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2001.2.12
2月9日に、社団法人日本石綿協会と石綿対策全国連絡会議の話合いが開かれました。

    日時:2001年2月9日  10:00〜12:00
    場所:日本ビルディングセンター「銀座アクトプラザ」
    出席者:(社)日本石綿協会出席者 6名(氏名略)
        石綿対策全国連絡会議出席者 10名(氏名略)


石綿協会からの説明の概略は以下のとおり-------------

・協会のスタンスとしては、石綿はきちっと管理して使えばきちっと使える(管理して使用すれば安全)という立場。
・過去の問題があって、過去のすごい暴露濃度からすれば疾病は出ざるをえない、過去の問題を現在も引きずっているということ。

・蛇紋石系と角閃石系の知見が当時なかった。1986年のILO条約の中で入って次の年、協会としてはクロシだライトをやめた。アモサイトは平成4年にやめている。
・クロシドライととアモサイトについては、リスクの問題、可能性としてはある。これからもこういうことは続く。
・中でも一番の悲劇は吹き付けアスベストを施工した人たち。将来同じような過ちを犯すことがないように、どう管理してきちっと使ってゆけばいいのか、どううまく使ってゆけばいいかというのが、協会、とくに環境安全衛生委員会の視点。
・そのための方法として、建材への「a」マークを普及させ、使うとき、取り壊すとき、それなりにきちっとしていかなければならないこと、また、もろい、発じんしやすい製品には使用しないことがある。

・そういう経緯を踏まえて、いま石綿協会としてやるべきこととして考えているのは、大きくふたつある。

・イギリスで問題になり、それがフランスに飛び火して、アスベストが禁止された。かなりポリティカルな部分がある。科学の面とは別にポリティカルな部分が動いていた。
・ジュリアン・ペトという人が、吹き付けアスベストにアクセスする労働者が何もしないでやって、アクセスすることによって曝露、それによって将来中皮腫を含めて起こるのではないかという予測した論文が当時発表になった。それがイギリスのマスコミ、テレビなどで放映され、それがフランスに飛び火して、フランスでああいうような動きなったという経緯がある。

・吹き付けアスベストを施工しているところにアクセスする人たちの問題、ここを何らかのかたちでやっていかないと、何らかの問題がおこる。アクセスするときにどのくらいの濃度レベルになるのか、それによるリスクはどうなのか、そういうことを把握した上で、リスクを下げるということが重要。

・ふたつ目に、現在の石綿の用途は建材が90数%だが、これを切断・加工、とくに現場における切断の問題がある。これについは切断時の対応のマニュアルを含めて、どのようにしたら濃度レベルの低減が図れるかやっている。
・とくに窯業系建材の場合には、アスベストの問題もさることながら、結晶性シリカの問題もある。粉じん対策、どういうふうにしていったら濃度レベルが下がるか検討をしている。

・もうひとつ、不純物の問題がある。
・たとえば、タルクという鉱物があり、天然のもので、不純物としてアスベストが存在する。粉塵の規定はあるがフリーに扱われて、それによる問題がある。それはそれとして考えていかなければならない。
・日本には蛇紋岩地層がある。黙っていてもアスベストがある。輸入して使う以前に混ざっている。
・アメリカでも昨年1月バーミキュライトが問題になった。そのような不純物の問題も含めながら、過去のわからない時点で曝露している。そのような疾病も含めて、リスクを少なくするか、いろいろな活動をやっている。

・アスネットで除去の際のチェックを含めてやっているのは重要。除去濃度レベルは高い。きちっと管理してやらないとまずい。このような点についてもパンフを作る。

・リスクはどうするか。リスクの概念についてお互いに考え方が違う。あらゆるものにリスクはある。全部足したら地球上に人はいなくなる。総体を見ていく必要がある。いろいろと低減をしながらなるべく管理して使おうというのが、われわれのスタンスというか考え方だ。
・アスベストは何もしなくて安全だという気持は全くない。それなりに対応はすべきであるという認識はもって、対応は進めてきている。


・(社)日本石綿協会の概要の紹介(略)<注:「せきめん読本」参照>
・環境安全衛生委員会の目的(略)<同上>
・(社)日本石綿協会の構成は、(現在は)全部会社単位で会員になっている。
・関連団体の説明(略)
・会員は、最盛期には130から140あったが、現在では73社。そのうち、製造業に携わる社45社、その他は流通関係。

・2000年度の日本の石綿輸入量は10万トンを切るみこみ。
・正確なところはわからないが、石綿協会に加盟している会員が使用している割合は8割から9割を超えるのではないかとみている。
・過去は山元と密接な関係があった。オープンになってからは、メーカーが直接輸入することもある。石綿協会の成り立ちが、戦後、割り当てから発足しているという経緯がある。

