなんぞ願っちゃいないんだよ…!!
(ディリータが剣を抜く。ゴルターナ公が倒れ伏す)
聖騎士ディリータ
「入ってこい!
(バルマウフラとオルランドゥの格好をした者が入ってくる)
聖騎士ディリータ
「わかっているな。おまえの死はけっして無駄にはしない。
シドに化けたグレバドス教信者
「はい、すべては聖アジョラのお導きのままに…。
(ディリータがそれを刺し殺す)
魔道士バルマウフラ
「本物のシドはラムザと一緒に城外へ逃れたわ。
聖騎士ディリータ
「よし、あとはラムザがうまくやってくれることを祈ろう。
指導者を失った両陣営に対し
教皇フューネラルは調停を提案したが、
両軍は未だに十分な戦力を
保持していたため、
その提案を断った…。
僕はアルマの行方を追って
ランベリーを目指した…。
(ラムザが歩いてくる。すると一人の女性が話しかけてくる)
花売り(エアリス)
「ね、お花はいらない? たったの1ギルよ。
剣士ラムザ
「え…、花かい?
花売り
「どうかしたの? 花を見たことがないなんていわないでしょ?
剣士ラムザ
「も、もちろんさ。
花売り
「買ってくれるわよね?
1.ごめん、いらないや。
剣士ラムザ
「ごめん、いらないや。
花売り
「そう…、しかたないわね。
(花売りが歩き去る)
剣士ラムザ
「悪いことをしたかな…。
(ラムザも立ち去る)
2.いいよ、もらおうか。
剣士ラムザ
「いいよ、もらおうか。
花売り
「え、ホント! 嬉しいわ。
(花売りが花を渡す)
花売り
「…こんなところでしょう。
「花を買ってくれる人なんて少ないのよね。
「あ〜あ、どこかに私をここから救ってくれる素敵な男の人はいないのかしら…。
花売り
「あら、ごめんなさい。あなたに言っても仕方ないわよね。
「お花を買ってくれてホントにありがとう。じゃあね。
(花売りが歩き去る)
剣士ラムザ
「…こんなご時世だもんな。
(ラムザも立ち去る)
山賊・爆裂団の頭目(忍者・男)
「ここを通りたいンなら、有り金を全部置いていきな。
「おっと、剣から手を離すンだ。でないと命まで失うことになるぞ!
山賊・爆裂団の一人(シーフ・男)
「かしらッ! そいつは“異端者”ですぜッ!
「しかも、えらく高額なギルのかけられた賞金首だッ!
「有り金を巻き上げるよりも殺して、首だけ異端審問会に持っていった方がいいんじゃないですかッ!
山賊・爆裂団の頭目
「そういや、手配書で見たツラだな。
「オレたちが賞金稼ぎみてぇなマネをするのも気がひけるが、ギルのためだ、やっちまえッ!!
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
ポエスカス湖の亡霊(陰陽士・男)
『我々の眠りを妨げるのは誰だ…?
『……!! 貴様は聖石を持っているのか…?
『ならば、その聖石をよこせ…! それがあれば、我らはもっと高い次元に行けるのだ…!!
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(成都イグーロス ベオルブ邸)
神殿騎士ローファル
「…なるほど、我々の調停に応じる気はないというのですな。
ダイスダーグ卿
「さよう、我々は閣下の悲願であった畏国王の統一…
「すなわち、奴らにオリナス王子を真の畏国王として認めさせるまで、我々は戦いをやめるつもりはない。
「ベオルブの名がこの地にある限り、貴公らの好きにはさせぬ…。
神殿騎士ローファル
「誰のおかげでラーグ公を暗殺できたとお思いか?
ダイスダーグ卿
「これは異なことを…。
「ラーグ公暗殺は南天騎士団が送り込んだ刺客の手によるはず…。
「それとも、刺客を送り込んだのは貴公らだとでも言うのかな…?
神殿騎士ローファル
「…あくまでも我々に協力しないというわけですか…。
ダイスダーグ卿
「我々が本気になれば神殿騎士団など簡単に潰せるのだ。
「それを忘れて欲しくないものだな…。
神殿騎士ローファル
「我々…、ですか。
「…ところで、ベスラで北天騎士団の陣地を襲った『毒』がなんであったか覚えていますか?
ダイスダーグ卿
「…モスフングスの胞子から抽出した毒素だったと思うが…。
神殿騎士ローファル
「そのとおり。この毒は大量に飲まない限り、命を失うことはありません。
「しかし、微量といえども長期間に渡って服用を続けると中毒死することがある…。
ダイスダーグ卿
「…………。
神殿騎士ローファル
「中毒死といっても風邪に似たような症状を起こすだけのため、
「本人の自覚症状は極めて薄く、気付いたときには手遅れになっている場合がほとんどです…。
ダイスダーグ卿
「…………。
神殿騎士ローファル
「確か、亡きお父上は風邪をこじらせてお亡くなりになったそうですな。
ダイスダーグ卿
「何が言いたい…?
神殿騎士ローファル
「ダイスダーグ卿は『毒』についても詳しい知識をお持ちと聞きます…。
ダイスダーグ卿
「…だから、何が言いたいのだ。
神殿騎士ローファル
「モスフングスの毒に侵された死体を埋葬すると、
「モスフングスそのものが生えてくるそうですね。ご存じでしたかな?
ダイスダーグ卿
「…………。
神殿騎士ローファル
「…つまらぬ話でしたな。
「そうそう、教皇猊下よりお預かりしたものがあります…。
(ローファルが聖石を取り出しテーブルに置く)
ダイスダーグ卿
「これは…?
神殿騎士ローファル
「ミュロンドに伝わる聖なるクリスタルゾディアックストーンです。
「信頼の証として、教皇猊下よりお預かり致しました。どうかお納めください。
(わずかに開いた扉の陰で、ザルバッグがこの会話を立ち聞きしている)
剣士ラムザ
「人の気配がしない。無人の廃虚というのは本当なのか?
「入口が開いているぞ…。
(ラムザが入口に近づく)
剣士ラムザ
「……嫌な雰囲気がする。
「この気配は……、そうだ、キュクレインやベリアスと対峙したときのあれだ……。
若い女性の声
「ようこそ、ランベリー城へ。
(セリアが現れる)
セリア
「待っていたわよ、坊や。
若い女性の声
「私たちが手厚い歓迎をしてあげるわ。
(レディが現れる)
レディ
「熱いベーゼで殺してあげるから逃げちゃイヤよ。
(モンスターたちが配置につく)
剣士ラムザ
「くそッ! やっぱり罠かッ!!
