〜記者クラブと知る権利について考える〜

届かなかったFAX

静岡県社会部記者会と静岡県県政記者会に宛てた質問書
(静岡県県政記者会宛の質問書は8月10日付け)
回答はこちらに


2000年7月26日

静岡県社会部記者会 御中

     アスベストについて考える会 

記者会の規約や県との取決め等について(ご説明のお願い)

 前略
 このたびは貴記者会についての問い合わせに応じていただきましてありがとうございます。  今回ご質問をさせていただくことになったきっかけは、県民の側から県の記者会にいろいろな情報が簡単には届かなくなっている仕組みがあることについて、そのような仕組みがどうして作られているのか疑問を持ったことでした。(経過につきましては、上記ホームページの「届かなかったFAX」をご参照いたければ幸いです。)
 そこで、県と記者クラブの間で取り交わされている取決めについて調べてみたところ、そのような取決めの文書はほとんど存在していないばかりか、県は、記者会の規約や会則等も持っておらず、どのような記者クラブに県の施設の利用を認めているのか説明できない状況になっていました。
 また、通信費等はどの程度公費からまかなわれているか、どのような形で便宜をはかっているか、さらに、どういう約束事に基づいて報道資料の提供等が行われているのかなど、詳しいことがほとんどわからない状況になっていることを知りました。

 県の説明によれば、記者クラブが県庁内の施設を利用することができるようになっているのは、記者クラブがあることによって、県が広報活動をより効率的に行うことができるため、言いかえれば、県は広報活動という県の本来行うべき事業の一環として記者クラブに施設等を提供している、とのことです。
 しかし、県民の立場からすれば、特定の私的な団体に県の行政活動を肩代わりさせたり、そのために施設を提供し、通信費等を支払ったりして便宜をはかっていることを、納得できる説明もないまま受け入れる気持ちにはなれません。
 これまで記者クラブが県庁内の施設を使用することなどが認められてきた背景には、記者クラブが、私たちの知る権利を私たちにかわって行使し、行政活動が適切に行われているかどうか監視する役割を果たすことが期待されていることがあると思います。
 このような役割を貴会が担っておられるのだとすれば、私たちは、どのような団体がこのような重要な役割を私たちのために果たしてくださっているのか知りたいと思います。
 また、このような活動が、県との取決めや協定などによって何らかの制約を受けたり、限界を持っていたりするのであれば、それがどのような制約や限界であるのかあらかじめ承知しておきたいと思います。

 このような観点から、下記の点についてご質問させていただきたいと思います。また、いくつかの点について貴会のご見解をお伺いしたいので、併せてご回答いただきますようにお願い申し上げます。(ご回答や今後の経過につきましては、上記ホームページに掲載させていただきたいのでどうぞご了解ください。)

     草々


T 次の点について教えてください。(取決めについては、文書があれば文書を、なければ内容をお示しください。)

    1 貴記者会の名称、規約等について
     (1) 会の名称、会員などの構成員または構成社
     (2) 規約、会則
     (3) 入会の際の条件や手続き
     (4) 会の運営に関する取決め
     (5) 会の発足から現在に至るまでの経緯

    2 県との取決めについて  (1) 施設、備品等の使用に関する取決め事項
     (2) 電話やFAX等の料金の支払いに関する取決め事項
     (3) 報道に関する取決め事項
     (4) 記者会見についての取決め事項
     (5) 情報の提供に関する取決め事項
     (6) その他の取決め事項
     (7) それらの取決めが作られた経緯や手続き

    3 懇談会、懇親会、新年会、忘年会等の会合について
     (1) 知事をはじめとする県の職員と、懇親会、新年会、忘年会等の会合はどの程度行っているか
     (2) その際に公費はどの程度支出されているか
     (3) 日常の取材の際や催し物の際には、県から金品の提供をどの程度受けているか
     (4) お中元やお歳暮、慶弔、餞別などの形での金品は、県や県職員等からどの程度受けているか
     (5) これ以外に、昼食会等の意見交流の場はどの程度設けられているか

    4 記者会見について
     (1) 記者会見はどのような流れで行われるか
     (2) 記者会見に参加するための資格は必要か、参加の可否を決めるのは誰か
     (3) 記者会見は公開されているか、傍聴等の一般参加は認められているか

    5 県民との交流について
     (1) 県民からの情報提供はどのような形で受けることになっているか
     (2) 県民との意見交流はどのような形で行っているか
     (3) 記者室への入室について制約があるか
     (4) 県民から記者会に対して意見がある場合、どのような方法で受けることができるようになっているか


U 次の点について、貴会の見解を教えてください。

    1 県が次のような説明資料を持っていないことなどによって、記者クラブについて十分に説明責任を果たせなくなっていることについてどのように考えるか
     ・記者クラブについて、 記者会の規約、会則を持っていないこと
     ・施設の利用に関する取決めがないこと
     ・県が負担する電話、FAX等の料金についての取決めがないこと
     ・貴会や貴会の構成員や構成社にかわって県が負担している電話、FAXの料金が明確になっていないこと
     ・どのような形で報道資料が提供されるかが明確でないこと
     ・報道に関する取り決めの内容が明確でないこと

    2 記者クラブの名称、規約、会員等の構成員、構成社、組織等が一般には公表されておらず、どのような形で記者クラブが運営されているかわかりにくくなっていることについてどのように考えるか

    3 県民からの情報を受け入れる体制が十分に整っていないことについてどのように考えるか

        以上


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