最近、青春という言葉をよく使っている。 この、とうに死語となったこの言葉、むしろおいしいからと 使う人すら減ってきた。もはや、死語を通り越して失われようと している語、"失語"、"ロストワード" と言ってもいいだろう。 そうなってくると、希少動物よろしく保護したくなるのが人情 というものだ。だから、私は使っている。 そしてこの先、もしこの言葉が保護している私を除いて真に 失われたとしよう。すろと、私はきっと、この言葉の使い手 として保護されるかも知れない。そしていつかはその筋の第一人者 として、そしていつかは人間国宝として、この言葉を使う、 そんな時代がやって来てしまうかも知れない。 そんな時、私はきっと "青春先生"、"青春の達人"、"青春マスター" などと呼ばれ、世界から敬愛される事だろう。 そんな日を夢見、今日も青春について熱く語ろうじゃないか。 |
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