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
【セリア・レディ瀕死・戦闘不能時】
セリア
「妹を返して欲しいなら、勇気を出して中へ進みなさい!
(セリアが姿を消す)
レディ
「中で待ってるわ。早く来てね!
(レディが姿を消す)
剣士ラムザ
「アルマッ!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(ランベリー城執務室)
エルムドア侯爵
「…ベリアスもキュクレインも逝ってしまった。
「これで生き残っているのは我々だけ。あとは、“狭間”に囚われているアドラメレクぐらいか…。
神殿騎士ヴォルマルフ
「アドラメレクのことなら心配するな。
「すぐに“こっち”へ喚ばれることになるだろう…。
エルムドア侯爵
「相応しい“肉体”が見つかったのか?
神殿騎士ヴォルマルフ
「ああ。 聖石があの男を選んだのだ。
「かつて“彼ら”が“我々”を喚んだのと同じように、“肉体”を選ぶのは聖石自身だからな。
エルムドア侯爵
「…そうか。
「あとは、あの“究極の力”を持つ“血塗られた聖天使”を復活させるだけだ…。
「そうすれば、聖石の力を借りなくとも…いや、相応しい“肉体”がなくとも自由に行き来できるようになる…。
「“聖天使”に相応しい“肉体”を見つけたのか? …よもや、あの娘ではあるまいな?
神殿騎士ヴォルマルフ
「“聖天使”に相応しい“肉体”はひとつだけ…。
「おそらくあの娘に間違いないだろう。あとは、“聖天使”の魂が漂う“死都への入口”を見つけるだけ。
(セリアが姿を現す)
セリア
「奴が参りました。
(レディが姿を現す)
レディ
「城内へおびき寄せましたがいかがなさいますか?
エルムドア侯爵
「待っていたぞ、ラムザめ。
「リオファネスでの借りを返させてもらおうか…。
神殿騎士ヴォルマルフ
「あなどるなよ。ヤツは強い。あのベリアスでさえやられたのだ。
エルムドア侯爵
「私のことは心配するな。ここは任せておくんだ。
「貴公は“死都への入口”を早く見つけるのだ。
神殿騎士ヴォルマルフ
「わかった。くれぐれも用心するのだぞ。
(ヴォルマルフが消える)
エルムドア侯爵
「よし、行くぞ!
エルムドア侯爵
「リオファネス城で受けたあの屈辱を晴らさせてもらおうか。
剣士ラムザ
「アルマは…、僕の妹はどこだ! どこにいるッ!!
エルムドア侯爵
「知りたいか! 知りたいのならこの私を倒してからにするのだなッ!
勝利条件 エルムドア侯爵を倒せ!
READY!
【セリア・レディ戦闘不能時】
(それぞれアルテマデーモンに変身)
【エルムドア侯爵戦闘不能時】
エルムドア侯爵
「う……、た、確かに強い……。
「なめたわけではない……。なめたわけではないが……、やはり、この“肉体”では無理なのか……。
(エルムドア侯爵の姿が消える)
エルムドア侯爵
『地下だ……、地下へ来い……。妹はそこにいるぞ……。
剣士ラムザ
「逃がすものかッ!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
剣士ラムザ
「エルムドア! 観念しろ! 貴様に勝ち目はないぞ!
「アルマをおとなしく返すんだ!
エルムドア侯爵
「…ククク。ばかめ……。この城に貴様の妹などいるものか!
「ここにいるのは……、ほぅら、死霊ばかりさ……。
(アンデッドたちが現れる)
エルムドア侯爵
「貴様もこの墓地で朽ち果てるがいい!
(エルムドア侯爵がルカヴィに変身する)
死の天使ザルエラ
『さあ、今度こそ、決着をつけよう…!
(入口にメリアドールの姿がある)
神殿騎士メリアドール
「どういうこと!? 侯爵がバケモノにッ!??
勝利条件 死の天使ザルエラを倒せ!
READY!
神殿騎士メリアドール
「これが…、これが聖石の力だというの?
剣士ラムザ
「僕の言ったことが本当だってこと、これでわかったろう!
「きみの弟のイズルードはその事実に気付き、奴らと戦って死んだんだ!
神殿騎士メリアドール
「そんな…、そんなことって……!
「…父は、父・ヴォルマルフはそのことを知っているの?
剣士ラムザ
「それは……。
死の天使ザルエラ
『フハハハハ。貴様がヴォルマルフの娘か!
『貴様もイズルード同様、我々に相応しくない“肉体”だったな…。
『だが、貴様の父は相応しい“肉体”だったぞ…。
神殿騎士メリアドール
「では、父は……!!
死の天使ザルエラ
『そうだ、奴は闇の血族の一員。貴様の父ではないわ…。
『だが、些細なことだ、気にするな。どうせ、貴様もラムザと一緒にここで死ぬのだからな!!
神殿騎士メリアドール(次のラムザのターン)
「あなたの言っていたことは本当だったのね…。
「悪かったわ…。
剣士ラムザ
「いいんだ、メリアドール。それよりもイズルードの仇を討とう!
【ザルエラ死亡時】
死の天使ザルエラ
『ハシュマリムよ……すまぬ……。あとは頼んだぞ…。
(ザルエラが消滅し、聖石が残る)
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
神殿騎士メリアドール
「…この聖石にあんな秘密が隠されていたなんて…。
「“神器”といってもちょっと変わったクリスタルぐらいにしか思っていなかったわ…。
「聖石を集めているのだって、“奇跡”を起こすためとは考えていなかったもの…。
剣士ラムザ
「きみもイズルードも知らされていなかった…。
「ウィーグラフでさえも自分がルカヴィになるまで知らなかったぐらいだからね。
「…やっぱり、思ったとおりだ。教皇の謀略ですらヴォルマルフに利用されているんだ。
神殿騎士メリアドール
「…奴らの狙いは何なの?
剣士ラムザ
「そこまではわからない…。
「リオファネス城の一件のようにその気になれば、ひとつの騎士団をせん滅させるほどの力を…
「持っているにも拘わらず、その力を表立って行使しようとしない。
「それには何か理由があるはずだ。
神殿騎士メリアドール
「…表立って行使できないだけじゃないのかしら?
