糸電話もしくは入らんわ
詩 さだまさよし
糸電話みたいな投手でした
力抜いたら届かない
力入れたら外れてしまう
不器用な投手でした
一番最初の球はボール
ノーコンのようなイメージを与え
やっぱり駄目がと思っていた
不安そうなみんなの声は
肩にのしかかる重圧のためか
震えた自分の頼りない腕
多分あのときに自分は
交替したいと思った
四球4つ続けた
何もできずに投手の僕は
もどかしいくらい小さな歩幅で
歩きだそうとしてた
糸電話みたいな投手でした
力抜いたら届かない
力入れたら外れてしまう
不器用な投手でした
すべてが終わったと思った
息を殺して泣き続けた
数え切れないほどのランナーを
あの場所に置き去りにした
信用をなくした あのときに
使ってくれた人のために
あのときを思い出すたび
自分が一番情けないけれど
夢一色駆け抜け
期待はずれの許せない僕は
負けは負けとして
いつかチャンスがあると
あきらめられるようになった
糸電話みたいな投手でした
力抜いたら届かない
力入れたら外れてしまう
不器用な投手でした
<解説>
元唄はグレープ再結成時のレーズンの「糸電話」
例によって岡大全学ソフトボール大会で、リリーフ直後に
4連続四球を与えたときのこと。
岡大全学ソフトボール大会は私にとって甲子園みたいなものでした...
負けたとき、全てが終わったと思いました。
でも、今こうして軟式野球のマウンドに立っていられて、結構幸せか
もしれません。
−以上−