パノラミーカ・ボディー


 第二次大戦後にザガートがフィアットの小型セダンを改修して作り出した一連のシリーズで、ウインドーを大きく取りキャビン全体が滑らかな曲面で構成されることにより、室内がルーミーで開放感溢れるものとなった。
 特に曲面ガラスと自社の卓越したアルミ加工技術によってフロント・ウインドーの上面がルーフに重なるまで湾曲させており外見での大きな特徴となっている。

 50〜60年代においては、このパノラミーカと今ではザガートのアイデンティティの一つとなっている「ダブル・バブル・ルーフ」を組み合わせて造形されることが多く、空力を考慮されてデザインされた丸く引き締まったボディーラインとこのキャビン&ルーフはザガート独特の作風を漂わしており、現在のデザインでも踏襲されている。

パノラミーカ・ボディーの特徴を、最も端的に表している
1枚の写真。
 1950年頃のイタリア国内の公道レースに参戦している
「フィアット500」ベースのパノラミーカ・ザガート。

当然、ボディーはアルミ製で、ウインドーシールドは
プレキシ・ガラスである。
また、ボンネット上には、Zのエンブレムが誇らしげに
輝いている。

 ザガートは当時のフィアットの数種の小型セダンを利用して、
この様なスタイルのスペシャルを製造しており、
そのクルマ達は少なからずレース等に使用され、
好成績を収めていた。

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