「だって、伝説やおとぎ話に登場するルカヴィはもっともっと凶悪で誰も倒すことのできないバケモノよ。
剣士ラムザ
「確かにそのとおりだ…。
「奴らは伝説で語られているような“不死身の悪魔”というわけではないらしい…。
神殿騎士メリアドール
「もともと伝説なんて些細なことが思いきり誇張されているものよ。
「ルカヴィも所詮はただのモンスターだったってことじゃないのかしら?
剣士ラムザ
「そうだと、いいんだけど…。
(メリアドールが聖石を手渡す)
神殿騎士メリアドール
「この聖石を預けるわ。
「その代わりに、私も一緒に行かせて。父がどうしてそうなったのか、知りたいのよ。
「それに…
剣士ラムザ
「それに?
神殿騎士メリアドール
「それに、聖石『カプリコーン』をなぜ、贈ったのか…
「なぜ、ダイスダーグ卿に贈ったのか、疑問だわ。
剣士ラムザ
「兄さんに? 何故だ?
(ゼルテニア城城内)
(オヴェリアが窓辺に立っている。すると斬り結ぶ音や絶叫が響いてくる)
荒々しい声
「どこだッ! どこへ逃げたッ!
別の荒々しい声
「おまえたちは、あっちを捜せ!
他の荒々しい声
「奴は脱獄するときに怪我をした! 遠くへ逃げることはできないはずだ!
(扉が開き負傷したオーランが忍び込んでくる)
女王オヴェリア
「オーラン!! 大丈夫!?
「…ひどい怪我。しっかりして……。
占星術士オーラン
「…オヴェリア様、お伝えしたいことが……。
女王オヴェリア
「喋っちゃだめ…。
占星術士オーラン
「お願いです…。どうかお聞きください…。
「ゴルターナ公を殺害したのは我が義父、オルランドゥではありません…。
「謀反の疑いをかけられた義父はラムザ・ベオルブと共にベスラ要塞を脱出…
「今は、教皇の謀略を阻止するために戦っているはずです……。
女王オヴェリア
「伯が謀反など起こすはずがないと信じておりました…。
荒々しい声
「ダメです! 扉が開きません!
別の荒々しい声
「オヴェリア様ッ! ご無事ですかッ!!
荒々しい声
「どうか、この扉をお開けください!
王女オヴェリア
「では、いったい誰がゴルターナ公を…?
占星術士オーラン
「それは……
(扉が打ち破られ、騎士が二人入ってくる)
南天騎士団騎士(男1)
「オヴェリア様、お怪我はございませんか!!
南天騎士団騎士(男2)
「ここにいたぞッ!!
(ディリータが入ってくる)
聖騎士ディリータ
「おまえたちはこの部屋から出るんだ。
南天騎士団騎士(2)
「はぁ?
聖騎士ディリータ
「部屋から立ち去れと言っている!
南天騎士団騎士(2)
「し、しかし……。
聖騎士ディリータ
「二度とは言わんぞ。
南天騎士団騎士(2)
「は、はい。
(騎士たちが出ていく。入れ替わりにバルマウフラが入ってくる)
王女オヴェリア
「お願い、オーランに乱暴なマネをしないで!
聖騎士ディリータ
「バカなことをしたな、オーラン。
占星術士オーラン
「こ…、この裏切り者め…。
聖騎士ディリータ
「…いいじゃないか、おまえだってそれを願っていたはずだ。
「だいたい、周りを見渡してみろ。本気で悲しんでいるヤツなんて一人としていないんだぜ。
「それに、おまえの親父を死んだことにしてやったんだ。誰にも追われることなんかないんだ。感謝して欲しいぜ。
占星術士オーラン
「ふざけたことを…!
王女オヴェリア
「どうして……、どうしてそんなことを……?
聖騎士ディリータ
「言ったろ、おまえを本当の王にしてやるってね…。
女王オヴェリア
「嘘よ! あなたは私を利用しようとしている……!
聖騎士ディリータ
「オレの言うことを信用しないのか。
女王オヴェリア
「………。
聖騎士ディリータ
「どうなんだ、オヴェリア。
女王オヴェリア(うつむいて)
「信用したいわ……。でも……。
聖騎士ディリータ
「オーランと話がある。おまえは自分の部屋へ戻るんだ…。
女王オヴェリア
「お願い……。彼に乱暴なことはしないで……。
聖騎士ディリータ
「わかった。約束するよ……。
(オヴェリアは階段を降り、扉を開け閉めする音を立てて自室へ戻ったふりをし、密かにその場に残る)
占星術士オーラン
「さあ、もういいぞ…。義父の汚名を晴らしたかっただけだ。
「ひと思いにやってくれ……。
聖騎士ディリータ
「何を言っている? 死んでもらっては困るんだよ。
占星術士オーラン
「…こんなオレにどんな利用価値があるっていうんだ。
聖騎士ディリータ
「おまえはオレに仕えるんだよ。
占星術士オーラン
「はっはっはっ…ふざけたことを…。
「死んでも断る!
聖騎士ディリータ
「いや、おまえはオレに逆らうことはできないのさ。
「…オレは北天騎士団を倒す。倒して畏国を平定する。そしてオヴェリアの国を作るんだ。
「もちろん、教皇も倒す。オレは教皇の犬じゃないからな…。
占星術士オーラン
「本気で言っているのか? おまえはいったい……?
聖騎士ディリータ
「オレの正しさをおまえなら認識できるはずだ。
「オレのやろうとしていることは圧倒的に正しい。
「平民出の騎士見習いが騎士団を動かすようになり乱世を平定する…。
「わかりやすいじゃないか…。民が求めてる“英雄”なんて所詮、そんなものだ。
占星術士オーラン
「そのために、おまえはすべてを利用する…?
聖騎士ディリータ
「いけないのか?
(ディリータの言葉に衝撃を受けたオヴェリアが自室に走り去る。その一方で、バルマウフラがディリータに対して身構える)
聖騎士ディリータ
「どうした? このオレを殺すか?
聖騎士ディリータ
「おまえが、教皇の送り込んだ“刺客”ってことはわかっている。
「オレが裏切るようなら即座にオレを殺すつもりなんだろう?
(ディリータが近づく。バルマウフラは剣を抜く)
聖騎士ディリータ
「さあ、その剣でオレを刺すんだ。
「どうした、こないのか? かかってこいよ…。
「こないのなら、こっちからいくぞ…!
