about : 山と裸

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"おい、寝るな、寝たら死ぬぞ!"
そして 2人は裸で暖めあい、夜を明かした。

そんな美しい光景が、登山では定番だ。
でも登山なんてヒゲ面のおっさんの趣味だろう、
きっと大抵はそれがきっかけで衆道に目覚めるか、
もしくは衆道に目覚めているが故に、登山をするのに違いない。


そんな登山者達の新たな趣味を、私は知ってしまった。

何と、アルプスのとある地区では、ヌードハイキングが人気らしいのだ。
アルプスと言っても日本アルプスではない、スイスのご本家のだ。
この時期では気温も 10℃以下になる事が多く、決して暖かい気候ではない。
そんな山々、山肌をうっすら雪が覆う様な道を、
リュック 1つ背負った裸の者共が、包み隠すことなく堂々と
ハイキングを楽しんでいるのだ。

もし登山中、そんな全裸の人と遭遇したらどうしたらいい?

にこやかにこちらへ向かってくる全裸の登山者、
山の中の 1本道、逃げ場はない。
道だって、決して広くは無いだろう。
袖摺り合う様なギリギリの状況で通り過ぎるその最中、
いきり足ったイチモツを見せ付けられつつ、
"やあ、こんにちは!"
なんて挨拶されたら、どう答えたらいいんだ。

いやあ、雄大な眺めだね。君のアルプスは一万尺かい?

なんて気の利いた返し、そうはできそうにない。


何故登山をするのか? と問われれば、
そこに山があるから、と答えるものと思っていた。
でもひょっとしてそれはそうではなく、
裸の付き合いがあるから、と答える人も居そうな気がしてきた。
−以上−

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