「開かれた県政」を求めて-目次-

条例改正の行方(ふろく)−静岡県の情報公開条例について考える−

たごと事件その後(3)



 静岡県が知事方針で示した「県職員が公費を支出して飲食を伴う懇談会を開くことを原則禁止する方針を明らかにした」ことに対して、自治省が「極めて珍しい」と評したことがもし事実であるとすれば、何がどう珍しいと言っているのか、確認してみなければならないかもしれない。

 自治省がもし、全国でこのような公費を使って飲食をする公務員の会合が広く行われているということを前提にして言っているのだとすればば、それはそれとして重要な問題になる。

 またもし全国の情報公開審査会の委員が、公費を使った懇親会に日常的に参加しているという前提で言っているのだとすれば、公正や中立性を求められている審査会の役割から許されるのかという問題は、全国的な問題として取り上げられる必要が出てくることになる。
 自治省はどのような状況認識をもとに、このようなコメントを出したのだろう。

 たごと事件は、意外な方向に発展しているが、核心部分の問題は何も解決されているとは言えない。当初の報道では、角替審査会会長は「県民からあらぬ疑いを掛けられるのは本意ではない」と言ったというが、実際に懇親会は行われているし、(昨年10月に交替した新しい委員は除いて)、会長も含めて委員が出席しているのは事実なのだから、県民は「あらぬ疑い」を掛けているわけではない。

 はじめから、「審査会の委員が、公費を使って飲食をすることは、情報公開制度全体から考えて適切ではないだろう」ということを言っているわけだから、ともかく「適切ではなかったからこれからはやめる」ということを、室長か副知事か審査会の会長か、誰かが認めてくれないと話はどこにも進んでいかない。

 県は、全庁にわたる飲食会合禁止令を出してでも、特に審査会の委員について問題にすることは避けたいようである。
 それはなぜなのだろうか。

 (つづく)


このホームページに関する御意見、御感想は
ヘパフィルター(E-mail:hepafil@ag.wakwak.oom)
までお願いします

ホームページ 目次 次ページ メール