(ディリータが間合いを詰める。女の悲鳴)
(天騎士バルバネスの墓)
聖騎士ザルバッグ
「…こっちだ。
薬師(アイテム士・男)
「旦那、待ってくださいよ。
(ザルバッグが墓に歩み寄る)
聖騎士ザルバッグ
「…父上。
「こっちへ来てくれ。見てもらいたいものがある…。
(ザルバッグが墓の周囲から何かを採る)
聖騎士ザルバッグ
「こいつだ…。
(ザルバッグが薬師にキノコを投げ渡す)
聖騎士ザルバッグ
「そいつが何だか、わかるか?
薬師
「わかるも何も、こいつはモスフングスというキノコですよ。
「即死するほどの猛毒を持っているってわけじゃありませんがね…。
聖騎士ザルバッグ
「やはり……。
薬師
「ねぇ、旦那…、さっさと行きましょうや。
聖騎士ザルバッグ
「何をそんなに怯えている?
薬師
「旦那は知らないンですかい?
「モスフングスってのは死体にしか生えないキノコなンですがね…、
「モスフングスの生えた死体が埋葬された墓ってのはたいそう縁起が悪ぃンですよ。
「そのキノコが生えた代で家が滅びちまうってぐらいでさぁ。
聖騎士ザルバッグ
「わかった…。もう行っていいぞ。
(ザルバッグが貨幣を放る)
薬師
「へへへ、毎度。
聖騎士ザルバッグ
「よいか、この話は他言無用だぞ。
薬師
「わかってまさぁ。
(薬師が逃げるように去る)
聖騎士ザルバッグ
「父上……。
(イグーロス城城門前)
剣士ラムザ
「…衛兵がいない。様子がヘンだな……。
剣士ラムザ
「このチョコボはザルバッグ兄さんの……。
剣士ラムザ
「あれだ……。
(レバーを引き門を開け、ラムザは中へ入っていく)
イグーロス城城内
(ザルバッグがダイスダーグに剣を向けている)
ダイスダーグ卿
「気でも狂ったのか、ザルバッグ! いったい何のまねだッ!!
聖騎士ザルバッグ
「兄上ッ、兄上はそれでもベオルブの名を継ぐ者かッ!
ダイスダーグ卿
「ラーグ公のことを言っているのか? 私が討たなくとも死んでいたよ!
「考えてもみろ? 他人の力を借りなければ戦うことのできない奴だったのだ!
「そうした奴が戦争を始めたこと自体が大きな間違いだったのだッ!!
聖騎士ザルバッグ
「主君殺しも恥だが、私が許せないのは父上のことだッ!
「何故、父上を…父上を暗殺するような卑劣なマネをしたのだッ!!
ダイスダーグ卿
「何のことだ? 私は知らん! 知らんぞ!!
聖騎士ザルバッグ
「ラーグ公の最期の言葉…、聞き違いかと思ったが……!!
「何故だッ、兄上ッ!! 何故、父上を殺したッ!!
(騎士が入ってくる)
北天騎士団騎士(男)
「ダイスダーグ様ッ!!
ダイスダーグ卿
「ザルバッグが乱心したッ!!
(騎士たちがザルバッグを囲む)
ダイスダーグ卿
「ザルバッグを捕らえよ!
聖騎士ザルバッグ
「兄上ーッ!!
剣士ラムザ(入ってきて)
「ザルバッグ兄さんッ!
勝利条件 長兄・ダイスダーグを倒せ!
READY!
聖騎士ザルバッグ
「ラムザ! おまえの言っていたことは本当だった!!
「兄上はおのれの野心のために戦争を引き起こし、さらにはラーグ公をも暗殺したッ!!
「ベオルブの名を汚し、地に貶めるその行為、許すわけにはいかんッ!!
剣士ラムザ
「ザルバッグ兄さんッ!
ダイスダーグ卿(次のターン)
「愚か者どもめ! 何故、私に従わん! 何故、私に逆らうのだ!
「力を持つ者が持たざる者を支配するのは当たり前! それは持つ者の責任なのだ!!
「かつて力を有していた王家も今では堕ちるところまで堕ちてしまった!
「力を持つ我々が王家にとって代るのも当然のことではないか!! それが正しい力の使い方なのだ!!
「何故、それを理解せん!!
聖騎士ザルバッグ
「兄上は“正義”という心を持っていないのか!!
「ベオルブは正義のために剣を振るう者にのみ与えられる勇者の称号! 兄上にはその資格がないッ!!
ダイスダーグ卿
「“正義”だと? そんな言葉、口に出すのも恥ずかしいわッ!!
「そんな奇麗事で民を治めることなどできるものかッ!!
「おまえがそうやって剣を振れるのは誰のおかげだと思っている!? 英雄と呼ばれるのは誰のおかげだ!
「すべてこの私だ! この私が手を汚しているおかげで、おまえはその立場にいられるのだ!
「感謝されることはあってもおまえに恨み言を言われる筋合いなどないわッ!!
【ダイスダーグ死亡時】
ダイスダーグ卿
「そ…、そんな……おまえたちが邪魔さえしなければ…
「このイヴァリースは……ベオルブ家の……ものに……なったのだ…ぞ……
「愚か者ども…め……
(ダイスダーグが倒れる。すると聖石が輝きダイスダーグをルカヴィへと転生させる)
憤怒の霊帝アドラメレク
『ククク…、そういうことか……そういうことだったのか……
憤怒の霊帝アドラメレク
『愚かな弟よ……。冥土のみやげに教えてやろう…。
『そうだ……。バルバネスはこの私が殺した…。私が殺したのだよ……。
『せっかく、ベオルブが君臨するチャンスがやってきたというのに、あの戦争バカめ……。
『だから、殺してやったのさ……。クククク…、どんな剣の達人でも毒には勝てんというわけだ……。
(アドラメレクが体を震わす。光が降ってきてザルバッグを消し去る)
憤怒の霊帝アドラメレク
『今度はおまえの番だ……。逆らったことを後悔するがいい…!!
勝利条件 憤怒の霊帝アドラメレクを倒せ!
READY!
