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アスベスト関連施設の所在地と事業所名の公表について(聞き取り調査結果)
〜アスベスト問題と企業の責任について考える〜
(2005.7.9更新)
☆アスベストについての報道がかなり多くなっています。急ピッチで対策が進められているように見えますが、一歩踏み込んでみるとそうでもないものもあります。ここでは、その中の一つとして、アスベスト関連施設の公表の問題を取り上げます。☆
健康相談の窓口を作ったり、被害者の調査をする以上は、アスベスト関連施設の所在地や事業所名を公表する必要があると思うが、現時点では公表しているところは少ないようだ。(静岡県では、アスベスト事業所名と市町村名を、過去の分も含めHPで公表している。)
工場の周辺の住民に対する健康被害が問題になっている特に、どうして施設のある場所を公表しないで、被害者の調査や健康相談の窓口の対応ができるのだろうか?
兵庫県、大阪府、愛知県、東京都、神奈川県、環境省に、アスベスト関連施設の事業所名と所在地の公表について、現時点での対応を聞いた。以下は、聞き取り結果のまとめ。
(7月8日、午前午後。電話での聞き取り調査のため内容は不正確。対応が変わっている場合もあります。詳細についてはご自身でご確認ください。)
※静岡県:過去のアスベスト取扱工場の一斉調査について
http://www2.pref.shizuoka.jp/all/KISHA05.nsf/081c94b1cf732b60492568010000545d/4189a333756834e6492570360020628f?OpenDocument
※滋賀県も公表を決定。(しかし、現在稼働中のものだけのようです。)
アスベスト:県、製造・加工の10社を公表−大気汚染防止基準満たす/滋賀
2005/07/08 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050708-00000180-mailo-l25
※東京都も検討した結果、問い合わせがあれば応じるとのこと。(詳細は下。)
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●兵庫県
健康生活部 環境局 大気課
078-362-3285
taikika@pref.hyogo.jp
http://web.pref.hyogo.jp/kakuka/body/kenkouseikatu/kankyo/taiki.htm
事業署名と所在地は公表していない。(マスコミも含めて)外に出していない。
公表するかどうかは、まだ決まっていない。現在対応について協議中。
いつ結論が出るか、どのような方向で検討しているのか、現時点では一切お返事できない。
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●大阪府
環境農林水産部 環境管理室 事業所指導課
TEL 06-6941-0351 内線3865
http://www.epcc.pref.osaka.jp/shidou/to-jigyousya/taiki/asbestos/index.html
情報公開請求して欲しい。1から2週間かかる。
報道機関に対しては提供する。
一般の人に対しては、用途がわからないので、情報公開請求で対応する。
(用途がわからないからという意味は何か?)
用途がわからないという意味は、企業の利益に反する場合があるということ。
他の企業に有利になる場合もあるし、そのような個人の利益にかかる部分については、手続きを踏んで行うということ。
他府県で公表しているところもあるということは承知している。
(大阪府の住民の方からの問い合わせを受けて、こちらからお聞きしている。本来はあなた方がやるべき仕事なのではないか?そのような問い合わせに対してまで情報公開請求の手間を強いるのか?)
一般の人からの問い合わせに対しては、情報公開で対応する。
個人情報があるので、公表していいかどうかの審査をしてできるものは公表する。反対意見を出すこともできるようになっている。そのための制度。
(現在もアスベスト製品を製造している会社があるということで慎重になっているのか?)
現在稼働中で、把握しているのは10件。
(報道機関に発表しているのであれば、HPで公表する考えはないのか?)
