江戸時代後期、ねずみ小僧という賊がいた。大名屋敷に押し入っては 金品を盗み、貧しい家々に金子を投げ入れていた、そんな義賊伝説を持つ賊だ。 だが実際にはこの義賊伝説は間違いであり、実際には盗んだ金は博打に使った のではないか、と言われている様である。 そんなねずみ小僧から約 200年、世間には、新しい賊が登場している。 別に盗みはしない、ただ投げ入れるのだ。金子ではなく、女性下着を。 しかも豊臣秀吉よろしく、履き物を温めておきました的に、懐からではなく 股間からそっと下着を取り出すのだ。そしてそれを、近所の家に投げ入れる。 もしも、投げ入れられた先の家でパンツが無くて困っていたならば、 このパンツは有難がられ、彼はきっと義賊として後世に語り継がれていた かも知れない。だが残念な事に、投げ入れられた先の家では有難がっては くれなかった様だ。 結果彼は捕縛され、取調べを受けているのだという。 もしも、もしも世が世ならと悔やまれてならない。 |
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