アスベスト新法:不作為の結末(目次)

アスベスト新法:不作為の結末(その3)

〜AIAとは〜


平成13年度の通常総会で、(社)日本石綿協会会長、音馬峻(おとうまたかし)氏(当時ニチアス(株)社長、会長就任後、現在は最高顧問)は、アスベストの輸入量の減少にともなう賛助金の減収により、AIAに会費の値下げを申し入れたと報告した。

このAIAとは何だろう?

AIAとは、正式には、国際石綿協会(ASBESTOS INTERNATIONAL ASSOCIATION)という。
アスベストの衛生対策は世界的な問題で、各国が行う対策では不十分として、1976年に設置され、(社)日本石綿協会は1977年(昭和52年)に加盟した。

AIA(国際石綿協会)の目的は、
 @加盟協会間で石綿に関する健康上の問題を十分認識する。
 A石綿に関する医学、科学技術的問題を含む情報を加盟協会に速やかに提供する。
 B石綿業界の見解を述べ、業界を不当な攻撃から守る。
となっている(「せきめん読本」より引用)。
AIAには34ヶ国あまりが加盟(1996年当時)、業務内容の中には、「粉じん抑制を積極的に推し進める」とあるから、労働者保護のために積極的に活動していたようにもみえる。

実際はどうだったのか?
少し長くなるが、日本石綿協会の平成9年度通常総会での状況報告から、AIAに関連する部分を引用してみよう。
「一方、海外ではフランスの石綿使用禁止と言う大きな問題が起こっている。

昨年7月3日に、石綿の輸入、使用、販売等の禁止が発令された。特別な工業製品は例外として、その他建材等の輸入、使用、販売の禁止が97年1月から実施されている。
フランスは、もともと石綿の規制が緩く、比較的石綿の使用されている国である。AIA会長もフランスのデュボアン氏が務めていたが、次回のAIA総会で辞任することになっている。

従って、フランスでは石綿に関する活動ができないので、AIA本部をパリからカナダのモントリオールに移すことになり、今年3月にパリの事務所は閉鎖された。
現在はアメリカAIA/NAのピッグ氏の事務所で暫定的に事務を扱っている。

ヨーロッパではフランスが石綿使用禁止派となり、EU内における石綿の使用派と禁止派のバランスが崩れて、石綿使用派は少数となった。
EUのなかで、石綿が直ちに全面禁止になることはないと考える。

フランスの問題が、わが国において直ぐに影響が出てくるとは思われないが、注意をしておく必要がある。・・・(中略)・・・

フランスでの石綿使用禁止に対応する国際的な体制の立て直しを、カナダの鉱山関係、カナダ政府、ケベック州政府等が中心になって進める方向になると考える。」
(「平成9年度通常総会議事録」から引用)
日本と同じく「管理使用」を提唱していたフランスでは、1997年からアスベストが禁止された。その時のAIAの動きを説明したものだ。

二人の会長の会談は、この前年、フランスの禁止の動きが高まっていた頃になる。
1996年2月19日、AIAのジボアン会長が、日本石綿協会会長音馬峻氏(ニチアス社長)を表敬訪問し、ニチアス(株)本社で二人の会談は行われた。「最近の石綿事情」についての意見交換という。

会談要旨には、「英国での「ぺトー教授の警告」で始まった騒ぎの件」とある。

「昨年2月、英国でぺトー教授等が提唱した「過去に施行された吹付石綿がもたらすリスクに対し、ビル保全作業者への警告」に端を発した騒ぎは、フランスに飛び火した。」
「まず、マスコミが大きく取り上げ、テレビでセンセーショナルに実例の紹介が行われ、また新聞でも何度か反石綿キャンペーンを打ち上げた。」

フランスで大きな騒ぎになっていることについての意見交換だった。
この内容を次に書こう。

つづく                          (2006.1.4 1.15一部訂正)K.OUCHI


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