宗政報告No.31(2012年10月6日)
               臨 時 宗 議 会 報 告

 第57回宗議会(臨時会)が10月4日、5日の2日間の会期で開催されました。
 安原宗務総長が、9月24日、宗・参両議会の議長に辞表を提出されたことに伴い、新しい総長を指名するための臨宗であります。
 投票結果は、次の通りです。

 
里雄康意氏:44票    玉光順正氏:18票

 その後、参議会でも、選挙が行われました。

 
里雄康意氏:53票  玉光順正氏:6票   白票:1  無効票:1

 その結果、里雄康意氏が総長に指名されました。

 聞くところによると、前日の10月3日に、与党真宗興法議員団では、代表選挙が行われ、3人が立候補され、22対13対6で、里雄氏が勝利をおさめられたということです。
 いまの総長指名選挙の制度では、過半数会派の代表が、そのまま本会議で指名されるということになりますから、真宗興法議員団の代表選挙が実質的には総長指名選挙という意味を持ちます。
 知人の宗教記者から、これだけの大教団の指導者を、わずか22名の人が決めるんですねと、言われたことが、ずっと残っています。
 同じ浄土真宗の高田派の総長選挙では、全ての住職にその選挙権があります。宗門に関心を持ち、わが宗門という参加意識を喚起するのに、自分たちで総長を選ぶということは大変有効であると思われます。
 一方、大谷派の現今制度では、一会派の会派内の選挙によって、事実上、総長が選出されるのですから、総長指名選挙といっても、一部の関係者を除くと、ほとんどの宗門人は関心を持っておられないのではないでしょうか。実際、知人の反応はいたって低調です。このような制度が、宗政に対する、そして宗門に対する無関心を醸成する要因の一つになってはいないかと心配です。
 どのような総長選挙が宗門にとってふさわしいのか、皆さんはどのように思われるでしょうか。

 さて、里雄新総長におかれては、参議会の7票の意味を重く受け止められて、一人の念仏者を生み出す機縁となる施策を積極的に展開され、同朋社会の名に相応しい機構・制度の諸改革を断行され、諸課題に対して宗門内外に大谷派としての明確なメッセージを発信されるべく、宗門をリードして頂くことを期待するものです。