・製品の輸入に関してはわからない。アスベストという字句が入ると統計上カウントされる。すべてがバルクであるかどうかはわからない。この中にアスベスト繊維も混じっているものもあるかもしれない。
・アスベスト含有製品の輸入量の実態はわからない。アスベスト含有建材の輸入は、まずないと思う。
・海外の工場でアスベスト製品をつくって輸入するということはある。その場合は含まれない。
・よく利用される協会調べ(「わが国における石綿製品等の使用状況」)は大変な作業だった。トレンドとしては、現在も変わっていない。

・日本の輸入量が落ちている理由として、二つの要素があると思っている。ひとつは景気、バブルの崩壊により、極端に建築物が減少したことがある。もうひとつは、アスベストというのは総量が未来永劫たくさん出てくるものではない。大事に使っていくということで、低減化を進めてきた。技術的な問題もあるが、フレキシブルボードなど、企業努力により、半分以下の含有量になってきている。こういうことがあいまって減少してきていると考えている。

・スレートの混入率については、スレートにはプレート状のものとコルゲートのものがある。コルゲートについては、現在の混入量は5%前後が主流で、5から10%となっている。

・いろいろな面から検討は進めているが、物性上とか、耐候性の問題があり、まだ完全に解決されきれてない。いろいろ減らす方法やどこまで減らせるかとか検討している。
・ノンアススレートは数多くはない。耐候性の問題など、未確定の問題もある。実益の問題や未解決の問題があり、完全にノンアスにするのは難しい。低減化を指向していかなくてはいけないということは、それぞれの企業にある。

・(今後の見通しは)市場の動向によるのではないか。アスベストに対するイメージなり何なりからユーザーサイドが拒否するなら、市場がそれを受け入れるのは必然的で、結局は市場が決める話になる。

(どのように知らせているか、「a」マークの問題、どのように危険なのか教えられていない、PRTRでは消費者にはそういう規制がない、中間処理場の問題、保育園での暴露濃度の問題、成形品に関する実験データがあるならデータを示してほしいことなどについての意見、それに関する議論)

(協会として使わないようにしようとする考えがあるかどうかという点について)
・世の中がどうなっていくのかというのがいちばん大きい。協会としては管理して使うという考え。結局市場からなくなれば、作れない、使えないということは考えられるが、使用中止とする考えはない。
・各社の政策上の問題。協会という立場とは別になる。
・それぞれの企業の問題。協会から言うとか言わないとかいう問題ではない。そこまで踏み込むまではいかない。最初は一粒の雨がだんだん集まって潮流になるということは、いくつかの考え方の中にはある。市場原理とそれぞれ会員の政策なりとのからみではないか。協会としては、本当はもっと増えた方が財政的にもありがたい話だが、それはそうはいかない部分はある。

・カタログの問題は、協会としてはできる。PL法も含めて、消費者には知らしめることは必要。業界団体によってはカタログ全部につけてやっていたところもある。

・石綿スレートのリサイクルについてはつかんでいないが、検討課題で、視野に入れていかなければならない。無害化ということで議論している。

(リサイクルについて現状把握をしてほしいという意見、処理の問題、解体時にアスベスト含有か含有でないか、分別が可能なのかという意見、それについての議論)

・(PRTR法についての話)PRTRについては21日に講習会を開く予定。21人以下はメンバーにはいない。

・ILO条約のアスベスト条約の批准については、協会としてはもともと批准すべきという立場でもと労働省に働きかけてきた。国内法とのからみで難しい問題があり、内閣法制局がとおらないようだ。計測、測定の部分がネックになっていると聞いている。批准すべきという考えは今も同じだ。

・最後に、今後協会で検討することを確認する。ひとつは、カタログに「a」マーク(アスベスト製品であることと含有率)を表示するようにすることについて、協会として考える。
・ふたつ目がリサイクルの問題。スレートなどのアスベスト含有製品が建材等のリサイクルの流れの中で飛散することがないように、今後いろいろな意味で、してはいけないと考えてほしいという話があったこと。
・過去の(アスベスト含有)建材商品名のリストについては、確約はできないが、努力していきたい。
・最後に、「a」マークをやってないところがあるので、これの再確認をしてほしいということ。

・大きくこの4つの点について協会として対応を考えていきたい。
・ILO条約のアスベスト条約の批准に対する協力については、これまでもやってきたことなので、当然のことと考えてあえて入れなかった。


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