2001.6.8 省庁交渉のためのメモ(抜粋):保育園の改修工事の問題
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2 保育園の改修工事の問題
さしがや保育園の問題がおこって厚生省は何をしたでしょうか?担当者会議で話をしたなどということは、何もしなかったといっているのと同じことです。
厚生省の回答:「アスベスト対策情報」2000年5月省庁交渉の記録より
http://homepage2.nifty.com/banjan/html/1999koseisho.htmこういうことがありました。
昨年の夏ごろ、知人の子供が通っている静岡市の保育園で大規模な改修工事が行われていて、ほぼ1年にわたって工事が続くという話を聞きました。少し不安になったのですが、吹き付けアスベストはなさそうだったため、あまり不安をかき立てるようなことをいってもと思っていました。
しかし、1年間も工事が続く中で通常どおり保育は行われているということ、それまでの工事の様子、工事内容についての通知が全くないこと、保護者の説明会もないことなどの対応を聞いているうちに、だんだん信じられない気がしてきて、市役所に行って関連書類を見せてもらい担当者に説明をききました。
吹きつけはなかったのですが、トイレの天井などにケイカル板と、Pタイルが使われていました。トイレの工事は確か終わっていて、Pタイルの工事はこれから行われるところで、工事は平日行われる予定でした。
園児は0歳児から6歳児までで、保護者に工事の説明はしていませんでした。工事の方法は、園児を別の部屋に移し、1部屋ずつ工事をしていって、工事が終わった部屋にだんだんと移動していきます。それがほぼ1年間(実質的には8ヶ月くらい?)にわたって続くという方法でした。
日曜日や夜間など、園が休みの時に(子供達がいないときに)工事が行われないのは、近隣の騒音対策のためといっていました。
小さな子供達がほぼ1年にわたって、騒音と粉塵の中で保育時間を過ごします。
問題は、そのようなことが、指摘をされるまで担当者が全く問題とは感じていなかったということです。静岡市はこれまでもそのような方法で工事を行ってきたといいました。ただし、今回の工事は今までになく大規模なもので、全面的な改修工事になっていたのに、今までのような部分的な改修工事の方法で行っていたのでした。また、このような全面改修はここを手始めにこれからも続くということでした。
アスベストの問題(さしがや保育園の問題ももちろん)は知らなかったようです。ケイカル板やPタイルというものがあって、アスベスト含有の可能性があるということは全く知りませんでした(設計にあたった人 はある程度は知っていたようです)。
指摘を受けて市は、しばらく後保護者に説明会を開きました。しかし当日の天候がひどく、工事で駐車場がつかえなかった上、ほぼ工事は終わりに近づいていたため、参加者は少なかったようです。
Pタイルの工事は日曜日に行われました。
市や保育園が保護者に説明をしなかったのは、また、さしがや保育園の問題や川崎市の取り組みが全国の保育園に伝えられないのは、そのようなことを伝えるということが市や厚生(労働)省にとって都合が悪いからです。
この保育園の場合、工事のはじめ頃、7月の大雨で雨漏りがして園が使えなくなりました。夏休み中だったため、急遽、隣の小学校の1階を借 りて保育をしました。園の先生も父母達も引越しやなれない生活でとて もたいへんだったそうです。
工事が安全でないということになれば、別の場所に移る必要が出てきますが、このようなことは現実には難しいことになります。何よりも保育園の場合、保護者が多忙で安全性について気を配る余裕がありません。 長期に遠くまで送り迎えをする余裕はないため、問題にされて迷惑だと思う人もいます。大規模な工事で十分な保育ができなくても、保育料が同じでいいのかという問題もあります。
小学校では暖房もなく小さい子供達の保育には不向きです。日曜日に工事をするようにすると経費もかさみます。そういうことを考えると、アスベストのことを問題にされるのはとても困ることになっているのでしょう。
しかし、全国の保育園で改修工事が進められようとしている今、さしがや保育園の問題はもっとはっきりした形で生かしていくべきです。
厚生労働省は、全国の保育園の担当者に対して、改修工事でアスベストの問題が出てくるということ、工事で園児の安全に影響が出ないようにすること、保護者に十分な説明をすること、最低限その程度のことは文書で確実に伝えるように、強く要望する必要があると思います。