about : 夏の終わり

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2012年の夏が、終わろうとしているこの、9/02。
8月はもう 2日前に終わってはいるが、9/02 が日曜なため、
この日まではまだ夏休みの延長、と思えなくもない。
(時代が変わり、この認識は古いものとなっているかもしれない)


夏休み
すべての元学生である私達にとって、ほぼ共通なのではないかと思われる、
あの甘美な日々。
平日の昼間から何もせず、ゴロゴロ、ゴロゴロ。
朝起きて学校へ行かず、
TVを観れば、子供向けな番組の再放送がやっており、
遊びに行けば、水辺へ行けば水冷たく、林・山へ行けば虫がいる。
公園へ行けば同年代の子供がおり、
照り付ける太陽の下、知らない子とも打ち解けて遊んでいた。
見ず知らずの子供に水風船をぶつけられれば普通は怒るところだ。
だが、怒らない。笑って皆一緒に遊ぶ。
そう、全ては夏休みの名の下に。


だが、知っているか?
大人には、そんな夏休みはない。
あってもせいぜい数日、それ以外の夏の日々は、はたらくためにあるのだ。

通勤電車に乗れば、戦地へ赴く自分とは対照的に、海や山へ遊びに行く子供の姿。
仕事前に数分でも休もうとする自分の前に立ちはだかり、
楽しげな会話を大声でする子供たち。


何故だ、何故自分にはもう、そんな夏休みは無いのだ。
どうして君達にはそれがあるのだ。

そんな不公平感が憎悪に変わるのは、とても自然な事だ。
許せない、そんな夏休みを持つ者が、うらめしい。


そして、今日だ。8月はもう、とうに終えた。
8月が終わってもナナフシが木の枝の擬態をするかの如く、
夏休みの振りをしていた 2日間も、もう終わろうとしている。
学校はもう、すぐそこまで迫っている。
ヤツ等は今、絶望のどん底だ。
待っていた、待ちかねていたぞ。この時を。

さあ同志よ、街に出ろ
太鼓を叩け、鐘打ち鳴らせ、そして大声で叫べ
"夏休みはもう終わりです、明日からは学校です"

ああ、ぞくぞくする。
震えが止まらない。

今の俺には、あんな眩しい日々はもう相応しくない。
漆黒の深淵で、絶望というクソ不味くも癖になる毒を啜るのが、お似合いだ。
−以上−

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