【アドラメレク死亡時】
憤怒の霊帝アドラメレク
『くそッ!! まだ…不完全だったか…。
『“血塗られた聖天使”さえ…いれば…こんなことには……ならなかった………
(アドラメレクの体が爆発し、聖石のみが残る)
剣士ラムザ
「ベオルブ家も、もうおしまいだ…。
「いや…、家なんか関係ない…。
「大切なのは、どう生きるかなんだ…。
剣士ラムザ
「アルマ…。
「アルマを助けなければ…!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(聖ミュロンド寺院)
(僧侶たちの死体が横たわる中、ヴォルマルフの剣が教皇を貫く)
教皇フューネラル
「貴様……裏切るのか……。
神殿騎士ヴォルマルフ
「抵抗せずにおとなしく白状していれば命を落とさずにすんだのだよ。
「こちらとしても、こんな過激な方法を採るのは本意ではないのだが、私に残された時間はあまりに少ない。
教皇フューネラル
「な…なんのことだ……?
神殿騎士ヴォルマルフ
「聖石を集めるために貴様に協力してきたが…
「ほとんどの聖石をあの小僧に奪われた今となってはその協力も無駄だったというわけだ。
教皇フューネラル
「た…助けてくれ……。
神殿騎士ヴォルマルフ
「…その傷は深いが、致命傷ではない。すぐに手当をすればなんとかなる。
「さあ、助かりたいなら言うんだ。ミュロンドへの入口はどこにある? 貴様は知っているはずだ!
教皇フューネラル
「オーボンヌだ……、あの地下書庫の最下層に封印された魔法陣がある…。
神殿騎士ヴォルマルフ
「封印の解き方は?
教皇フューネラル
「知らんのだ……。あるとすれば…あの聖典の中に…。
神殿騎士ヴォルマルフ
「また、あの小僧か…!
(ヴォルマルフがローファルに目線を送る。ローファルが教皇の背後に近づく)
神殿騎士ヴォルマルフ
「貴様は用済みだ。
(ヴォルマルフとクレティアンが去る)
教皇フューネラル
「頼む……助けて……。
(ローファルが教皇に剣を突き立て、去る)
神殿騎士団魔道士(白魔道士・男)
「止まれッ! 僧侶以外は立入禁止だ!
「聖ミュロンド寺院に何用か!! 名と身分を明かし、速やかに用件を申せッ!!
剣士ラムザ
「我が名はラムザ、ラムザ・ベオルブだ!
「神殿騎士ヴォルマルフに拉致された我が妹、アルマ・ベオルブの身柄の返還を要求するッ!!
神殿騎士団魔道士
「異端者ラムザかッ!!
「正面から来るとは愚かものめッ!! 貴様に科せられた刑をこの場で執行してやるッ!!
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
【戦闘終了後】
剣士ラムザ
「アルマ…、今いくぞ! 待ってろよ…!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
神殿騎士ヴォルマルフ
「貴様がラムザか…。会うのは初めてだったな?
「ディナーにでも招待したいところだがあいにく多忙でね…。許してくれ…。
「そんなわけで、貴様の相手をしている時間が惜しい。用件だけ伝えよう。
「妹を返して欲しくば、貴様が持っている『ゲルモニーク聖典』とすべての聖石を渡すのだ…。
「言っておくが、貴様はこの要求を拒絶することはできん…。渡さぬときは妹の命はないと思え。
「さあ、私の言葉を理解したならさっさと渡してもらおうか…。
剣士ラムザ
「アルマはどこだ! どこにいる?
「無事な姿を確認できない限り、聖典も聖石も渡すことはできないッ!
神殿騎士ヴォルマルフ
「私の言ったことが聞こえなかったのか?
「貴様に“拒否権”はないのだ。
「もう一度言うぞ、聖典とすべての聖石を渡せ!
剣士ラムザ
「聖典だけだ! 聖石はアルマの姿を確認してからだ!
(ラムザが聖典を置いて下がる。ローファルがそれを拾い、頁を繰る)
神殿騎士ヴォルマルフ
「どうだ…?
神殿騎士ローファル
「…ありました。大丈夫、簡単な呪文です…。
神殿騎士ヴォルマルフ
「よし、それさえわかれば奴らは用済みだ…。
「このまま見逃してもよいのだが、一応、ベリアスたちの仇を討たせてもらおうか…。
剣士ラムザ
「だましたなッ!!
勝利条件 神殿騎士ヴォルマルフを倒せ!
READY!
剣士ラムザ
「どうしてアルマを生かしておく?
神殿騎士ヴォルマルフ
「なんだと?
剣士ラムザ
「自分の息子でさえ容赦なく殺したおまえが、何故、アルマだけ生かす?
神殿騎士ヴォルマルフ
「それはおまえの知るところではない。知りたくば、この私を倒すんだな。
【メリアドールが出撃している場合】
騎士メリアドール
「父さん…、あなたは本当に父さんなの?
神殿騎士ヴォルマルフ
「もちろんだとも、我が娘よ。
「なぜ、おまえは“そちら側”にいるんだ? いったいいつから私の敵になったのだ?
騎士メリアドール
「それは、今の父さんが以前の父さんと違うからよ。
神殿騎士ヴォルマルフ
「…なんのことだ?
騎士メリアドール
「ランベリーでエルムドア侯爵は聖石を使いバケモノに変身したわ。
「リオファネス城の人々を殺し、イズルードを殺したのは父さんね?
神殿騎士ヴォルマルフ
「おまえはバケモノというのか…! 我々をバケモノというのかッ!!
騎士メリアドール
「!!
「やっぱり、あなたは父さんじゃなかったのね…。
【ヴォルマルフ・ローファル・クレティアン瀕死・戦闘不能時】
神殿騎士ヴォルマルフ
「ここでやられるわけにはいかん。ひとまず退却するぞ!!
(ヴォルマルフ、ローファル、クレティアンが姿を消す)
剣士ラムザ
「逃げるのか! 卑怯者めッ!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
神殿騎士ヴォルマルフ
「これ以上、貴様に付き合ってるヒマはない…。
「これでお別れにしたいところだが、このまま黙って引き下がる貴様ではないだろう…。
「…やはり、貴様にはここで死んでもらわねばなるまい。
「我が忠実なる僕(しもべ)たちが貴様の相手をしてくれよう…。
「…ちょうど、あつらえたようにここには棺がある…。貴様もここで永遠の眠りにつくがいい…。
(ヴォルマルフの聖石が光り、デーモンたちが召喚される)
神殿騎士ヴォルマルフ
「そして…、貴様の相手はこの男がする…。
(一人の騎士が召喚される)
剣士ラムザ
「ザルバッグ兄さんッ!!
