「エレボラツィオーネ」


 フェラーリ348tbを改造して作られたショーカーである。
なにしろ、エンジン・ルームのフードの代わりにガラスが取り付けられて「エンジン丸見え」という、ド派手な出で立ちなので、実用に供するのには少し無理がある。

ザガートは、過去に幾つかのフェラーリをベースにボディー改造を行っているが、最近ではこの「エラボラツィオーネ」と
フェラーリ・テスタロッサをベースにした「FZ−93」と、そのモデファイ版の「ES−1」が良く知られるところである。
 御覧の通り、サイドのエア・インテークなどは、後のF355にそのまま採用されている。が、フェラーリのオフィシャルな立場からは、あくまでも改造車の類であり、正式なモデルとしては、過去から現在に至るまで1台も認められていない。
因みに、エラボラツィオーネとはイタリア語で「特別な」を意味している。

 第2次大戦に至るまでの数年間におけるエンツォ・フェラーリ率いるスクーデリア・フェラーリは、ザガート製のボディーを持つアルファロメオで散々勝ちまくっていたのだから、少々は温情で認めてやってもいいんじゃないの。と、考えるのはやっかみか?


【戻る】