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2001.10.27   12.3(月)13:00-17:00 石綿対策全国運絡会議第15回総会が開催されます。

以下、石綿対策全国連絡会から送られたチラシより全文転載させていただきます。-------

    12.3(月)13:00-17:00
    石綿対策全国運絡会議第15回総会

    記念講演:アスベストの健康影響と代替繊維の健康リスク
    講師:森永謙二先生(大阪府立成人病センター参事)
    2001年12月3日(月)午後1時〜5時(記念講演は3時からの予定) 参加無料
    全建総連本部1階会議室(JR高田馬場駅徒歩10分)
    会場住所:〒169−0075東京都新宿区高田馬場2-7-15
    TEL(03)3200-6221/FAX(03)3209-0538


    石綿対策全国連絡会議は、上記のとおり、12月3日(月)午後に、第15回総会を開催いたします。

    9月11日のニューヨーク・世界貿易センター等へのハイジャック飛行機による前代未聞のテロ攻撃は世界を震憾させましたが、大惨事の被災現場では、アスベスト汚染とその影響に対する関心が集まっています。
    専門家等による真剣な検討が行われているとのことで、要諸を受けて私たちも、阪神・淡路大震災時の情報を提供しました。
    (写真は、救助・復旧作業が続くニューヨークの現場、9月17日)

    アスベスト(石綿)禁止に向けた流れば昨年9月17-20日にブラジルで開催された「世界アスベスト会議」以来、ますます力強いものになっています。国民の健康と環境を守るためにアスベストを禁止することが、自由貿易に反する技術的貿易障壁に当たるのかどうか?注目されていたフランス・EU対カナダの貿易紛争に関して、世界貿易機関(WTO)の上訴機関は今年3月12日、フランスの禁止措置を支持する最終結論を下しました。WTOの紛争解決ルールが定められて以来、初めて何らかの貿易制限措置を容認した画期的な裁定でした。

    南米では、チリが今年7月に、カナダの恫喝に屈せずにアスベスト禁止を導入。アルゼンチンも同月、後に続きました。サンパウロ州、リオデジャネイロ州など需要の大半を占める州政府が禁止を導入したブラジルの国レベルでの禁止導入も間近と目されています。
    2005年をデッドラインとして加盟諸国にアスベスト禁止導入を義務づける指令を採択したEUでも、最後まで禁止に反対していた3か国の内のひとつのスペインが2002年までに禁止することを決定。EU加盟をめざす中欧・東欧諸国でも期限までに禁止を導入する動きが加速しています。
    オーストラリアも2003年に全面禁止することを決定、世界中で禁止に向けた取り組みが広がるなかで、いまやすでに禁止を導入ないし決定している国は30か国以上と伝えられています。

    私たちは今年2月9日、(社)日本石綿協会との話し合いを持ち、業界として使用中止の英断をと迫りましたが、「協会としては、管理して使用すれば安全というポジションに変更はなく、(使用中止についての)議論も決定もしていない」、という返事でした。
    しかし、3月6日に新聞報道(朝日夕刊)されたように、日本の全輸入量の約4割を占めるクボタ、松下電工の大手2社が、住宅用屋根材へのアスベストの使用中止を決定していたことが明らかになりました。日本のアスベスト輸入量は、2000年にはじめて10万トンの大台を割って98,595トンになりました(1999年117,143トン)。しかし、使用中止の動きが加速してさらに激減することを期待していますが、未来を各企業の自主的使用中止に任せて楽観しているわけにはいきません。
    なぜなら、前述の日本石綿協会の公式発言に加え、同協会に所属していない企業もあり、私たちが実施した「今後のアスベスト使用等に関する緊急質問」に回答をよこした企業の数も少なく、その中でも、「使用中止のためには法規制が必要」と答えている企業も少なくないからです。

    行政が重い腰をあげようとしないうちに、日本におけるアスベスト被害が増加、顕在化しつつあります。ほとんどがアスベストが原因と言われる独特のがんである中皮腫による死亡者数が、2000年には710名で、前年比約1割増、1995年の500名から6年間で1.5倍に急増していることが明らかになりました。アスベストによる肺がん死が中皮腫の2倍あるとすれば、日本でもすでに、毎年約2千人以上、6年間で1万人以上にのぽっていることになります。このまま日本が「世界最大のアスベスト輸入国」であり続けたら、被害はどこまで拡大するのでしょうか?
    アスベスト被害の実態の解明と将来の予測、何よりもアスベスト禁止の早期導入をはじめとして、既存建築物のアスベスト対策、廃棄物対策、建設労働者等のハイリスク者の健康確保対策等の早急な強化、整備が必要とされる所以です。

    第15回総会では、この間の目まぐるしい内外の状況と1年間の取り組みを振り返り、正念場を迎えた日本におけるアスベスト禁止実現に向けた方針を確認します。また、各地における市民、労働組合等による現場報告も予定しています。

    一方で、アスベストの代替品(代替繊維)の性能や健康影響に関する関心も高まっています。あまり知られていませんが、一部の代替繊細について、有害性に関する知見が集積され、安全対策を強化する具体的な動きが強まっています。一方で、昨今の世界のアスベスト禁止導入の動きの中では、アスベストよりも相対的に安全な代替品が現在利用可能であることが、各国・地域において確認されている。というように概観することができるかと思います。
    いずれにしろ、私たち自身が正確な知識を持ち、アスベスト禁止の早期実現と有害物質対策の前進に役立てられるようにという趣旨で、タイムリーな記念講演も企画いたしました。参加無料ですので、どなたでもふるってご参加ください。

            石綿対策全国連絡会議
                〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル5階
                全国安全センター内
                TEL(03)3636-3882/FAX(03)3636-3881



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