神殿騎士ヴォルマルフ
「この男は貴様の兄にして、我が眷族の一員として生まれ変わった…。
「この男と戦えるかな…? ハッハッハッハッ…。
(ヴォルマルフが消える)
剣士ラムザ
「なんて卑劣な…!!
ヴォルマルフの声
『ザルバッグよ…、目の前にいるその小僧を殺せ…!
『生かしてこの寺院から出すな!!
勝利条件 聖騎士ザルバッグを倒せ!
READY!
剣士ラムザ
「兄さん、ザルバッグ兄さんッ! しっかりして、僕だよ!
聖騎士ザルバッグ
『…そこにいるのはラムザか……?
『ここは…いったい…どこなんだ…? 暗くて…よく…わからない…。
『オレは…何をしているんだ…? 立っているのか…座っているのか…手足の感覚が…まるで…ないんだ…。
剣士ラムザ
「兄さん、兄さんはヴォルマルフに…、ルカヴィに操られているんだよッ!!
聖騎士ザルバッグ
『オレは……おまえと…戦っているのか…? なぜだ…?
『逃げろ…、ラムザ…、でないと…オレは……オレは…おまえを…殺してしまう……。
剣士ラムザ
「兄さんーッ!!
【ザルバッグHP半減時】
聖騎士ザルバッグ
『頼む……ラムザ……このオレを…殺してくれ……
『苦しいんだ…手足の感覚もないのに…ひどく…いろいろな部分が……痛むんだ……
『そして…なによりも…怖い……記憶が少しずつ…あいまいに…なっていく……
剣士ラムザ
「大丈夫だよ、兄さんッ! きっと何か…、何か方法があるよ!
「だから、あきらめないでッ! お願いだから、あきらめないでッ!!
聖騎士ザルバッグ
『いや…もう…オレはだめだ……早く…殺してくれ…苦しい…
『誰かが…耳元で…喋ってる……誘ってる……泣いている……脅している……
『なんとかしてくれ……助けてくれ……早く、早く楽にしてくれ……。
剣士ラムザ
「くそッ!! ヴォルマルフめッ!!
【ザルバッグ死亡時】
聖騎士ザルバッグ
『すまない……ラムザ……つらい…思いを…させたな……
『アルマを……アルマを…助けてやってくれ……おまえだけが…頼りだ……
『いくよ…、ラムザ……さらばだ……。
『…ありがとう…
(ルカヴィが消滅する時のように、ザルバッグが消え去る)
剣士ラムザ
「兄さーんッ!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(謁見の間?)
教皇フューネラル
「………だれ…か……
(ラムザが入ってくる)
剣士ラムザ
「……ひどい。
教皇フューネラル
「たすけて……たすけ…て……
剣士ラムザ
「しっかり…、しっかりして!
教皇フューネラル
「し…し……神殿……
剣士ラムザ
「奴らの行方を知っているのか? どこだ! どこなんだ!
教皇フューネラル
「オ……オーボン…ヌ………
(教皇が息絶える)
剣士ラムザ
「オーボンヌ修道院か……。
(ラムザが歩き去る)
神殿騎士ローファル
「貴様たちはここを見張っているんだ。私はヴォルマルフ様を追うッ!
神殿騎士(男)
「ハッ!
(ローファルが地下に消える。入れ替わるようにラムザたちが登場する)
剣士ラムザ
「…この地下書庫に何があるんだ?
勝利条件 すべての敵を倒せ!
READY!
【戦闘終了後】
(地下から声が聞こえてくる)
神殿騎士ローファル
「…ここは、私にお任せを。
神殿騎士ヴォルマルフ
「うむ、頼んだぞ、ローファル。
神殿騎士ローファル
「…ファル………ケオ……デ……ンダ! ゾーダ……ム……フェ…リオ…
「我は時の………ーラと契……し者、悠……時を経てこ……時………えよ、我にその………け! ………ン!!
(地下で光が発せられる)
剣士ラムザ
「逃すかッ!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
神殿騎士ローファル
「待っていたぞ、異端者ラムザよ。
「これより先には進ません! この地下で永遠の眠りにつくがいい!
「この修道院がおまえの墓標なのだッ!
勝利条件 神殿騎士ローファルを倒せ!
READY!
【ローファルHP減少時】
剣士ラムザ
「この感じ……、セリアやレディと戦った時と同じ!
「おまえは人間ではないな…?
神殿騎士ローファル
「ああ、たしかに私は人間ではない…。人間を超越した者だからな…。
「ヴォルマルフ様のお力により老いることや無知であり続けることをやめ、永遠の命を手に入れた…。
「くくくく…、貴様にはこの喜びがわかるまい。
剣士ラムザ
「おまえたちの狙いはなんだ? いったい何が望みだ?
神殿騎士ローファル
「知りたいか、異端者ラムザよ。
「それを知りたくば、この私を倒して先へ進むのだな。…もっとも、それはできぬ相談か!
【ローファル戦闘不能時】
神殿騎士ローファル
「…ここで、死ぬわけにはいかん。まだ、役目が終わっていないのだ…。
神殿騎士ローファル
「異端者ラムザよ……貴様を地獄に…招待してやろう……
(床に魔法陣が現れる)
神殿騎士ローファル
「…ファルオス・ケオス・デ・バンダ! ゾーダ・ラムド・フェオリオ…
「我は時の神ゾマーラと契約せし者、悠久の時を経てここに時空を超えよ、我にその門を開け! デジョン!!
(魔法陣から光がほとばしり、全てが消え去る)
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(死都への入口)
剣士ラムザ
「…ここは?
神殿騎士ローファル(壁に背をもたれている)
「ようこそ……死都ミュロンドへ…。
神殿騎士ローファル
「ここに来たからには……もう…地上へ戻る…ことはできん……
「その入口さえ……壊して……しまえばな………。
(ローファルが手を掲げ念じる。すると魔法陣が崩れ落ち跡形もなくなってしまう)
神殿騎士ローファル
「さあ…先へ進むがいい……貴様の妹が…待っているぞ……
(ローファルが息絶える)
剣士ラムザ
「アルマ……。
(ラムザが部屋を出ていく)
神殿騎士クレティアン
「そうか…、ローファルがやられたのか…!
