俺ももう中年と呼ばれるに十分な歳になった。 中年になるとどうも体のそこかしこにガタがくる。 だから、人間ドックを受ける事にした。 身長体重からX線検査まで一通りこなすと、最後に 待ち構えているのは直腸検診だ。 肛門への異物挿入、それは男としての未体験ゾーン。 興奮や期待よりも、むしろ恐怖感と背徳感が俺を襲う。 そしてそれはこの、カーテン一枚隔てた向こうに待っている。 深呼吸一つ、俺はカーテンを潜った。 そこには、バスローブをはおった加藤鷹が居た。 …何俺これからイカされるの? 鷹は指を突き出して、顔に笑みを湛えている。 |
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