HPに掲載するかどうかは、別のグループが決めていること。自分たちが決めることではない。
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●愛知県
環境部大気環境課 規制グループ 052-954-6215
taiki@pref.aichi.lg.jp
http://www.pref.aichi.jp/kankyo/gyousei/soshiki/jimugaiyo/taiki/index.html
個別請求を出していただいて対応している。
公表は考えていない。そのような動きもない。
報道機関に対しては、問い合わせがあるので、工場等の名称、市町村等を、口頭でお答えしている。
愛知県で担当している範囲では、2工場あって、立ち入り検査等は行っている。
それ以外の、名古屋市、豊橋市等の政令市についての情報は、取りまとめていない。
政令市の情報は参考にはしているが、把握する機会がないのでお答えできない。
各政令市にお聞きしていただきたいので、ご理解いただきたい。
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●神奈川県
環境農政部 大気水質課
045-210-4111
http://www.pref.kanagawa.jp/sosiki/kannou/0503/index.htm
taiki.161@pref.kanagawa.jp (大気指導班)
県内6つの政令市のうちの、川崎市、横須賀市、平塚市に事業所がある。
それらの政令市の情報は把握していないので、お答えできない。
神奈川県で所轄分には1事業所ある。公表はしていない。
NHKに対しては、数だけをお知らせした。(平成元年:23、平成16年度末:8、全県)
事業所名と所在地は、各政令市ごとに分かれているので把握していない。
各政令市に問い合わせて聞いてほしい。
5日に、政令市の担当者と連絡会議を行った。
その際も、事業所名と所在地についてはふれなかった。
配布資料にも、事業署名を所在地について書かれたものはなかった。
具体的な事業所名と場所についての議論はなく、数だけで議論した。
会議の時間は14:00から16:00まで、2時間。
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●東京都
環境局 環境改善部 大気保全課
電話 03-5388-3492
当初、個人名(事業署名)が記載されているので、情報公開請求で対応している、公開請求を行ってほしいと回答、請求する部署を紹介された。
NHK等の報道機関には渡しているということ。報道機関に渡している情報と一般の問い合わせと区別する理由は何かと聞いたところ、改めて連絡するとのこと。
その後の連絡で、個人情報が入っているので、情報公開してほしいとの一般的な対応を担当からお話したが、事業所名と所在地についてのメモ程度のものでよければ、届出そのものの開示ではないので、問い合わせがあれば対応するとのこと。
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●環境省
大気環境課 03-3581-3351(内6536)
省庁連絡会議は、内閣官房総務課が音頭をとって、環境省、厚生労働省、国土交通省、経済産業省の4省の担当者が集まっている。3回目の会合があった。
現在、今回の問題について、調査や対応を協議していくうえで、どの法律の観点から行うのかということを決めているところ。(どの省がリーダーになって進めるのか決めているということ。)
環境省は、1989年以降の被害については、大気汚染防止法の規制の範囲内になるので、大気環境課で行うが、それ以前の環境被害という話になると、規制の範囲外になるので、環境保健部企画課が対応している
各自治体からの事業所名、所在についてのリストはまだ集めていない。
(数は年度ごとの報告で集計しているが、具体的な事業所名は、各都道府県等で把握している。)
(NHKが、大気汚染防止法によって届けて対象となった施設に全国調査をしたということだが、事業所名と所在地のリストは環境省から渡されたのではないか?)
そのニュースは聞いていない。
自分の方からは渡していない。
具体的な名称についての情報はまだ集めていない。リストは作っていない。
※アスベスト 300人以上死亡
NHK 2005/7/7
http://www.nhk.or.jp/news/2005/07/08/d20050707000165.html
(各都道府県では、NHKも含め報道機関に公表していないと回答をしているところもある。どこから流されているのか?)
わからない。
(環境省が都道府県に被害の実態把握を要請という記事が出ているが、どのような方法で行うのか?)
行っていない。
事務次官の発言を記事にしたものだが、クボタから聴取して、必要がある場合には全国調査すると答えたところ、記事の段階で、「必要がある場合には」が抜けた。
クボタの聴取はした。
※アスベスト:環境省、住民健康調査へ 都道府県に実態把握要請
2005/7/1 毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/kansai/news/20050701ddn001040016000c.html
(環境省が青石綿の使用量等についての調査を各都道府県を通じて行っているとの報道があるが、どの様な方法で調査できるのか?)
大気規制課では行っていない。
保健部でそのような調査を行っているということは聞いていない。
※環境省、全国の工場対象に青石綿使用のデータ収集へ
2005/6/30 共同
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050630STXKE032830062005.html
(事業所名の公表についてはどう考えているか?)
自治体から、住民からの問い合わせてどのように回答するのかと聞かれているが、公表してはならないものではないので、各自治体の判断で行ってほしいと伝えてある。
(被害者の調査をするとか、相談を窓口を設けるといっても、近所にアスベスト工場があったのかどうかもわからないのに、相談することもできない。公表によって企業の利益を損なう恐れがあるというが、実際に健康を損なっている住民の利益はどうなるのか?所在地の公表をしないで、被害者の調査をしようとしている意味がわからない。)
そう思う。隠す話ではない。
環境省で公表するのがいいのかもしれないので、検討したい。
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以上、おおよその内容を取りまとめたものです。(2005・7・8)
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