「ならば、ここで、私が貴様たちを食い止めねば、ローファルに会わす顔がないな…。ゆくぞッ!!
勝利条件 神殿騎士クレティアンを倒せ!
READY!
【クレティアンHP半減時】
剣士ラムザ
「ヴォルマルフはどこだ! どこに行った!!
神殿騎士クレティアン
「どこへだと…? これは異なことを。
「この死都へ来たのは我らの主・聖天使を復活させるため。いや、正確には…
「融合したアジョラの死によって不完全な形で現世に留まる我らの主をその眠りから呼び覚ますためだ。
「ヴォルマルフ様の目指す目的地は我らが主の魂が眠る場所…、すなわちアジョラが最期を迎えた場所だよ!
剣士ラムザ
「そこはどこだ! どこなんだッ!!
神殿騎士クレティアン
「それを知りたくばこの私を倒してからにするんだな!!
【クレティアン死亡時】
神殿騎士クレティアン
「うぐ……、す、すまない……ローファル………。
(クレティアンが倒れ伏す。彼方で閃光がひらめく)
剣士ラムザ
「あっちか!?
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
神殿騎士バルク
「…小僧、会えて嬉しいぜ。
「この前は不覚をとったが今度はそうはいかねぇ。この死都をおまえの墓場にしてやる!
勝利条件 神殿騎士バルクを倒せ!
READY!
【バルクHP半減時】
剣士ラムザ
「…おまえもルカヴィの手先に成り下がったんだな。
「そこまでして生きていたいのか…! 哀れだな!
神殿騎士バルク
「いいもんだぜ、小僧。オレはようやく本物の人間になれたんだからな!
剣士ラムザ
「人間だと? 悪魔に魂を売った者のどこが人間だというんだ!
神殿騎士バルク
「“死”を超越することでオレは人間という種のトップに立った。
「もう貴様ら貴族どもに不当な扱いを受けずにすむ…、貴様らの顔色を窺わずにすむんだ!
「オレは本当の“自由”を手に入れた! オレは本物の“人間”になれたんだ! これで“平等”な扱いを受けられる!
剣士ラムザ
「それで本物の“人間”だって? 笑わせるな、バルク!
「自分の力で勝ち取らない“自由”に何の意味がある?
「人間は“誇り”を失った瞬間から“自由”ではなくなるんだ!
「おまえのように“誇り”を失い貴族の顔色を窺った瞬間からすでに、“自由”を放棄していたんだ!
「この世に“平等”なんてあるものか! “平等”は与えられるものじゃない! 自分で勝ち取る“権利”なんだ!!
「ルカヴィの力を借りて手にした“自由”なんてニセモノだ! おまえは“裸の王様”なのさ!!
【バルク死亡時】
神殿騎士バルク
「そんな…オレは死ぬのか…“死”を超越したはずでは…?
(バルクが絶命する)
剣士ラムザ
「聖石が共鳴しているのか…?
剣士ラムザ
「あっちだな…。
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
(アルマが横たえられている。その傍らでヴォルマルフが膝をついてアルマを見ている)
神殿騎士ヴォルマルフ
「…何故だ、何故、ヴァルゴが発動しないのだ?
神殿騎士ヴォルマルフ
「この空間に聖天使の魂が漂っている、それは間違いない…。
「何故だ……。
神殿騎士ヴォルマルフ
「アジョラの生まれ変わりではないのか…?
「…いや、そんなはずはない。確かにヴァルゴは反応した。
神殿騎士ヴォルマルフ
「…来たか。
剣士ラムザ
「ヴォルマルフ、そこまでだ!
「ヴァルゴは発動しない! あきらめて、おとなしくアルマを解放するんだッ!!
神殿騎士ヴォルマルフ
「いいや、発動するさ…。…が足りないだけなのだ。
「聞こえなかったか…?
「“血が足りない”と言ったのだ。
「“血塗られた聖天使”の再臨には多くの血が必要だ…。
「聖アジョラの死後、十数世紀にわたりイヴァリースの大地に多くの血が流されたが、まだ足りぬらしい。
「…仕方ない。 地上へ戻ってもう一暴れしてこようか…。
「ククク……心配するな。
「その前に貴様たちを“生け贄”にしてやろう…。
(ヴォルマルフが聖石を掲げルカヴィへと姿を変える)
統制者ハシュマリム
『…我が主、“血塗られた聖天使”よ、
『ワインよりも濃く灼熱の溶岩よりも熱い“血”をその復活のために捧げよう!
勝利条件 統制者ハシュマリムを倒せ!
READY!
剣士ラムザ
「アルマ! しっかりしろ!
「お願いだ! 目を開けてくれ!! アルマッ!!
統制者ハシュマリム
『無駄だ…。そんな呼びかけでは起きん…。
剣士ラムザ
「アルマに何をしたッ!!
統制者ハシュマリム
『本来の姿を取り戻すには、娘の意識が覚醒していては困るのだよ…。
『次に目覚めるときは自分の使命を思い出しているだろう。
『この世界に我々の仲間を喚ぶという重大な使命をな……。
【ハシュマリム戦闘不能時】
統制者ハシュマリム
『我が主よ…、まだ…まだ目覚めぬのか……。
アルマ
「う…うう……こ…、ここは……?
剣士ラムザ
「アルマッ!!
アルマ
「ラムザ兄さん……?
統制者ハシュマリム
『ここまできて………邪魔をさせるものか……
『“血塗られた聖天使”よ……我が命を……復活の贄に……捧げようぞ………ッ!!
(ハシュマリムが自らの体を貫いて消滅し、聖石が残る)
(光が降り注ぎ、悲鳴とともにアルマの体に異変が起きる)
聖アジョラ
『身体を取り戻したぞ……。
剣士ラムザ
「アルマーッ!!
CONGRATULATIONS!
THIS OPERATION IS COMPLETED!
聖アジョラ
『うう……、なんだ……、これは………?
聖アジョラ
『うぐぐ……
『に…兄さん………助けて……
剣士ラムザ
「アルマ!!
聖アジョラ
『ラムザ兄さん……
『やめろ……邪魔をするな……じゃま…を…する…な……ジャ…マ…ヲ……スル……!!
(光が聖アジョラを包み込み、その身体からアルマが分離する)
剣士ラムザ
「アルマ!! 大丈夫か!!
