ピラミッドの入り口
後方の看板には
「ウナス王のピラミッド
紀元前2360年」と書いてある
玄室の周囲には他のピラミッドにはない呪文がびっしり書かれている

ウナス王は古王国時代第5王朝最後の王で、そのピラミッドは内部に文字が書かれていたことで有名である。
碑文の内容は神々への賛歌など王の葬儀の際に唱えられた呪文で、約4000行にわたっており、「ピラミッド・テキスト」と呼ばれている。

また、玄室の天井には天空を表すたくさんの星が描かれている。

元来、ピラミッドには文字は残されていないと考えられていた。
ウナス王のピラミッド・テキストが最古のもので、他にはない内容の呪文である。

ピラミッド・テキストには王の復活とオリシス神の復活の話や王が太陽神ラーの国に迎えられる話、魔よけの方法、埋葬の方法などが記され、それらの呪文は葬儀の際、神官達によって唱えられた。

ピラミッド・テキストはその後ピラミッドに直接書かれることはなく、それにかわって、コフィン・テキストという宗教テキストがミイラを納めた木棺の内部に書かれるようになった。

更に、その後になると、パピルスの巻物に来世の幸福を祈願したり、魔除けの呪文を記した「死者の書」が登場した。

ウナス王のピラミッドはサッカラの階段ピラミッドや多くの墳墓群の中で、サイズもさほど大きくなく、ピラミッド自体もも崩れかけて、丘のようになっており、原型をとどめていない。

入り口は北側にあるが上の写真のように崩れかけた丘の一角に地下へへ通じる小さな穴が一つポッカリと口を開けているだけである。
入り口の上に「ウナス王のピラミッド」と書かれた看板があり、この看板がかろうじて歴史と考古学上重要な遺跡であることを知らせている。

この看板なかりせば、せっかく当地を訪れた人達も「歴史の遺産」を見過ごしてしまうかもしれない。

入り口で外人がつくねんと、たたずんでいた。

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