アルマ
「……兄さん、私は……大丈夫………
「早く…アジョラを……倒さなくては……。
聖アジョラ
『ワタシノ…復活ヲ…サマタゲル…ツモリ…カ……
『ソウハ……サセヌ……
『イデヨ……ワガ…シモベ…ドモヨ……
(デーモンたちが召喚される)
聖アジョラ
『ワタシノ…復活ヲ…サマタゲル者ハ…何人タリトモ…許シテハ…オカナイ!
(アジョラがルカヴィに変身する)
聖天使アルテマ
『行クゾ……非力ナル者ドモヨ……!
勝利条件 聖天使アルテマを倒せ!
READY!
【聖天使アルテマ戦闘不能時】
聖天使アルテマ
『バカナ……コンナコトガ……
聖天使アルテマ
『ソウカ……貴様ハ……、カツテ…コノ私ヲ倒シタ者ノ…末裔カ……
『負ケヌ……私ハ……負ケヌ……
(アルテマの姿が消える。閃光、爆発とともに姿を変えた聖大天使アルテマが現れる)
聖天使アルテマ
『貴様タチヲ…殺シテヤル!!
【聖大天使アルテマ死亡時】
聖天使アルテマ
『モット……チカラヲ………
(アルテマから強烈な光が放たれ、その身体が崩壊していく。飛空艇が大爆発を起こしその場の全てを消し去る)
CONGRATULATIONS!
THIS GAME IS COMPLETED!
(共同墓地)
神父
「…大いなる父の祝福を受け、汝の肉体は大地へ戻らん。
「願わくば聖アジョラの御加護によりアルマ・ベオルブの魂を至福の地へ導きたまえ……、ファーラム…。
一同
「…ファーラム。
(弔問客たちが帰り始める)
弔問客
「…まだ若いのに。残念なことだ。
弔問客
「兄妹が皆、逝ってしまったなんて…。
(神父も去る)
弔問客
「…末弟のラムザは墓にも入れないとか。嘆かわしいことだ…。
弔問客
「三百年続いたベオルブ家もこれでおしまいね…。
(最後の弔問客が去る。オーランとバルマウフラがやってくる)
占星術士オーラン
「…遅くなったな、ラムザ…、アルマ…。
「もっと早く会いにこようと思っていたんだけど人目が厳しかったんでね…。
(バルマウフラが花を供える)
占星術士オーラン
「ディリータはオヴェリアと結婚したんだ…。
「平民出の若者が混乱した畏国に平和をもたらし、ついにはプリンセスと結ばれて新たな国王となる…。
「何百年も民衆の間で語り継がれる英雄譚(えいゆうたん)の誕生だ…。
占星術士オーラン
「ディリータはおまえが言ったように、根はいいヤツなのかもしれない…。
「彼女がミュロンドの刺客とバレた時…あいつは彼女を殺したように見せかけて城外へ逃がしたんだ…。
「ヴォルマルフに利用されている彼女に自分の姿を重ねたんだろうな…。
(バルマウフラが行こうというような合図をし、オーランはそれにうなずく。バルマウフラは去る)
占星術士オーラン
「義父上は……、義父上は勇敢に戦って死んだのか?
(オーランが目を瞑って首を振る)
占星術士オーラン
「…また、来るよ。じゃあな……。
占星術士オーラン
「…本当に死んじまったのか?
「…オレにはまだおまえたちが死んだなんて信じられないよ。だって…、そうだろ…?
(オーランが立ち去りかけると、チョコボに乗ったラムザとアルマが現れる)
占星術士オーラン
「!!
(二人が行ってしまう)
占星術士オーラン
「待ってくれ! ラムザッ! アルマッ!
(バルマウフラが戻ってくる)
占星術士オーラン
「…生きていたんだ! 生きていたんだよッ!
占星術士オーラン
「…ありがとう。
Since then,
no one has caught sight of the two.
――その後
二人の姿を見た者はいない…
Orlan Durai reminisces in such a manner…
後にオーラン・デュライはこう述懐している…
Where does one find good fortune?
What possesses then to live for the present?
What treasures will they leave behind?
人間は何に幸福を見いだすのだろうか?
何のために今を生きるのだろうか?
そして、何を残せるだろうか?
The only thing certain is that
he is the hero, indeed.
ただ、わかることは――
彼こそが真の勇者であった…
Years later,
Orlan Durai collected his experiences over
a period of 5 years into a single syllabus.
後日、オーラン・デュライは自分が見聞きした出来事を
五年もの歳月をかけてまとめあげた…
This collection known as the“Durai papers”
meeting during which the new possessor of
the throne was to be selected,
執筆された“デュライ白書”は翌年――
新たな教皇を選出する
クレメンス公会議の場で公開されるが
but the church which feared public
disclosure of the truth decided to
arrest Durai and burn him at the stake
for the crime of heresy.
真相の暴露を恐れた教会は
その場でオーランを逮捕すると
“異端者”として火刑に処した…
The retrieved Durai papers were then
confiscated by the church for several
hundred years.
その後、回収された“デュライ白書”は――
数百年もの間
教会の手により隠匿されることになる…
But I have uncovered the truth…
Let me now revive his honor.
Let his way of life be absorbed by
the next generation.
しかし、私は真実を知ることができた…
今こそ彼の名誉を回復しよう…
彼の生きざまを若い世代に伝えるためにも…
Author of the Brave Story,
Alazlum Durai
ブレイブストーリー著者
アラズラム・デュライ
(オヴェリアが一人佇んでいる。そこへディリータがチョコボに乗ってやってくる)
畏国王ディリータ
「やっぱりここにいたんだな。みんな探していたぞ。
(ディリータが歩み寄り花束をさしだす)
畏国王ディリータ
「ほら、今日はおまえの誕生日だろ? この花束を…
(オヴェリアが振り向きざまにディリータを刺す。ディリータの手から花束がこぼれ落ちる)
畏国王ディリータ
「オ…、オヴェリア…?
王妃オヴェリア
「…そうやって、みんなを利用して!
「…ラムザのように、いつか私も見殺しにするのね……!
(ディリータが刺さった短剣を抜き、オヴェリアを突く。オヴェリアが花束の上に倒れ伏す。
後ずさるディリータの手から短剣が落ちる。二三歩歩いて膝をついたディリータは、虚空を見上げる)
畏国王ディリータ
「…ラムザ おまえは何を手に入れた?
「オレは……
The End